02. 2014年8月27日 10:03:46
: nJF6kGWndY
http://www.newsweekjapan.jp/stories/world/2014/08/post-3366_2.php エボラ蔓延の真の元凶は文化格差 Complicated by Culture 西アフリカ諸国では西洋医学に対する不信感や誤った噂が感染拡大を助長 2014年8月25日(月)12時19分 インドラニ・バス印刷 最前線の壁 医療スタッフは命懸けで感染拡大防止に取り組んでいるが、障害は多い(リベリア) 2Tango-Reuters 史上最悪となっている西アフリカでのエボラ出血熱の流行による死者は、WHO(世界保健機関)によれば7月末時点で700人を超えた。 血液や汗、その他の体液を通じて広まるエボラ熱の致死率は、最大90%に及ぶ。しかし現地の援助関係者に言わせれば、最も多くの死者が出ているシエラレオネとギニア、リベリアでエボラ熱の感染をここまで拡大させた大きな原因は、西洋医学への敵意だ。 「人々の姿勢が問題を大きくしている」と語るのは、この3カ国でエボラ熱予防活動を進めるユニセフ(国連児童基金)のファビオ・フリシア。彼によれば西アフリカでは、エボラ熱を病気ではなく「呪い」と考える人が少なくない。そのため医療関係者は、患者に治療を受けさせるのに大変な苦労をしている。「医療関係者が追い出されている地域もある」と、WHOの報道担当ダニエル・エプスタインは言う。 ギニアとリベリアでは医療関係者だけでなく、患者の隔離施設も襲撃を受けた。ギニアでは医療センターを暴徒が襲撃する恐れがあったため、国境なき医師団(MSF)のスタッフが患者を避難させる事態も起きた。 しかし現地住民の反応は、必ずしも驚くようなことではない。「想定の範囲内だ」と、フリシアは言う。「住民は(西アフリカでは)誰も知らなかった病気に襲われているのだから」 社会に広がる噂と誤解 エボラ熱が比較的新しい病気であり、ここ数カ月で死者が急増していることから、西アフリカでは噂や誤った情報が広まりやすくなっている。多くの住民がエボラ熱を超自然的な病だと信じており、欧米の医療専門家に対する不信感が根強い。エプスタインによれば住民の間には、死の淵にあるエボラ熱患者から医師が臓器を摘出していると怖がっている人たちがいる。 病院に連れていかれれば殺されると思い込んでいる人もいるし、エボラ熱は性的乱交に対する罰だと考えている住民もいる。乱交の報いだという見方はエボラ熱の蔓延からエイズを連想しているためだと思われるが、こうした噂のためにエボラ熱患者が汚名を着せられていると、フリシアは言う。 ロンドンを拠点とするシンクタンク海外開発研究所(ODI)の研究者リサ・デニーは、エボラ熱は致死率が高いため、多くの人が治療を受けても無駄だと考えていることも問題だと指摘する。
彼女と同僚のリチャード・マレットは、栄養失調に関する調査の一環でシエラレオネを訪れた。住民たちと交流するうちに彼らは、エボラ熱に付きまとう汚名も人々が治療をためらう大きな要因であることに気付いた。感染性が高いため、住民は感染者と判明した人には寄り付こうとしなくなる。 治療に対する不信感を和らげ、地元との協力関係を強化するには、地域に根差した祈祷師や宗教指導者と手を結ぶしかないと、マレットは言う。シエラレオネでの現在の取り組みは公共の医療機関に偏っているため、「もっと古くから地域に根付いている経路」を活用すべきだと、彼は指摘する。 地元のリーダーであれ、地域の医療関係者であれ、エボラ熱の予防と治療に携わるすべての人々が同じメッセージを発信することが極めて重要だと研究者たちは考えている。政府の支援活動には「住民たちの行動に影響を及ぼすあらゆる人を取り込むような、幅広い対策を取る必要がある」と、ODIのデニーは言う。 西アフリカの伝統的な葬儀にまつわる風習も、エボラ熱封じ込めの障害になっている。埋葬前に大勢の人が遺体を洗って清めることが多いのだ。 「文化的な慣習は根強い」と、マレットは言う。「何世代も受け継がれてきたことをやめさせることは、非常に難しい」 感染抑止のゴールは遠い ユニセフではラジオ番組を放送し、エボラ熱についての意識の向上を図り、感染を予防する方法を広めようとしている。MSFも医療センターや隔離施設内部の様子を紹介するビデオを制作し、住民たちの恐怖心を和らげようとしている。 ほかにもさまざまな組織が協力して、住民の不安を和らげるために活動している。赤十字やMSF、国連機関の関係者など合わせて約150人が、西アフリカ各地で感染拡大を食い止めるために活動している。赤十字国際委員会のスタッフは各地を回り、村の中央の広場で住民に呼び掛けを行っている。 それぞれの国際組織が、互いに密接に協力しながら危機に対処しようとしている。「上からものを言うのではなく、住民と同じ目線で対話をするよう努めている」と、ユニセフのフリシアは言う。
こうした協力態勢が重要であることは確かだが、西アフリカの人々が抱く西洋医学への抵抗感を和らげるには至っていない。エボラ熱の蔓延を食い止める道は、はるかに遠い。 「資金がまったく足りない」と、フリシアは言う。「対応が早いほど、コストは安く済むはずなのだが」 シエラレオネとギニアを合わせると、国民の70%以上がイスラム教徒だ。ラマダン(断食月)の終わりが近づいた先月下旬、医療関係者はエボラ熱の感染拡大に拍車が掛かるのではないかと不安視していた。ラマダン明けの祝日には家族や親族が集まるために帰省ラッシュが起こり、大勢の人が人混みにもまれることになる。 「まだ先は長い」とエプスタインは言う。「エボラ熱の流行は、あと数カ月は続くだろう」 From GlobalPost.com特約 [2014年8月12日号掲載] 「第3の端末」iPadに見えた限界 (ビジネス) 間違い電話でわかった借金大国の悲しい現実 (コラム&ブログ) 少子化の原因は「性差別」ではなく厚労省にある (コラム&ブログ) 奇襲攻撃でソウルを制圧せよ (ワールド) 日本は「貿易立国」を卒業したが、安倍政権はそれを知らない (コラム&ブログ) 日本向け極薄コンドームはどこへ消えた? (ワールド) http://www.huffingtonpost.jp/2014/08/25/ebola-doctor-liberia_n_5711915.html エボラ熱の未承認薬「Zmapp」投与のリベリア人医師が死亡 Reuters | 執筆者: Reuters 投稿日: 2014年08月26日 08時08分 JST 更新: 2014年08月26日 08時10分 JST EBOLA [モンロビア 25日 ロイター] - リベリアのブラウン情報相は25日、エボラ出血熱に感染し、未承認の治療薬「ZMapp」の投与を受けていた医師アブラハム・ボーボー氏が死亡したと明らかにした。
エボラ出血熱の感染が拡大している同国では、入手した「ZMapp」をボーボー氏を含む医師3人に投与。当初は良好な反応を示していたとしていたが、ボーボー氏は24日に死亡した。 リベリアでエボラ出血熱に感染し、米国に帰国後、病院で治療を受けていた米国人医師と医療スタッフの2人は、ZMapp投与を受け、前週無事に退院した。ZMappの効用をめぐり楽観的な見方が広がったが、ボーボー氏の死でこうした期待が後退する可能性がある。 エボラ熱感染の英国人男性に未承認薬「Zマップ」投与 2014年 08月 27日 06:12 JST [26日 ロイター] - 西アフリカのシエラレオネで看護師として働き、エボラ出血熱に感染した英国人のウィリアム・プーリー氏(29)に未承認の治療薬「Zマップ」が投与された。プーリー氏が入院している英ロンドンの病院が26日発表した。
プーリー氏は、ボランティアとして働いていたシエラレオネのエボラ医療センターで感染。24日英国に搬送され、ロンドン北部の病院に隔離された。 病院は声明で「プーリー氏は慎重な検討の末、Zマップの服用を決断し、25日に服用を開始した」と述べた。 前週には、Zマップを投与された米国人患者2人が回復し、退院。同薬の効能への期待が高まったものの、リベリアではエボラ熱に感染した医師が同薬の投与にも関わらず死亡している。 |