http://www.asyura2.com/14/kokusai9/msg/324.html
Tweet |
http://www.labornetjp.org/news/2014/0825eiga
●パブロ・ラライン監督『NO(ノー)』
チリ・ピノチェト独裁に「ノー」〜“広告屋の流儀”貫いたCM合戦
1973年、ピノチェトはチリで暴虐の限りを尽くして独裁政権を築いた。その男が15年後の88年、国際的な批判をかわすため、信任を問う国民投票を行った。誰の目にもピノチェトの勝利は明らかだった。それなのに敗北した。何が起きたのか? 同じチリのパブロ・ラライン監督の『NO(ノー)』がこの政権転覆の真実を解明している。
国民投票では、ピノチェト支持は「イエス」、反対は「ノー」と投票する。独裁者は自らの度量を示すために27日間、深夜テレビで1日15分ずつ反対派のキャンペーンを認めた。映画は両陣営のCM合戦を中心に描く。反対派には、テレビ局のCM制作で活躍するフリーランスのレネが加わる。レネ役には『モーターサイクル・ダイアリーズ』(04年)で若きゲバラを演じたガエル・ガルシア・ベルナル。支持派の担当はレネの上司で、いつもは協力し合うが、今回ばかりは敵対する。
見どころは、両陣営が作る多様な作品のおもしろさ。最初、反対派はピノチェトのクーデターを告発する白黒映像を作った。観客はこの映像で虐殺、拷問、国外追放の非道の歴史を覗き見ることができる。が、レネは「これじゃ人は動かせない」と一蹴する。そこから「今の時代にマッチした」「喜び」をテーマにした明るい作品を作ろうと悪戦苦闘が始まる。その一つ、本を読むひげ面の男に「独裁者に何が言いたいですか」と問う。男は用心深く左右をうかがって口を開くと、舌には「ノー」の紙が……。
一方、支持派は大統領の功績を讃えるCMばかり作っていたが、危機感を覚えて反対派の批判も始める。映画は当時を再現しようと、時にその時代の映像に俳優陣を融合させる撮影技法を用いている。レネは、支持派の妨害に「あくまで広告屋の流儀で戦う」と宣言。たかがCM、と笑うなかれ。(『サンデー毎日』2014年8月31日号)
*8月30日より東京・ヒューマントラストシネマ有楽町他。全国順次公開
映画公式サイト
http://www.magichour.co.jp/no
スパムメールの中から見つけ出すためにメールのタイトルには必ず「阿修羅さんへ」と記述してください。
すべてのページの引用、転載、リンクを許可します。確認メールは不要です。引用元リンクを表示してください。