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全米の多く州の例に漏れず、ロードアイランド州もここ数年、年金基金の一部を高リスク投資に回すようになった。その比率はどんどん高まり、州当局はウォール街のファンドマネージャーに高額の手数料を支払って運用を委託している。州最大手の新聞社が7月、その実態を納税者に知らせるため、運用契約の情報開示を求めたが、州当局はこれを拒否した。
カリフォルニア、ペンシルベニア、ノースカロライナ、ケンタッキー州なども同様の情報開示に応じていないが、ロードアイランド州当局は開き直りとも取れる理由を挙げて開示請求を突っぱねた。州の年金資産の運用でいくら稼いでいるかが公になれば、ファンドマネージャーたちの身の安全が危ぶまれるというのだ。
「ファンドマネージャーはスタッフの生産性を維持し、自分たちの受け取る報酬への注目を最小限にするために、この情報を部外秘扱いにしている」と、ロードアイランド州のジーナ・ライモンド財務官は書簡で述べている。ライモンドは民主党員で、ロードアイランド州当局から資産運用を委託された複数の会社のうちの1社の創業者でもある。
州財務官事務所からマイケル・フィールド州法務次官補に宛てたこの書簡は「不開示の根拠となる説明」を詳述したもの。その中でライモンドは、03年に投資家のエドワード・ランパートが身代金目的で誘拐された事件を例に挙げ、ヘッジファンドの手数料や報酬額が公表されれば、同様の事件が起きかねないと主張している。
こうした秘密主義に対し、透明な行政運営求める政治家や労働組合、市民団体が一斉に抗議の声を上げている。ファンドマネージャーたちは州の選挙で多額の献金を行い、州当局から有利な契約を得ているとして、ライモンドとウォール街の癒着を指摘する声もある。
ライモンドは11年に財務官に就任すると、すぐさま年金資産の高リスク運用の先鞭をつけた。ロードアイランド州当局が運用会社に払う手数料コストが増え始めたのもこの時期からだ。
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地元紙プロビデンス・ジャーナルの報道によれば、これにより運用会社はざっと7000万ドルの手数料収入を得るようになった。これらの運用会社は州の選挙でライモンド陣営の主要なスポンサーでもあった。
財務官事務所の書類を見ると、ライモンドの就任以前、ロードアイランド州は「年金資産の運用手数料が全米で最低レベルだった」が、「ライモンドの下で運用コストが3倍近く増えた」と、地元ニュースサイトが伝えている。労組の委嘱による調査では、ここ数年で手数料がほぼ700%増えたと推定されている。
所得格差の拡大が大きな政治問題となっている今、公然とウォール街の利害を守る当局者はライモンドくらいなものだろう。しかし、ロードアイランド州に限らず、多くの自治体が年金の運用委託に関する情報開示を渋っている。全米の州と市の公的年金資産は合計3兆ドル。最近では、そのざっと4分の1が高額の手数料を取るファンドマネージャーの手に委ねられている。データを見ると、高額の手数料を払っても、市場平均を上回る運用益が得られないことも多く、当局はこうした投資の詳細を納税者に知らせることを避けてきた。ロードアイランド州のケースでは癒着の構造が分かりやすいが、同様の問題は多くの自治体にもあると考えられる。
ニューヨーク・タイムズによると、ライモンド就任後の数年間に「ロードアイランド州の年金制度はヘッジファンド、未公開株、ベンチャーキャピタルへの投資に傾斜し、その投資額はゼロからほぼ20億ドル、運用資産の4分の1以上を占めるに至った」という。
http://www.newsweekjapan.jp/stories/business/2014/07/post-3350.php
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