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ロシアの農産物禁輸、最も打撃受けるのは自国の消費者か:食品価格9.2%上昇
http://www.asyura2.com/14/kokusai9/msg/275.html
投稿者 手紙 日時 2014 年 8 月 11 日 20:50:07: ycTIENrc3gkSo
 

件名:ロシアの農産物禁輸、最も打撃受けるのは自国の消費者か
日時:20140807
媒体:bloomberg
引用:http://www.bloomberg.co.jp/news/123-N9YPKL6KLVRO01.html
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8月7日(ブルームバーグ)


:ロシアが欧州連合(EU)と米国からの農産物禁輸を決めたことで、最も打撃を受けるのはロシアの消費者であるとの見方が出ている。ロシア国内の食品価格は上昇基調にある。


国連食糧農業機関(FAO)のシニアエコノミスト、コンセプシオン・カルペ氏は7日の電話インタビューで、ロシアの禁輸措置により全世界的には畜産物や果物価格の下落が予想されるが、ロシア国内の食品価格は上昇するとの見通しを示した。EUのデータによれば、ロシア向けは昨年、EUの農産物輸出の約10%を占めた。米農務省のデータによると、オランダやドイツ、ポーランド、米国はロシアにとって主要な食品供給国に含まれる。


カルペ氏は「今回の禁輸措置はロシアの消費者が支払う額が増えることを意味するため、最も大きく打撃を受けるの同国消費者だろう。禁輸によってロシア国内で農産物価格が上昇する一方、世界の他地域では下落する傾向が予想される」と指摘した。


ロシア国家統計局の4日の発表によると、同国の酒類を除く食品価格は7月に前年同月比で9.2%上昇した。  


原題:Russia Seen as Biggest Loser as Food Costs Rise on TradeBan (1)(抜粋)


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//memo


Inflation in Russia: Consumer prices hit three year high

By CCTV America


https://www.youtube.com/watch?v=yBrosen1N-E
about:Inflation in Russia is a long way from the 1000 per cent crisis times. But it is still hurting consumers. In June, it hit its highest level in three years.And Russia's central bank says inflation will hit six per cent by the end of the year. CCTV's Anya Ardayeva reports from Moscow.:


//omake


Japan inflation rate at 32-year high

By FastestBreakingNews


お偉方、食いもんの恨みは、怖いですゾ〜。
 

  拍手はせず、拍手一覧を見る

コメント
 
01. 2014年8月12日 01:24:42 : iZMnjfAAzI
ロシアのプーチン支持は固い。
この記事は米英シオニストの負け惜しみに思える。
若干の価格上昇など出口の無い欧米詐欺よりマシである。

02. 2014年8月12日 21:37:04 : Wr5cvCffrE
強い国は、なんでも自給自足できるのである。
プー様は、ビンボー臭いEUの国々から、これまでは友好のしるしとして、本当は自給できる農産物などを「買ってやっていた」のであろう。

日本はワザと弱い国を目指しているのである。
尖閣だ、中国だ、戦争だとギャーギャー騒ぐが、食料も燃料も自給しようとせず、核も持たず、、最初から負ける気満々である。
アヘとはじめとする自民・公明の売国奴=ニダヤ人は、もう一度戦争をやって負け、日本を完全に終わらせたいのである。


03. 2014年8月13日 23:56:13 : GIJVAwlwGc
値上げにも ロシアは耐える EUが
もう限界と 音を上げるまで

04. 2014年8月14日 16:56:15 : 1D2G51gTz2
情報BOX:ロシアの報復制裁、欧州企業への影響
2014年 08月 14日 13:30 JST
[13日 ロイター] - ロシアは、ウクライナ問題をめぐる米欧などの制裁を受け、食品の禁輸措置などの報復制裁を打ち出している。以下は、欧州企業への影響やコメント。

◎独エネルギー大手エーオン(EONGn.DE)は、上半期の基礎的純利益が12%減少。ロシア景気の落ち込みが原因と説明し、同社にとって重要なウクライナ市場への影響にも懸念を示した。

◎独消費財メーカーのヘンケル(HNKG_p.DE)はロシアの政情不安や為替レートの変動が売上高を圧迫するとして、下期について慎重な見方を示した。

◎オーストリアのライファイゼン銀行(RBIV.VI)は、ロシアによる報復制裁の影響を受ける可能性を否定。

◎ノルウェー産の鮭の価格が下落。業者は新市場の開拓を急いでいる。

◎フィンランドのタイヤメーカー、ノキアン・レンカート(NRE1V.HE)の最高経営責任者(CEO)は、第3・四半期のロシア市場における売上高は前年並みとの見通しを発表。

◎航空会社の独ルフトハンザ(LHAG.DE)、仏エールフランスKLM(AIRF.PA)、フィンランドのフィンエアーは、シベリア上空通過が禁止された場合最も大きな影響を受けるとみられる。

◎独防衛機器大手ラインメタル(RHMG.DE)は、ロシアへの輸出契約の一部を独政府に取り消されたことを受け、2014年の営業利益予想を引き下げた。

◎独自動車大手ダイムラー(DAIGn.DE)は、ロシアでの販売台数の伸びが低下しているとの見方を示した。

◎英銀行大手ロイヤル・バンク・オブ・スコットランド(RBS)(RBS.L)は、ロシア向け融資を制限したと発表。

◎独スポーツ用品大手アディダス(ADSGn.DE)は、今年の利益見通しを下方修正し、来年の見通しを撤回。ゴルフ用品の売上減少とロシア市場による影響だと説明した。

◎英BP(BP.L)は、ロシアへの制裁が強化された場合、同国の国営石油会社ロスネフチ(ROSN.MM)との関係が悪化するとの懸念を表明。

◎ドイツの研究機関は、ロシアとの取引減少によりドイツで約2万5000人以上の雇用が失われる可能性があるとみている。

*誤字を修正して再送します。


 

フランスが成長率予想引下げ、今年の財政赤字目標は達成不可能
2014年 08月 14日 16:06 JST
[パリ 14日 ロイター] - フランスのサパン財務相は2014年と2015年の成長率見通しを引き下げたことを明らかにし、今年の債務削減目標は達成できないとの見通しを示した。

同財務相は仏紙ルモンドへの寄稿で「フランスは歳出を完全に管理しているにもかかわらず、弱い成長と不十分なインフレ率によって今年の財政赤字削減目標を達成できない」と言明した。

2014年の成長率は0.5%程度と、従来予想の半分になるとの見通しを示した。これにより財政赤字の国内総生産(GDP)比は4%超となる。これまでは3.8%を目標としていた。

2015年については最大で1%とし、1.7%の政府予想は達成は困難との認識を示した。

フランスは15年に財政赤字をGDP比3%へ引き下げる目標を掲げているが、サパン財務相は赤字を「適切なペース」で削減する意向を示すにとどめ、達成が可能かについては言及してていない。

財務相はまた「ユーロ圏全域で成長率とインフレ率が低下する例外的な状況」に対応するための金融政策が必要と指摘し、欧州中央銀行(ECB)に対し、デフレリスクを緩和し、ユーロがユーロ圏の競争力向上に寄与するための政策を取るよう求めた。

 


 


05. 2014年8月14日 16:58:28 : 1D2G51gTz2

日本の消費者以上に、政治的な理由で不当に高い食糧費に対しても、忍耐強い可能性はあるな

06. 2014年8月14日 20:03:25 : 1D2G51gTz2

 
http://jp.reuters.com/article/topNews/idJPKBN0GE0UL20140814
ロシア国営石油ロスネフチが公的支援要請、欧米の制裁で=報道
2014年 08月 14日 18:54 JST
[モスクワ 14日 ロイター] - ロシア紙ベドモスチによると、国営石油会社ロスネフチ(ROSN.MM)のトップであるイーゴリ・セチン氏は、欧米諸国による制裁に対応するため、1兆5000億ルーブル(416億ドル)の支援を政府に求めた。

政府筋の情報として報じられたところでは、政府はナショナル・ウェルス・ファンド(NWF)の資金を活用し、ロスネフチ債を購入する計画。メドベージェフ首相は、計画の検討を担当者に指示したという。

ロスネフチの純債務は、第2・四半期末時点で1兆5000億ルーブル。同社の直近の発表によると、今年末までに4400億ルーブルの返済が必要で、来年にはさらに6260億ルーブルが返済期限を迎える。

ベドモスチによると、ロスネフチが公的支援を要請したのは、ウクライナ問題をめぐって欧米諸国が科した制裁に対応するため。米国は、ロスネフチに対する90日を超える期間の信用や融資供与を禁止した。

ロスネフチ以外では、ガスプロムバンクやVEB、ロシア農業銀行など、制裁対象となった他のロシア企業も既に公的支援を要請している。

 

コラム:プーチン氏が貫く「孤立路線」、さらなる代償も覚悟か
2014年 08月 13日 16:03 JST


 8月12日、「孤立路線」を貫くプーチン氏(写真)は、さらなる代償も覚悟しているように見える。モスクワ郊外のノボ・オガリョボで7月撮影(2014年 ロイター/Alexei Nikolskyi/RIA Novosti/Kremlin)

コラム
コラム:日銀追加緩和あるか、総裁会見要旨にヒント=村田雅志氏
ロイター為替コラム:南ア通貨ランドを圧迫しかねない経済的課題
コラム:アリババのアリペイとの契約改定、IPOの成功に必要な措置
コラム:英国はなぜイスラム国債を発行したのか=吉田悦章氏

William E. Pomeranz

[12日 ロイター] - ロシアのプーチン大統領はウクライナ危機を通じて「独り善がりの」手法を取り、ロシアは「独立国」、非同盟だとの立場を繰り返し表明してきた。しかし、ロシアはプーチン氏が表現するほど孤立してはいない。プーチン氏が現実を直視できない、あるいはあえて現実を無視しようとしているという事実が、ロシアのグローバルな役割を著しく損なう一連の決定につながっている。

過去20年間にロシアが成し遂げた国際組織への相次ぐ進出を、同国政府は大きな成果と考えている。ロシアは一段とグローバル経済に組み込まれるようになった。ただ、こうした実績によって今やプーチン氏は大きなジレンマに陥ったのだ。

旧ソ連崩壊後、ロシアは数々の条約に調印し、欧州評議会(COE)、主要国首脳会議(G8)、世界貿易機関(WTO)など数えきれないほどの国際機関に加盟した。

ロシアが加盟に伴う義務を理解していたかどうかは不明だ。例えばプーチン大統領はロシアのWTO加盟直後、世界的な不安定期に加盟国が保護貿易主義的な政策を導入することを認めるよう要求した。

とはいえ、ロシアは国際機関への加盟によって交渉のテーブルに着く権利を手にし、世界情勢に対する影響力を増したというのが、ロシアにおけるコンセンサスだった。加えて、仮にロシアが正式加盟に必要な前提条件をすべては満たしていないとしても、ロシアを国際システムとグローバルな統治体制から疎外するのではなく、仲間に引き入れる方が好ましいと、米国や欧州連合(EU)は概して信じ込んでいた。

ウクライナ危機によって、この考え方は特に西側諸国にとって欠陥があることが露呈した。一方でプーチン氏にとって事態はもっと大きな疑問を生じさせた。すなわちロシアはグローバルなシステムの一部であり続けるべきかという疑問だ。

ロシアの国際機関に対するどっちつかずの態度は、一人の独裁指導者が公的機関を何世紀にもわたり支配した過去の歴史を反映している。実際に2012年の大統領への再就任以降、プーチン氏の政治的課題は、議会や司法、メディア、高等教育機関、非政府組織など他のすべての政治および市民組織を抑えることだったが、このプロセスに対し実質的な反発はほとんどなかった。このため、プーチン氏がウクライナ危機への介入に際し、国際機関から邪魔されることはないという固い信念を抱いていたとしても驚きはない。

帝政後、第2次大戦後の国際システムがどのように機能してきたかに関するプーチン氏の根本的な誤解が、経済面で既に深刻な結果を招いている。EUと米国の経済制裁の下で、ロシアの国有銀行とロシア企業は国際銀行システムへのアクセスが制限された。ロシアは欧州投資銀行(EIB)と欧州復興開発銀行(EBRD)からの新規融資が受けられなくなり、この損失は毎年数十億ドル規模に達する。

一方、ロシア国営天然ガス会社ガスプロムは、独占禁止規制違反をめぐる欧州委員会の調査について評決待ちの状態だ。こうした調査の場合、グーグルやマイクロソフトで証明済みのように、巨額の罰金が科されることが多い。

最大の民間石油会社だったユコスの資産没収を定めたプーチン政権下の2004年の収容法案については、既に7月に結論が出た。オランダ・ハーグの常設仲裁裁判所と欧州人権裁判所はロシア政府に対し、不当な没収に対してそれぞれ500億ドルと26億ドルの賠償金の支払いを命じている。

ロシアは今回、西側の制裁に対抗して農産物の輸入禁止措置を打ち出したほか、EUや米国、モルドバ、ウクライナから輸入される果物や野菜、肉などに関する検疫制度の乱用も続けている。これらはWTOの紛争処理機関に対する申し立てのネタになりそうだ。ポーランドは既にWTOに提訴する意向を明らかにしており、他国が追随する可能性もある。

ロシアが最終的にウクライナ危機に関して支払う代償は、必ずしも金銭面だけでなく、機会損失の面からも評価すべきだ。ロシアのG8参加資格停止は、プーチン大統領が租税回避とオフショアバンキングの取り締まりを主導しようと計画していた議長国就任日の前日に決まった。

ロシアは当時、資本逃避に悩むG8参加国から好意的な反応を得られるのが確実な情勢だった。ロシアの今年上半期の資本逃避額は750億ドルに達し、昨年1年間の総額を既に上回っている。現在は資本逃避の問題に単独で対処しなければならない状況だ。

ロシアはいかなる同盟関係にも制約を受けないと考えているかもしれない。しかし、実際にはロシアにとって国際機関の重要性は高まり、ロシアはグローバル経済から簡単に撤退できなくなっている。実際にプーチン氏が提案したほぼすべての制裁は裏目に出ており、財政状況はかえって弱体化した。

例えばプーチン氏は、ロシアの代替決済システムができるまでの間、マスターカードとビザに保証金の預託を義務付ける制裁を課したが、実際にはロシア国民のクレジットカード決済の利用が脅かされる結果となった。

ロシアがシベリア上空を通過する欧州━アジア路線の使用を禁止するとのうわさも広まった。これらの報道を受け、海外の航空会社から3億ドル以上の手数料収入を受け取っているアエロフロート・ロシア航空の株価は急落した。

食料の輸入禁止に伴い、ロシアが支払う代償額はまだ不透明だ。しかし、こちらも深刻なコストになる可能性が高い。ロシアは欧州から高級食品、ウクライナとモルドバから低価格の農産品の輸入を失うからだ。ロシアの評論家は、代替の供給手段がある上、物流面の障害も容易に克服できると主張する。さらに経済制裁はロシアの食品生産会社や農機具メーカーに恩恵を及ぼすとまで言う。ただ、ロシアの小売業者は牛肉や魚、果物、野菜などに関して不足分を補うため、早急に海外のパートナーを探すことが必要だ。

これらの対抗制裁を実行するプーチン氏の命令には、食品価格の急上昇を防止する目的でロシア政府が適切な対策を講じるよう求める条項が、はっきりと盛り込まれた。つまり、プーチン氏は明らかに制裁に伴う一部の経済コストの負担を予期していることになる。

国内機関と国際機関の双方の役割を常々無視することで、プーチン氏は自らを窮地に追い込んだのだ。彼に残された選択肢は、ウクライナ東部に関して妥協を示し、国内の政治的反発を招くか、あるいは逆にドネツク、ルガンスク共和国の双方に直接介入するかのどちらかだ。前者の場合は手続きを円滑化するために国際機関に頼ることになるだろうし、後者の場合は国際社会の大部分に対して公然と挑戦することになる。

プーチン氏は2つ目の選択肢に傾きつつあるように見える。しかしそのことは、ロシアの主権は強まる孤立によってこそ保護されるとプーチン氏自身が信じていることも意味する。

旧ソ連の独裁者スターリンは、ソ連を世界経済から隔絶させる政策を追求することで、1930年代に同様の手法を試みた。ウクライナ危機の前にプーチン氏は少なくともグローバル化の役割を認めていたと思われる。最近の彼の行動から示唆されるのは、グローバルな市場と、第2次大戦後のグローバルな枠組みにロシアがどこまで組み込まれたかをめぐる認識の欠如だ。計算を見誤ったことに対する代償は計り知れないものになる。

ロシアの世論調査によると、プーチン氏の支持率は過去14年間で最も高い。彼の成果はしかし、ほかでもない自身の権力強化を手助けしてくれた国内外の組織を傷付けることによって手にしたものだ。大統領就任後のいつの時期に比べても彼の権力は強まったが、同時に危うさも一段と増している。

*筆者のウィリアム・ポメランツ氏はウッドロウ・ウィルソン・センター/ケナン研究所の副所長。


07. 2014年8月14日 20:56:33 : 1D2G51gTz2
http://jbpress.ismedia.jp/articles/print/41472
プーチン大統領が読み誤ったメルケル首相の決意
厳しい対ロ制裁を主導したドイツ、安定した世界を望み、その対価を払う覚悟
2014年08月13日(Wed) Financial Times
(2014年8月12日付 英フィナンシャル・タイムズ紙)

 ロシアのウラジーミル・プーチン大統領は1980年代に旧ソビエト連邦国家保安委員会(KGB)の情報将校として、共産主義国だった旧ドイツ民主共和国(旧東ドイツ)に5年間滞在した。ドイツのことは理解しているという自負がある。

 しかし今回のウクライナ危機を巡っては、ドイツのアンゲラ・メルケル首相の気持ちと決意を大きく読み誤った。大統領の経験は明らかに陳腐化していた。

プーチン大統領の大きな誤算

「世界一影響力ある女性」はメルケル独首相、4年連続
EUによる対ロ制裁強化を主導したドイツのアンゲラ・メルケル首相〔AFPBB News〕

 欧州連合(EU)加盟28カ国が先月、ウクライナの内戦においてロシア政府が分離主義者の武装勢力を支援したとの理由からロシアへの制裁強化で合意した時、クレムリンはショックを受けた。

 ドイツの輸出企業に深刻な影響を及ぼすような行動を取ることにはメルケル首相が抵抗するだろう、とプーチン氏は見込んでいたからだ。

 この読みは間違っていた。今回の制裁パッケージは、ドイツ政府が推し進めたものだった。メルケル首相とフランク・ヴァルター・シュタインマイヤー外相が主導したドイツの政策において、何よりも重要だったのは、欧州の共同戦線を維持するという決意だったのだ。

 「プーチンは昔のスタイルのKGBのスパイだ。何でもゼロサムゲームだと考えている。いろいろな選択肢を残しておき、2国間の接触や企業との接触を通じてEUや西側諸国を分裂させようとしている」。メルケル氏が率いるキリスト教民主同盟(CDU)の副議員団長、アンドレアス・ショッケンホフ氏はこう語る。

 「首相は欧州諸国を一つにまとめ、かつ企業を仲間に引き込むために、長い時間と大量のエネルギーを費やした」

 メルケル氏の真意を読み違えた指導者はプーチン氏が初めてではない。英国のデビッド・キャメロン首相は過日、ルクセンブルクのジャン・クロード・ユンケル氏が次期欧州委員会委員長に指名されるのを阻止しようとメルケル氏の支持を求めた時に、同じように間違えた。しかし、プーチン氏の読み違いは、はるかに深刻なものになる恐れを秘めている。

 外交的な解決策を見いだす力を持った唯一の欧州の指導者は、ウクライナにおけるプーチン氏の振る舞いを見て、今年3月のクリミア併合以降は同氏から距離を置くようになっている。プーチン氏は出口戦略を持たずに行動し、にっちもさっちもいかなくなってしまった格好だ。

 もっとも、ベルリンからの信号は何カ月も前からずっと発信されている。プーチン氏が2012年に大統領の座に返り咲いて以来、メルケル氏はロシア政府の専制主義的傾向とナショナリズム志向に不快感を示してきた。合意されている国境を一方的に変更したクリミア占領にはショックを受けていた。

プーチン大統領、ロシア独自のカードシステム開発に意欲
ウラジーミル・プーチン大統領は何度もウソをついたとされる〔AFPBB News〕

 ドイツ政府高官の話によれば、メルケル氏がプーチン氏をとうとう信用しなくなったのは、分離主義者を制止する用意やロシアの関与についてプーチン氏がウソを繰り返した(両者は30回以上電話で話をしていた)と考えるに至ったからだという。メルケル首相にとって、信用できるか否かは非常に重要だ。

 メルケル氏は不承不承、EUによるロシア制裁の中心になった。平和的な解決を目指す傾向が強い同氏は、キエフやロンドン、ワシントンではロシア政府シンパとして嘲笑された。しかし、ロシアは妥協しなければならず、それができないなら相応の結果に直面するとの見方は常に明確にしていた。

 メルケル氏はプーチン氏の頑迷さに対し、何の脈絡もなく厳しい態度で臨んでいるわけではない。ドイツの外交政策の見直しはすでに進められており、ウクライナ危機はそれを加速させたというのが実情だ。

外交政策でも積極的な役割を担い始めたドイツ

 ドイツは以前から、ユーロ圏危機への対処に関する問題――表面的には、経済・財政政策の問題――ではEUを仕切る立場にあるが、外交政策においてはそうではない。この分野は、昔からの世界の主要国であるフランスと英国に任せてきた。

 ドイツの外交・安全保障政策のベテランアナリスト、クリストフ・ベルトラム氏は、ユーロ危機と「ほかの欧州諸国政府の著しい弱さ(ベルトラム氏は非常に礼儀正しい人物なので、英国やフランスを名指ししない)」のせいで、ドイツがもっと積極的な役割を担う必要があるとの議論が刺激されたと考えている。

 「(積極的な役割に)ドイツが飛びついたわけではない。自分たちがそういう立場に置かれていることを、渋々認識したのだ」。外交政策については先頭に立たず、後からついていく方を常に好んでいた国が突然「甲板に引っ張り出され、時折舵を任されるようになった」とも同氏は表現している。

 ベルトラム氏は、ドイツの外交政策見直しを手伝ってくれないかとシュタインマイヤー外相から頼まれている。この要請が舞い込んだのは、ヨアヒム・ガウク大統領が今年1月に開かれたミュンヘン安全保障会議で、大変話題になった演説を行った後のことだ。

 大統領はこの演説で、ドイツはこれまでよりも大きな責任を担うべきであり、「ほかの国々が何十年もの間ドイツに提供してくれている安全を保証するために」もっと汗をかく用意もあることを示すべきだと述べている。

 シュタインマイヤー外相(社会民主党=SPD)とウルズラ・フォンデアライエン国防相(メルケル氏のCDUの主要メンバー)はともに大統領を支持した。ただ、メルケル首相は、よくあることだが、沈黙を守っている。今以上に積極的な外交政策を取ることを有権者が快く思っていないことを、首相は知っているからだ。

 この認識は正しい。ケルバー財団が今年5月に行った世論調査では、国際的な危機にドイツが「もっと関与」すべしという回答は全体の37%にすぎず、目立たないようにしてほしいとの回答は60%に達していた。

 「地上軍を投入したい」という意気込みはドイツには全くない。その点では、ドイツ政府はウクライナに軍事介入する用意ができていないというプーチン氏の見立ては正しい。しかし、だからドイツは何もしないのだと考えるのは間違っている。

経済的な対価を払ってもドイツの「国益」を守る

 プーチン氏は、メルケル氏が様子見をする傾向の強い人であるがゆえに読み誤ったのかもしれない。メルケル氏は、問題が生じれば解決策を探す実務家であり、イデオロギーを避ける。ドイツの政治家のほとんどはこの表現に困惑するが、メルケル氏は「国益」なるものが存在することを承知している。

 ウクライナ問題について言えば、これは合意されている国境線を一方的に引き直すことに反対の姿勢を示すことを意味する。たとえそれが、経済的な対価を支払うことを意味することになっても、だ。

 これは国の繁栄だけでなく安全保障に関わる問題だ。欧州の連帯に、法の支配の防衛に、そして人権の保護に関係する問題だ。輸出市場を守るというだけの話ではないのだ。

By Quentin Peel

 
ロシアと西側:友人を失う方法
2014年08月13日(Wed) The Economist
(英エコノミスト誌 2014年8月9日号)

ウラジーミル・プーチン大統領は、ロシアを自立した強い国にできるふりをしている。

 「孤立」「強化」「自立」は、モスクワの政財界のエリートたちの間で同じ意味で使われる異なる用語だ。ウクライナ東部の武装勢力に対する支援と、それ以前のクリミア併合が引き起こした外国からの制裁に直面し、ロシアは内向きになる準備を進めている。長期にわたる外交的対立と経済的苦境に備え始めたのだ。

 このプロセスは加速しているように見える。8月6日、ロシアは西側諸国からの圧力に対抗し、ロシアに制裁を科す国からの農産物の輸入を禁止、もしくは制限すると発表した。

 ウクライナ東部の緊張は高まっている。ウクライナ軍は概して無差別な爆撃によって、武装集団の牙城であるドネツクを事実上封鎖した。もしドネツクがウクライナ政府の手に落ちたら、親ロシア派の反政府組織は勢力を失うだろう。

プーチン大統領の危険な賭け、生活水準の低下を補える恩恵?

 プーチン氏は「人道的」な作戦を口実としてロシア軍をウクライナ東部に派遣することによって、自身の信頼を保とうとする衝動に駆られるかもしれない。北大西洋条約機構(NATO)によると、2万人のロシア兵が国境に集結しているという。ロシア兵は戦闘機や爆撃機を使った実弾軍事演習を行っている。実弾演習は以前、侵略の前触れとなった類の演習だ。

 たとえロシア軍が国境を越えることがなくても、ロシアと西側の対立は、ウラジーミル・プーチン氏の支配が続く限り、もしかしたら、その後も続くと見られている。

 先月起きたマレーシア航空17便撃墜後にウクライナ東部の反政府勢力に対する支援を強化したことで、プーチン氏は、ロシアの経済的な健全性や世界的な評判よりも、ロシアの歴史的宿命に対する自身の理解を大事にしていることを世に示した。冷戦後の世界秩序の構造に挑むことは、それ独自の利益をもたらし、生活水準の低下を埋め合わせるという危険な賭けに出ている。

 親クレムリンの政党、統一ロシアに所属するあるロシア下院議員は、プーチン氏を「重商主義」と見なすのは間違いだとし、同氏はむしろ、自立した勢力の中心地としてのロシアを確立することに尽力する「歴史的人物」だと言う。

 プーチン氏は先月、ロシア連邦安全保障会議で「ロシアは幸い、どの同盟にも加わっていない」と話し、これを「我が国の主権を保証するもの」と評した。

 ロシアと西側の新たな確執は、大国間の戦いにはならない。1つには、今のロシアは国境を越えた訴求力のあるイデオロギーを持っていないからだ。先月の本誌(英エコノミスト)のインタビューで、バラク・オバマ米大統領は、ロシアが突きつける課題は「事実上、地域的なもの」だと発言した。

 クレムリンは、例えば軍需産業向けのハイテク部品など、西側諸国のモノとサービスをロシア国内のそれに置き換えることを目指すと誇らしげに語っている。

 もし製造業者がフル稼働に近い状況で操業していなかったり、新規投資を切実に必要としている状況に置かれていなかったりすれば、輸入代替もうまくいくかもしれない。新規投資については、外国からの資金調達が縮小するにつれ、一段と不足することになる。

 石油販売から棚ボタ式に利益を得られた数年間で積み上がった政府系ファンドの資金1730億ドルは、ルーブルを安定させ、国営の銀行や企業の債務を返済するために引き出されるだろう。「これで我々が死ぬことはないが、問題は生じるだろう」と、前出の統一ロシア議員は話している。

 もしプーチン氏が2012年5月に大統領に復帰した時にした社会的支出に関する約束を果たしたいのなら、ロシアの財源を極限まで駆使しなければならない(当時、ロシアは国内総生産=GDP=成長を年率5%と予想していたが、国際通貨基金=IMF=は今、ロシアの今年のGDP成長率をたったの0.2%と予想している)。

 プーチン氏は既に、地方政府予算の穴を埋めるための策として、3%の消費税を導入することを提案している。ロシア政府は、個人年金基金の積立金を連邦予算に流用するとも発表しており、経済発展省の副大臣がこの措置を「恥ずかしく思う」と訴える事態となった。副大臣は、翌日罷免された。

プロパガンダは奏功

 このような問題はまだプーチン氏を傷つけていない。実際、プーチン氏はかつてないほど人気が高まっており、同氏のプロパガンダ装置は非常に有効であることが分かってきている。モスクワの世論調査機関レバダ・センターが8月初旬に発表した世論調査によると、ロシア人の74%が米国に対し否定的な意見を持っており、ソ連崩壊以降のロシアの歴史上、最も高い数値となった。

 ウクライナを巡る西側との対立で、ソ連崩壊以降、何年もかけて積み上がってきた「不満の盛大なガス抜き」ができたとレバダ・センター所長のレフ・グトコフ氏は話している。西側との関係がどうしようもなく損なわれたことをプーチン氏が知った今、同氏は再びさらに大きな賭けに出る用意があるかもしれない。


08. 2014年8月15日 19:47:51 : 5jJVsRCAkw

http://jp.reuters.com/article/topNews/idJPKBN0GF0D620140815
アングル:資本と頭脳の流出進むロシア、今後さらに拡大か
2014年 08月 15日 14:58 JST
[ロンドン 14日 ロイター] - ウクライナ情勢をめぐるロシアと米欧の対立を背景に、ロシアから資本と頭脳の流出が進んでいる。ロシア経済省は、今年の資本流出額が、昨年の610億ドルを上回る1000億ドルに達すると予測。一部では、流出額は同省の予測をはるかに上回るとの見方も出ている。

オバマ米大統領は今月6日、「(ロシアから)1000億━2000億ドルの資本が流出した」と発言。

欧州中央銀行(ECB)のドラギ総裁も5月に「ロシアから非常に巨額の資金が流出しており、一部では1600億ユーロ(2140億ドル)が流出したとの見方もある」と述べた。

ロシア国立高等経済学院でさえ、今年の資本流出額を1300億━1500億ドルと予測。ある欧米銀行の幹部は、今後、資本流出が加速し「ロシアマネーがロンドン、オーストリア、スイスなど西側に向かう」との見方を示した。

欧米からの新規投資もストップしているとみられる。ある欧米銀行の幹部は「今、取締役会でロシアへの大型投資を提案すれば、笑いものにされ、取締役会から追い出されるだろう」と指摘。

複数のロシア市民も、ロイターに対し、資本規制を懸念しており、手持ちのルーブルをドルやユーロに替えたいと話している。

民間貯蓄の実態は、中銀も把握でてきないが、国民のタンス預金は数百億ドルに達するとの見方もある。

<国外への移住者が急増>

国外への移住者も過去2年で急増。2012年のプーチン大統領就任後、国外移住者は約5倍に増えている。

2013年と12年の国外移住者は、それぞれ18万6382人、2012年は12万2751人。

これに対し、2011年は3万6774人、2010年は3万3578人だった。

統計で把握できないケースもあるため、実際の移住者ははるかに多いとの見方もある。

米法律事務所スクワイア・パットン・ボッグスの幹部は「ロシアの富裕層から問い合わせが増えている」と指摘。国内情勢が悪化した場合に備えて移住先を探す動きが出ているとの見方を示した。

家系調査を代行するウラジーミル・パーリィ氏は今年に入り、顧客からの依頼が4倍に増えた。海外で市民権を申請するため、先祖が海外出身ではないか、調査を依頼する人が増えているという。

独立系調査機関レバダ・センターはの幹部は「最高の教育を受けた最も活動的で起業家精神に溢れる人が流出している」との見方を示した。


 

 
http://www.bloomberg.co.jp/news/123-NABGRS6KLVRJ01.html#
ロシア、人道支援のため停戦提案−軍用車両が越境との報道も 

  8月15日(ブルームバーグ):ロシアはウクライナ南東部の戦闘地域に人道支援物資を輸送するため停戦を提案した。モスクワからの支援物資を積んだトラックは、親ロシア派武装勢力の支配地域と隣接する国境付近で待機している。
ロシアが融和的トーンを打ち出した一方で、ノーボエ・ブレーミャなど一部メディアの記者は兵員輸送装甲車(APC)が14日夜にロシアからウクライナ側に入ったことが目撃されたと報道。ウクライナ政府は親ロ派武装勢力がロシア国内から増援部隊を受け入れていると数カ月にわたり批判しているが、ロシア政府は混乱への関与を繰り返し否定している。
ロシアの支援団をめぐり、両国間の緊張が高まっている。ロシア側は支援団が輸送しているのは緊急物資であり、戦闘で水道や電気の供給が寸断されたルガンスクとドネツクの市民の支援に必要なものだと訴えている。米国や欧州連合(EU)は支援を口実に軍事介入しないようロシアに警告している。
ロシア外務省は14日にウェブサイトで「ウクライナ南東部での極めて困難な状況が停戦を必要にしている」とし、人道支援活動の安全を保証する上で停戦が必要と訴えた。プーチン大統領は訪問先のクリミアで、ウクライナの紛争を終わらせることに取り組む考えを表明した。
原題:Russia Truce Plan at Odds With APC Border-Crossing Reports(1)(抜粋)
記事に関する記者への問い合わせ先:キエフ Daria Marchak dmarchak@bloomberg.net
記事についてのエディターへの問い合わせ先:Balazs Penz bpenz@bloomberg.netKevin Costelloe
更新日時: 2014/08/15 10:26 JST


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