http://www.asyura2.com/14/kokusai9/msg/244.html
Tweet |
http://blog.goo.ne.jp/aibatatuya/e/fec20c52e07ebab504d6bfb0f7bd2fa1
2014年08月06日 世相を斬る あいば達也
一瞬、目を疑うようなタイトルが目に飛び込んだ。『ふざけるな、ウソつきプーチン!世界はお前のものじゃない』(「ロシアがマレーシア機を撃墜」真相と決定的証拠)と云う「週刊現代」の記事である。現代ビジネスの“経済の死角”で紹介しているのだが、殆どアメリカ情報部とウクライナ政府の言い分だけを拾い出して、記事をまとめているのだが、ロシアやドイツ、フランスの軍事情報筋の発信内容には触れず、アメリカ側プロパガンダ情報だけをかき集めて、まとめたのが明らかな記事である。執筆者の名前が見当たらないが、松田賢弥もどきでなければ書けない駄文であると同時に、「嘘つきに、嘘つきと罵られたプーチンの怒り」の方が題名としてふさわしい内容になっている(笑)。
松田賢哉もどきの記事は笑って見逃すのも賢明な選択だが、奇妙なことに、同時期に“ダイアモンド・オンライン”にも、『マレーシア機撃墜で苦境のプーチンと高笑いの習近平 ウクライナ情勢を睨みナイスガイから脱皮すべき日本 』と云う真壁昭夫の反プーチンコラムが掲載されていた。こちらの方が、署名入りなので「週刊現代」ほど露骨ではないが、米国情報部発信のプロパガンダ情報を基礎にして、中国も巻き込んだコラムになっている点、幾分真っ当だが、求めている方向性は、松田賢哉もどきのコラムの低能度に比べて悪質かもしれない。
いずれにしても、同時期に反ロシア、反プーチンと云うコラムが、現代ビジネスとダイアモンドが扱った事は重視してもいいだろう。西側陣営のマスメディアでのプロパガンダ報道で、多くの人々が充分に洗脳されたと思うのだが、まだまだ、米国情報当局及びウクライナ政府は不安を払拭出来ていない証明でもある。なぜ不安なのかといえば、米情報部やウクライナ政府こそが「嘘つき」だからである。時間が経つにつれ、日本を除くジャーナリスト達の“根掘り葉掘り”の真実追求の執拗さが功を奏すリスクが増えているのだろう。真壁昭夫に至ると、中国ロシア同盟の分断の好機と云う思惑が滲み出ている。まあこれも、CIA等々西側の思惑と一致している。先ずは、幾分手を加えたダイアモンドONLINEのコラム。次に松田賢哉モドキの週刊現代のコラムを参考掲載する。
≪ マレーシア機撃墜で苦境のプーチンと高笑いの習近平
ウクライナ情勢を睨みナイスガイから脱皮すべき日本
厳しさを増すロシアに対する世論旅客機撃墜事件の予想外の影響
7月17日、マレーシア航空の旅客機が、ウクライナ上空で撃墜されてから早くも数週間の時が過ぎた。今のところ、同機が地対空ミサイルで撃墜されたことはほぼ間違いないようだが、実際誰がミサイルを発射したかは特定できていない。
ただ、米国のオバマ大統領が「親ロシア勢力がミサイルを誤射した可能性が高い」と指摘していることや、その後のロシアのプーチン大統領の態度を見ると、世の中の大勢は「親ロシア勢力の仕業だろう」と感じているだろう。
今回の不幸な出来事は突発的な事故だったため、ロシアや米国、多くの犠牲者を出したオランダやマレーシアなど、多くの関係国に予想外の影響をもた らした。300人近い犠牲者を出し、しかも犠牲者が多くの国にまたがっていたこともあり、世界のロシアに対する世論はかなり厳しくなっている。
今後、欧米諸国はロシアに対して一段と厳しい制裁措置をとることになるだろう。制裁措置の効果は、ロシア経済にとってボディーブローのように効いてくるはずだ。ロシア経済が大きく痛手を受けるようだと、ロシア国内のプーチン大統領の支持率にも悪影響が出るはずだ。
また、ロシアから大量の天然ガスを輸入している西欧諸国にとっても、エネルギー問題に関してマイナスの影響が出ることは好ましいことではないはずだ。そうした事態を想定して、足もとで欧州諸国の株価は不安定な展開を示している。
今回は、門外漢の経済学者なりに、ウクライナ情勢とそれに関連した国際情勢について整理してみたい。
ウクライナ情勢を一言で表現すると、西欧諸国とロシアの陣取り争いの様相を呈しているということが言えるだろう。1990年代にソビエト社会主義共和国連邦が崩壊し、かつてソ連の一員だったウクライナや、ロシアの勢力圏に入っていた東欧諸国は、とりあえず自由に国の運営をできるようになった。
その際、ポーランドのようにいち早く西欧諸国の仲間入りを宣言する国と、かつてのウクライナのようにロシアになびく傾向が強い国があった。その後、一時ロシア経済が低迷したこともあり、ロシアになびいた諸国の経済状況は必ずしも順調ではなかった。
◆「大ロシア帝国」復興の夢が絶たれる? プーチン大統領のウクライナへの思い
一方、西欧諸国の仲間に入った諸国の経済は、効率化が進んだこともあり、総じて順調に拡大の道を歩むことになった。その結果、ロシアを中心とした諸国と西欧諸国の仲間に入った諸国との間に、大きな経済格差ができてしまった。
そんな状況を反映して、一旦はロシアに歩み寄った諸国の中から西欧入りを目指す動きが目立ち始めた。その一例がウクライナだ。ウクライナは成長著しいポーランドやバルト3国などを横目に、次第に西欧諸国へと舵を切り始めた。
こうした動きに対して、「大ロシア帝国」の復興を目指すプーチン大統領が懸念を抱くのは当然だ。ロシアは原油や天然ガスなどを潤沢に持っており、エネルギー資源を武器に西欧諸国に睨みを利かせ、ウクライナなどの諸国の離反を防ぐことを狙った。
今年に入ると、国内における親欧米派と親ロ派の対立が激化し、それに伴いロシアによるクリミア自治共和国の編入が行われるなど、ウクライナは騒乱 状態に陥った。この時点では、エネルギー資源を武器にしたロシアの政策は上手くワークするように見えた。それは、ロシアへのエネルギー依存度の高い西欧諸 国が、ウクライナに対して的確な支援策をすぐに打たなかったことからも明らかだ。
エネルギー資源に配慮した西欧諸国の反応が鈍かったことに加えて、オバマ大統領のいわゆる“弱腰外交”のため、ウクライナを巡る情勢はほぼプーチン大統領の予想したとおりに運んでいたと言えるだろう。 ところが、ここに来て予期せぬ事態が発生した。親ロシア派と見られる部隊が、マレーシア航空の旅客機を誤って撃墜してしまったようだというのである。犠牲者の中にはオランダなどの乗客が含まれていた。
それによって、世論の風向きが一気に大きく変わった。 それまで強硬なスタンスを取らなかった西欧諸国の世論も、「ロシア糾弾すべし」に変わったことにより、「ロシアのエネルギー資源が大事」などと言っていられなくなった。これから、欧米諸国は歩調を合わせてより厳しい制裁措置を講じることになる。 それは、ロシアにとって間違いなく大きなマイナスだ。資金取引などに大きな制約がかかるため、経済活動に支障が出ることが考えられる。経済が大きく落ち込むようだと、国内に不満が蓄積し、プーチン大統領の政策運営に限界が見え始めるかもしれない。
◆プーチンが苦境に陥る一方 「漁夫の利」を得た習近平は高笑い
とはいえ欧州諸国にとっても、エネルギー資源の輸入に支障が出ることは大きな懸念材料に変わりない。また、ロシア向けの輸出にも悪影響が出るだろう。そうした状況を見越して、ロシアや欧州諸国の株価はやや不安定な展開になっている。
ウクライナ情勢に関して、米国のオバマ大統領の評価も芳しくない。それに対して、最も大きな「漁夫の利」を得ているのは中国だろう。中国は中立を装っているだけでロシアに貸しができ、すでにロシアからのエネルギー輸入に関する交渉をまとめている。
中国は状況に恵まれただけとはいうものの、見事にウクライナ情勢を有効活用しているように見える。その1つとして、BRICsの金融機関を創設し、対米を念頭に置いた1つの基軸をつくることに成功している。
マレーシア機撃墜事件については、真相究明に時間がかかると見られる。EUはロシアに対する一段の制裁処置を発動することになるはずだ。これからもウクライナ情勢を巡っては、様々な意味で紆余曲折があるだろう。
そうした状況下、ドイツをはじめとする欧州圏諸国とロシアに経済的な痛手が及ぶことは避けられない。また、米国のオバマ大統領についても、強力なリーダーシップを発揮することができなかったという意味で、信認が低下することになるだろう。
一方、中国は着実に存在感を高め、国際情勢を巡るせめぎ合いの中では、1人勝ちと言ってもよいかもしれない。アジア地域ではASEAN諸国の盟主的存在であるインドネシアとのつながりを深めるなど、戦略的な地歩をしっかりと築いている。
1つ注目されるのは、今後のロシアの動向だ。ウクライナの混乱もあり、これから同国が天然ガスの安定的な販売先としてアジア諸国に目を向ける可能性は高い。政策の軸足をアジア地域に向けることも考えられる。
そのときに必要になるのは、開発資金とエネルギー輸出に関する技術力だ。長い国境を接する中国との関係を考えると、ロシアが中国に全面的に依存する体制をつくりにくいだろう。そうなると、資金も技術も持っているわが国の存在は大きい。
◆ナイスガイだけでは生き残れない 今後の国際情勢とわが国への影響
わが国企業は、様々な分野でロシア関連のビジネスチャンスを掴む可能性がある。また、ロシアと北方領土の問題を抱えるわが国にとっては、国際世論の逆風を受けるロシアと交渉を構える好機になることも期待できる。
ただ、ロシアとの交渉で、わが国は幾度となく煮え湯を飲まされることがあった。同国が伝統的に条約を反故にしたり、ビジネス上の契約を無視するケースは多かった。そうした文化は簡単に消えるものではない。おそらくロシアがこれからも“付き合いにくい隣人”であることは、変わらないだろう。
今後、わが国は台頭する中国と付き合にくいロシア、景気の低迷が続きそうな欧州、さらには信認低下が懸念される米国などと上手くやっていかなければならない。それは容易なことではないだろう。しかし冷静に考えれば、それなりのチャンスが潜んでいるはずだ。
米国のファンドマネジャーの1人が「人が良い(ナイスガイ)だけでは生き残れない。時には悪人になる必要がある」と言っていた。参考になるかもしれない。 ≫(ダイアモンドONLINE:今週のキーワード:真壁昭夫)
≪ ふざけるな、ウソつきプーチン!世界はお前のものじゃない
「ロシアがマレーシア機を撃墜」真相と決定的証拠
◆全世界から非難を浴びてなお、この男は「無関係」を主張し続けている。一瞬にして奪われた300人の命。プーチンはいま、犠牲になった彼らまでも、己の野望のために利用しようとしている。 無慈悲すぎる独裁者 いま、全世界の怒りが、一人の男へと向かっている。男の名は、ウラジーミル・プーチン。これまで国際情勢を思うままに動かしてきたロシアの独裁者は、マレーシア旅客機撃墜事件の責任を一切認めず、到底納得のできない「ウソ」を吐き続けている。
「アメリカ、そして西欧諸国は現在、ロシアを痛烈に非難しています。 これまでロシアがウクライナの国内情勢を不安定にしてきた結果として、今回の惨事は起きた。それにもかかわらずプーチンの言動は、あまりにも無責任すぎ る。無慈悲かつ約束を守らない彼の姿勢を見て、アメリカは、ロシアと対決せざるを得ないという決意を固めています」(ハーバード大学政治学部客員教授の オーレル・ブラウン氏)
マレーシア航空17便を襲った悲劇は、ウクライナ上空を横切り、ロシア領空内へさしかかろうとしたそのとき起きた。 ミサイル命中の衝撃とともに、機内に巻き起こった爆風。乗客のほとんどは、その熱に焦がされた。爆発から逃れた人たちも、四散する機体とともに上空 に放り出され、気圧差により気絶。意識を失ったままばらばらと落下し、猛スピードで地面へと叩きつけられた。全てが一瞬の出来事。
彼らには、悲鳴をあげる暇さえなかっただろう。 旅客機に乗っていたのは、約300人の民間人。そのなかには、著名な研究者を含む、およそ100人の「第20回国際エイズ会議」への参加者がいた。待ちに待った夏休みを迎え、アジア方面への家族旅行に出かける、80人以上の子供たちもいた。
プーチンは撃墜に関与し、彼らの未来を奪い去った。その罪はあまりにも大きく、怒りに燃え上がった国際世論は容易に収まりそうもない。
当然、すべて知っていた事件後、ウクライナのポロシェンコ大統領は「事故ではなくテロ行為」とロシアを激しく非難。アメリカのオバマ大統領も「(ロシアは武装勢力に対し) 直接的な責任がある」と指摘した。最も多くの国民が旅客機に乗っていたオランダのルッテ首相はさらに、「(武装勢力の無慈悲な対応には)虫酸が走る」と罵倒した。
しかしプーチンは、批判などどこ吹く風だ。「ウクライナが平和なら今回の悲劇は起こらなかった。しかも領土内で起きたことは、その国(=ウクライナ)の政府に間違いなく責任がある」と強弁した。
「実はオバマ大統領は、事件後すぐに、親ロシア派勢力の武装解除を申 し入れるため、クレムリンへの直通電話をかけていました。しかしプーチンは、批判を一切聞き入れなかった。それどころかオバマが撃墜事件について触れよう とすると、プーチンはアメリカのロシアに対する経済制裁に怒りを露にし、逆にオバマを責め立てたんです。撃墜については、1時間におよぶ電話対談の終盤に なったところで『そういえば……』と、軽く触れたのみだったようです」(全国紙政治部記者)
しかしいくらプーチンが逆ギレしたところで、旅客機墜落が「事故」ではなく、ウクライナ東部を実質支配する親ロシア派武装勢力による「撃墜」だったことは間違いない。それを示す「決定的な証拠」が、次々と明らかになり始めている。 まずは、撃墜に使用された「BUK(ブーク)」と呼ばれる地対空ミサイル。秒速800mで標的を捕捉し、高度2万5000mを飛行する戦闘機を攻撃する能力がある強力な兵器だ。 「親ロ派勢力が自前でそんな兵器を持っていたとは考えられない。
国際社会から非難されているとおり、ロシア本国から横流しされていたのは確実です。親ロ派はさらに、『BUK』のみならず、戦車や装甲車も渡されていたはずで す。チンピラの集まりのような親ロ派は当然練度が低い。兵器を扱うための訓練も、ロシア本国でやっていたと考えられます」(軍事ジャーナリストの黒井文太郎氏)
大量の兵器の横流しと、軍事訓練を国内で行いながら、絶対的な支配者であるプーチンが知らなかったはずはないのだ。
元外務省主任分析官で作家の佐藤優氏が語る。 「武装勢力のなかにはGRU(ロシア軍参謀本部情報総局)出身者がいます。このGRUには『死の商人』という一面があり、兵器の密売、横流しを行っている。当然プーチンは、関与していることをわかっていた。しかしそれを黙認していたのです」 ロシア側の関与を証明するため、ウクライナ内務省は、事件後に「BUK」が親ロシア派勢力によってウクライナからロシアへと運搬される様子を収めた動画を全世界に公開。動画からは、大型のトレーラーに載せられた「BUK」が運ばれていく様子が見て取れた。
◆世界のルールをぶち壊す
証拠はこれだけに留まらない。ウクライナ保安局は、親ロシア派武装集団の一人が撃墜直後に、ロシア軍の情報将校に電話で報告している会話を傍受しており、その音声も公表した。 会話はまず、「たった今飛行機を撃ち落とした!」と意気揚々と報告する武装勢力の男の声から始まる。親ロシア派は数日前にウクライナの輸送機を撃ち落としており、それに続く戦果だと、調子づいていたのだ。
しかし墜落現場に到着し、状況が明らかになるにつれて、徐々に焦りの色が濃くなっていく。そして間違いなく民間機だと気づくと、ロシア軍情報将校は誤射を責め、武装勢力の兵士は開き直った。
「何をやっているんだ!」 「クソ!じゃあこいつらはスパイを乗せていたんだ。こんなところを飛ぶべきではない。ここでは戦争が起こっているんだ!」 撃墜はロシアが横流しした兵器によって、親ロシア派勢力が行った。これはもはや言い逃れのできない事実だ。
プーチンは事件から時間が経過するにつれ、やや態度を軟化し始めてはいる。 「(親ロシア派武装勢力に対し)できる限りすべてのことをする」
しかしこの発言の背景には、事件の真相は明らかにならないという計算がある。軍事評論家の世良光弘氏は解説する。 「親ロシア派勢力は、真相解明の鍵を握る『ブラックボックス』の引き渡しに同意しました。ブラックボックスとは、撃墜された旅客機のフライトレコーダーおよびボイスレコーダーのことです。
ただこれを解析してわかるのは、ど の位置でミサイルを被弾したかということくらい。発射場所までは、わからない。 さらに言えば、ブラックボックス以上に明確な証拠が見つかり、ミサイ ルの発射場所が明らかになったとしても、親ロシア派の犯行だと決定づけるのは難しい。というのも、ウクライナ軍と親ロ派の戦闘地域は明確に線引きされては おらず、複雑に入り組んでいるからです。
発射場所がわかっても、ロシアは『そこはウクライナ軍の支配地域だ』と抗弁するでしょう」 多数の民間人を乗せた旅客機の撃墜を、プーチンが直に指示したとはさすがに考えにくい。
ただ、過激で暴力的な武装勢力に兵器を流せば、いずれ今回の ような事件が起きることは容易に想像がついたはずだ。KGB出身で稀代の策謀家であるプーチンが、それを予測していなかった、ということはありえない。
プーチンはそこまでして、何を成そうとしているのか。その背景には、プーチンの恐るべき狙いがある。 アメリカを中心とした西欧諸国が作り上げた「世界のルール」。それをぶち壊すことこそが、プーチンの目的だ。
欧米中心の国際会議によって細かく動き が規制され、それを破った国は各国からの経済制裁を受ける現在の国際社会。そのルールを破壊し、「強いロシア」が主役となった新たな世界を再構築する。それが、プーチンが長年抱き続ける野望に他ならない。
アメリカ・ニューヨークのニュー・スクール大学准教授で、ロシア政治が専門のニーナ・クルシュシバ氏が言う。 「今回の事件が、プーチンの策略の一環であることは間違いない。彼の最終目的は、世界一のパワーを持つ国になること。そしてアメリカの発言力が弱まっているいま、そのチャンスだと見ている。最終目的に達するまで、プーチンが妥協的な態度をとることは絶対にありえない」
だからこそプーチンはいま、撃墜によってウクライナに起きた「火種」が、さらに燃え広がるのを待っている。今後戦闘が激しさを増せば、旅客機墜落以上の悲劇が起きる可能性は高いからだ。ウクライナ派の義勇軍が、ロシアの国境を越え国民を傷つけることも十分に起こりうる。
そのとき、プーチンには「ウクライナの鎮静化」という大義名分ができる。自ら作戦を指揮し、ウクライナの首都・キエフへ侵攻。圧倒的な戦力で政府軍を制圧し、ウクライナを占領するシナリオが成立する。
そうなれば国際社会も指をくわえて見ているわけにはいかない。第2次世界大戦以来となる、最大級の戦争危機が発生するだろう。
「NATOが鎮圧に乗り出すでしょう。それをアメリカが支援する形になると思います。ウクライナ上空を舞台に、NATO・米空軍とロシア空軍が衝突する恐れがある。そうなったとき、ロシアの味方につく可能性があるのは、中国だと思います。EU・アメリカvs.ロシア・中国の構図になる」(前出の世良氏)
戦火の拡大はウクライナとその周辺だけにとどまらない。世界の「もうひとつの火薬庫」である中東地域にも広がっていく。 「これまでアメリカとロシアは、中東におけるイスラム原理主義勢力の拡大を阻止する協調関係にありました。しかしウクライナ問題を契機に、その関係は崩れ始めている。抑止力が弱まったことで今後、原理主義組織は自由に動け るようになり、中東全域が大混乱に陥る恐れがあります。 そして中東の情勢が悪いほうに傾けば、石油の安定供給はできなくなる。日本ではガソリンの値段が、リッター250円まで上がるというような事態も考えられます」(前出の佐藤氏)
つまり、世界を意のままに動かしたいというプーチンの狙い通り、国際社会のバランスは崩れ、「力によるルール変更」が横行する時代が再びやってくるのだ。
◆日本株は暴落へ
筑波大学人文社会系教授で、ロシア政治が専門の中村逸郎氏が言う。
「現在の状況は、冷戦が終わった'89年、それ以降の世界の最大の危機と言えます。国際社会のパワーポリティクスを巻き込んだ、初めての戦いになる。これはもはや、第3次世界大戦の前夜である―といっても過言ではない」 そうなれば当然、日本は日和見を続けていられるわけもなく、この争いの真っ只中に巻き込まれていく。
外交ジャーナリストの手嶋龍一氏は語る。 「安倍政権としては、北方領土問題解決の糸口を見出すため、なるべくロシアと明確な対立はしたくない。しかし国際社会の反ロシア体制が強まれば、そうは言っていられないでしょう。同調しない、ということはなかなか難しい」 現に安倍政権はいま、アメリカから「ロシア制裁に同調せよ」と、強い圧力を受けている。かつてのイラク戦争のように、日本に対して「ショー・ザ・フ ラッグ」(旗幟鮮明にせよ)と求めているのだ。
その結果、安倍首相が進める集団的自衛権の「拡大解釈」適用の第1号が、このウクライナ派兵になる可能性も 出てくる。 そして、世界的に戦火が拡大していくことになれば、グローバル経済は完全に崩壊する。まず、ロシアから全需要量の3分の1の天然ガスを輸入しているEUで、急激に景気が悪化。その余波を受け、現在史上最高値付近にあるアメリカの株価も、奈落の底へ暴落していくだろう。
「そして一番割を食うのは日本です。アメリカ、ロシア、EU、すべて の通貨が信用できなくなったとき、最も安心して運用されるのは日本円しかなくなる。すると、必然的に円高になり、これまで安倍首相が躍起になって進めてきたアベノミクスは水泡に帰す。
大不況の時代にいきなり逆戻りするのです」(前出の中村氏) 世界の歴史は、たった一発の銃弾によって激変してきた。今度は300人の命を奪った「プーチンのミサイル」が、世界と日本の命運を一変させることになるのかもしれない。 ≫(現代ビジネス:「週刊現代」2014年8月9日号より)
PS:
週刊現代の記事は酷過ぎ(笑)。まさに松田賢哉作との疑惑が強くなってきた。米国メディアの継ぎ接ぎで、コラム風に仕立てたつもりだが、こりゃ酷過ぎて、プロパガンダ報道として、大失策に近い書き物である。円安が素晴らしいことのように、いまだに思い込んでいるオッサンの日記以下のコラムだ(笑)。
スパムメールの中から見つけ出すためにメールのタイトルには必ず「阿修羅さんへ」と記述してください。
すべてのページの引用、転載、リンクを許可します。確認メールは不要です。引用元リンクを表示してください。