http://www.asyura2.com/14/kokusai9/msg/151.html
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世界支配層の意を受けている米国支配層も、正面切ってはそういわないが、同じように考えている。
国賓として来日したオバマ大統領が、日米関係は米中関係のサブセットと語ることで日本の親米・反中派に引導を渡したことでもわかる。
心ある親米ないし日米同盟基軸派の人たちは、その事実を覆い隠しているが、記者会見で発せられたその言葉にとてつもないショックを受けたはずである。
これが、今回の“海外派兵要件緩和=集団的自衛権行使容認”政策で見せている面従腹背的安倍政権の態度の一因にもなっていると推測する。
論考にもある「ヘーゲル米国防長官も日本に同調し、領有権問題で「威嚇や威圧、実力による脅威を用いる国」を公然と非難した」のは、「「良い台頭」を認めて「悪い台頭」を封じよ」の一環であり、中国封じ込めではない。
米国支配層は、中国共産党の幹部の頭を自分たちと共通の利害認識にしたいのである。そのために日本が利用されているとも言える。中国のために日本をコントロールすることで、中国が米国に擦り寄るからである。
論考のなかに、中国に対し「批判があるなら水面下で伝えればいい」とあるが、国家統治の基本がわかっていないと言える。
国家統治の観点で言えば、本音は文句を付けたくはなくとも、国民感情を考えると文句を言わざるを得ないというケースが多いからである。その代表が領土問題である。領土問題で妥協したり弱腰を見せた政権はほとんどの国でほどなく倒れることになるだろう。
外交は詰まるところ内政である。
「集団的自衛権:日本の行使容認を歓迎する米国の意図」
http://www.asyura2.com/14/senkyo168/msg/538.html
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『ニューズウィーク日本版』2014−7・22
P.14
「公然とした中国批判は「逆切れ」を招くだけ
中国の膨張はもはや避けられない「良い台頭」を認めて「悪い台頭」を封じよ
エリン・ジマーマン(豪アデレード大学インド太平洋ガバナンス研究センター研究員)
新聞を開いてもネットをのぞいても、今は毎日のように「中国の台頭」に関する論評が載っている。その多くは、力をつけた中国が攻撃的になり、強引に状況を変えるに違いない、という考えを強める論調だ。
だが中国を強硬路線に走らせている責任の一端は、アジアの近隣諸国にもあるのではないか。彼らは公然と中国に悪のレッテルを貼ることで、皮肉にも地域で疑念と不信を醸成させている。
経済成長につれて、アジアにおける中国の影響力は大きくなってきた。この「中国の台頭」にどう対処すべきかという議論はあってしかるべきだが、中国側からすれば、その多くは冷戦時代のような「封じ込め論」が目立つ。
アジアを重視する諸国は、中国をほぼ確実な脅威と断定し、いかなる「台頭」をも敵視する政治的な空気が生まれた。中国の国力増大が確実なことを考えると、衝突は不可避だろう。
この「負の力学」は、アジアのさまざまな地域フォーラムなどでよく見受けられる。中国の台頭を受け入れ、中国がそうしたフォーラムに参加するのを歓迎するどころか、多くの国はそうした場で中国を批判・非難している。
例えば、5月末にシンガポールで開かれたアジア安全保障会議で、日本の安倍首相は南シナ海における中国の行動を厳しく批判する一方、日本の「積極的平和主義」は多くの国に支持されていると力説した。
これが「中国対その他諸国」という構図をつくり出す一因となり、より建設的な議論は脇へ追いやられた。ヘーゲル米国防長官も日本に同調し、領有権問題で「威嚇や威圧、実力による脅威を用いる国」を公然と非難した。
こうした発言に中国は反発し、日米両国を非難する事態となった。この会議に出席していた中国人民解放軍の幹部は、日本の発言は「挑発的」で、会議の趣旨(建設的な話し合いによる平和と安全の促進)にそぐわないと断じた。
自分の首を絞める結果に
中国の外交姿勢は愛国的な国民感情と密接に結び付いている。外国から「反中国的」な発言が飛び出せば、中国政府としては国民の怒りを鎮めるために、強腰な言動を繰り返す必要に迫られる。
アジアの安全保障において中国を敵視する議論は逆効果だ。非難の応酬を避け、中国をアジアの言貝として迎え入れるための建設的な議論を進める必要がある。
そうすれば、中国政府が国内の世論に迎合して一方的な行動に出ることを防ぐことにもつながる。
各種の地域フォーラムを通じて中国に接近する利点は多い。まず、地域協力の場に加えれば、中国にも地域にポジティブな影響を及ぼそうという動機ができる。アジアの中小国にとっても、地域フォーラムを通じて足並みをそろえれば中国の影響力を弱められる。
今の中国政府は、こうした多国間協議への参加に積極的だ。関係各国はこの好ましい変化をもっと歓迎すべきだ。
アジアで政治力を行使する諸国は、中国の国内事情を理解し、公の場での非難を控えなければ、各国が最も避けようとしている不安定な状況を自らつくり出すことになる。地域の安全保障に関しても、できるだけ中国の関与を引き出せば、中国も一方的な行動には出にくくなる。
批判があるなら水面下で伝えればいい。そうすれば中国政府は、愛国的な国民感情を刺激せずに対応できる。そのほうが、中国の「平和的台頭」の可能性は高まるはずだ。」
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