http://www.asyura2.com/14/kokusai9/msg/126.html
Tweet |
イスラエルは、今まさに、地上部隊をガザ地区に侵攻させる準備を進めている。
『ニューズウィーク日本版』の記事は、「少年3人が殺害された事件で証拠もないままパレスチナ自治区を空爆したネタニヤフ政権の非道」とか、「イスラエル人少年3人が誘劫された事件については、ハマスは犯行声明も出していないし、関与も否定している。にもかかわらず、ネタニヤフは事件発生直後からハマスを非難。2過問後には容疑者2人の名前を挙げ、うち1人はハマスの戦闘員だと主張したが、何の証拠も示さなかった」と書いてイスラエル政府を非難しているが、起こしたか起きたかは不明の事件だとしても、特定の事件に反応し、証拠もないまま犯行グループを特定するのは、9・11同時多発テロで米国ブッシュ政権が見せた悪逆非道の手法である。
また、記事は、「長年周辺国からのテロの脅威にさらされてきたイスラエルは、その苦い経験から「報復の原則」を編み出した」とデタラメなことを書いているが、英国の“三枚舌外交”という破廉恥で謀略的な外交はともかく、英国に支えられて第一次世界大戦後パレスチナで移住してきたユダヤ人グループが土地を奪うためにテロ活動を盛んに展開したことがパレスチナにおける“テロの脅威”の始まりである。
※ 関連参照投稿
「誘拐されたイスラエル3少年の遺体発見、政府はハマス犯行と断定:治安当局は通報後6時間も放置:遺体発見場所は失踪場所の近く」
http://www.asyura2.com/14/kokusai9/msg/104.html
====================================================================================================
『ニューズウィーク日本版』2014−7・15
P.17
「イスラエルがこだわる「報復の原則」が生む悲劇
少年3人が殺害された事件で証拠もないままパレスチナ自治区を空爆したネタニヤフ政権の非道
ウィリアム・サレタン(スレート誌コラムニスト)
イスラエルがまた、激しい怒りにまかせて悪しき慣習を繰り返している。
先週、6月中旬から行方不明になっていたイスラエル人少年3人の遺体がパレスチナ自治区で発見された。これをパレスチナ人による犯行だと捉えたイスラエル市民は首都エルサレムでデモを行い、「アラブ人に死を」と叫びながら報復を訴えた。
その翌日、少年がまた1人、誘拐され殺された。今度はパレスチナ人の少年だった。誰の仕業かはまだ分からない。だが確かなことは1つ。この犯行の叔底にあるのは、ひと握りの人間が犯した罪でも報復として大勢の人間を罰しようとするイスラエルの思考だ。これはテロリズムの考え方にも似ている。ユダヤ教もイスラム教やキリスト教と同じく、罪のない人々を故意または無差別に傷つけることを禁じている。なのに長年周辺国からのテロの脅威にさらされてきたイスラエルは、その苦い経験から「報復の原則」を編み出した。やられたら、敵が二度と攻撃しようと思わなくなるまでやり返す―。
この原則にのっとり、イスラエルはパレスチナのイスラム過激派組織ハマスヘの報復を繰り返してきた。犯人が特定されていなくても関係ない。容疑者になった時点で、その怪しいパレスチナ人の家を破壊する。そこに年老いた両親や幼い子供が住んでいても空爆するのだ。
重要なのは敵の「攻撃意欲を奪う」ことだと、ネタニヤフ首相は主張している。子供のいる家庭を破壊する行為を政府が正当化しだしたら、歯止めが利かなくなる。現にアラブ人と見れば無差別に放火や破壊行為に及ぶ、ユダヤ人入植者の報復攻撃はエスカレートする一方だ。
アッバスにも罪を着せる
今回、イスラエル人少年3人が誘劫された事件については、ハマスは犯行声明も出していないし、関与も否定している。にもかかわらず、ネタニヤフは事件発生直後からハマスを非難。2過問後には容疑者2人の名前を挙げ、うち1人はハマスの戦蹄月だと主張したが、何の証拠も示さなかった。
ネタニヤフはさらにパレスチナ自治政府のアッバス議長にまで怒りの矛先を向けている。アッバスは誘拐を非難し、イスラエルの捜査に協力してきた。それなのに「誘拐がパレスチナで起きたのなら自治政府の責任だ」と、ネタニヤフ政権の閣僚は言う。イスラエルの報復の原則に基づいた、一方的なこじつけだ。
こうしたパレスチナに対する挑発は単なる脅しではない。6月中旬以降、イスラエルはハマス掃討作戦を展開している。
イスラエル軍はパレスチナ自治区ヨルダン川西岸ヘブロン一帯を1週間にわたって封鎖。家宅捜索を実施し、400人以上の身柄を拘束した。少年らを誘功したとみられる2人の家を、家族が住んでいるのに爆破(容疑者は発見できず)。さらにガザ地区への空爆も開始し、「ハマスが止めないなら、われわれが阻止する」とネタニヤフは息巻いた。
そして、今度はパレスチナ人の少年が殺害された。犯人はイスラエル人と決まったわけではない。それでも報復の報復を恐れるイスラエル当局はパレスチナ人に対し、むやみにユダヤ人を非難しないよう要求した。
3人の少年が消息を絶った後、イスラエルが怒りに駆られず、もっと自制してさえいれば……。いや、もっと早くに報復の原則を捨てていれば、4人の若い命が犠牲になることはなかっただろうか。残念ながらそうとも言い切れない。だが報復合戦を永遠に続けることでイスラエルが救われるとも思えない。」
スパムメールの中から見つけ出すためにメールのタイトルには必ず「阿修羅さんへ」と記述してください。
すべてのページの引用、転載、リンクを許可します。確認メールは不要です。引用元リンクを表示してください。