http://www.asyura2.com/14/kokusai9/msg/119.html
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ロシアと中国は、中東で米国が手こずっている間にアジアや世界での戦略を着々と進め、米国とのプレゼンスを後退させるのが、今や常套手段として誰の目にも明らかになっています。
プーチンのアジアへの旋回シフト
ー中ロ同盟はアジア-太平洋の覇権を目指すー
2014年6月12日
DOMOTO
http://blogs.yahoo.co.jp/bluesea735
【目次】
【1】 プーチンのアジアへの旋回シフト
【2】 中国とロシアの軍事同盟的な協力体制
【1】 プーチンのアジアへの旋回シフト
「ロシアは太平洋へも旋回できる」
2012年9月のウラジオストックで開催されたAPECで、カーネギー・モスクワ・センターの所長はこう言ったそうです。
Tales of Different “Pivots” (2013-1/14 戦略国際問題研究所 )
http://csis.org/publication/comparative-connections-v14-n3-china-russia
米国のシンクタンクである戦略国際問題研究所(CSIS)のユー・ビン氏による上記のレポートによれば、ロシアの東方への旋回(シフト)は、プーチン政権2期目(2004年〜2008年)の投資政策に見られるといいます。これは前ヒラリー・クリントン国務長官が彼女の論文「米国の(アジア)太平洋の世紀」で“pivot”(旋回・方向転換)を使った2011年よりもずっと前にあたります。
ユー・ビン氏によれば、プーチンのアジア-太平洋への「旋回」はロシアの壮大な戦略の一環であり、その大戦略は、ロシアをユーラシア大陸(アジア+ヨーロッパ)での強大なパワー(支配力)にするための、経済と(軍事)戦略の領域から構成されるといいます。
ロシアと中国は東シベリア油田の共同開発で協定を結んでおり、先月の5月21日にはロシアと中国はガスプロムによる中国への天然ガスの供給で合意し契約を済ませました。
現在、ウクライナ問題での制裁により欧米資本がロシアから撤退するのを、中国の投資資本がその穴を埋める格好となり、中国がロシアに対して優位に見えますが、戦略国際問題研究所(CSIS)のアンドリュー・クチンス氏によれば、将来的にロシアがエネルギー供給という点から中国に対して優位に立つことになりそうです。プーチンだけでなく中国共産党も当然これを承知してでの合意でしょう(クチンス氏はロシアとユーラシアが専門、シニア・フェロー)。クチンス氏はこう述べます。
「ロシアの欧州と西側諸国に対する相対的に経済的な優位が、石油・天然ガスの供給を第一の理由としてきたのと全く同じように、アジアにおける戦略的統合はエネルギーによって左右されている。」
Russia and the CIS in 2013: Russia's Pivot to Asia(「ロシアのアジアへの旋回」)
(2014-1月 戦略国際問題研究所 )
http://csis.org/publication/russia-and-cis-2013?utm_source=feedburner&utm_medium=feed&utm_campaign=Feed%3A+CSIS-Russia-And-Eurasia-Related-Publication+%28Russia+and+Eurasia+-+Related+Publication%29
つまりプーチンのアジア-太平洋への大戦略の経済的領域として、石油と天然ガスの大量供給で、中国と南シナ海までを含めた東アジアの国々を、欧州と全く同じようにかなりの部分ロシアに依存する仕組みを作ろうということです。
2013年のロシアのアジア・シフトをレポートした上記の記事では、ロシアが南シナ海での中国の覇権を妨げる(阻止する)ために、ベトナムに対して武器セールスと防衛協力だけでなく、エネルギー探査の支援を強めていることにもクチンス氏は触れています。現在、中国とベトナムは南シナ海でトラブルを起こしていますが、2013年3月から急接近を表明した中国とロシアが、南シナ海をめぐりどのような話し合いをしていくのか注目です。
極東も含めた2013年でのプーチンのアジアへの旋回の詳細は、クチンス氏の上記記事のリンク先にPDFファイルとして掲載されています。
【◆第2節「中国とロシアの軍事同盟的な協力体制」へ続きます】
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