http://www.asyura2.com/14/kokusai9/msg/103.html
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転載する記事が掲載されているページにも、粗い画像でくすんだセピア色のバグダディ氏とされる写真が載っている。そして、ご丁寧なことに、その写真の下には「素性不明 ISISIの指導者バグダディの写真は2枚しか出回っていない」というキャプションまで付いている。
アフガニスタン・タリバンの指導者オマル氏ならともかく、米国機関が、5年前に拘束したことがある人物の“きれいな”写真を持っていないことに???と思わざるをえないが、昨日NHKBS1で放送されたロシア「RTRニュース」は、数分間にわたってシリア及びイラクで活動しているバグダディ氏のクリアな映像を流した。
転載する記事は、「バグダディが「謎の男」でなくなる日はそう遠くないだろう」と結んでいるが、RTRの映像を見た人はすでに「謎めいた男」ではなくなっているはずだ。
バグダディ氏とされて公開されている写真が粗い画像でくすんだセピア色になっているのは、米国情報機関でもなかなか手が及ばない秘密めいた存在というイメージを醸したいからであろう。
たぶんだが、クリアな写真をわざと粗く修正して使っていると思われる。
※ 関連投稿
「イラクを突然崩壊寸前に追い込んだISISIの正体:首に賞金1千万ドルの指導者バグダディ氏は米国のアセットらしい」
http://www.asyura2.com/14/kokusai8/msg/870.html
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『ニューズウィーク日本版』2014−7・1
P.27
「ISIS指導者バグダディの謎に満ちた素顔
入物:5年前米軍からあっさり釈放された無名兵士が今や「世界一の過激派」に
ここ数カ月でイラクを大混乱に陥れているISIS(イラク・シリア・イスラム国、別名ISIL)だが、その指導者アブ・バクル・アル・バグダディの素性はいまだ謎に包まれたままだ。「前任者」たちのたどった運命を考えれば、彼が目立だぬように努めているのも無理のないことだろう。
ISISの前身であるスンニ派過激派組織「イラク・アルカイダ機構」指導者アブ・ムサブ・アル・ザルカウィは06年、米軍の空爆で殺害された。その後継となったアブ・アユブ・アル・マスリとアブ・オマル・アル・バグダディも10年に米軍の攻撃を受け死亡した。
一方でバグダディは、ほんの5年前には「無名過ぎる」ために米軍に釈放されるほどの下級兵士だった。それが今や「世界一の影響力を持つ過激派指導者」「ウサマ・ビンラディンの其の後継者」と呼ばれるほどだ。
出回っているバグダディの写真はわずか2枚だけ。イスラム聖戦士の間に流布する「公式」プロフィールによれば、バグダディは43歳で本名はイブラヒム・アツワード・イブラヒム・アリ・アルバドリ・アルサマライ。イスラム学の博士号を取得し、シャリーア(イスラム法)の講師を務めた時期もある。
アメリカのイラク侵攻後は過激派組織で戦闘に加わったが、05年に米軍に拘束され、収容施設キャンプ・ブッカに収容された。その頃は危険人物とは見なされず、09年に釈放。キャンプ・ブッカの当時の指揮官だったケネス・キング陸軍予備役大佐によれば、彼は釈放の際、「ニューヨークでまたお会いしましょう」と話したという(看守たちはニューヨークの予備役部隊から派遣されていた)。
バグダディは拘束中にアルカイダとの関係を深め、10年にイラクのアルカイダ系過激派組織ISI(イラク・イスラム国)の指導者に就いた。11年には米国務省から国際テロリストに指名され、1000万ドルの懸賞金がかけられている。
スペインで関連組織摘発
事態が急展開したのは12年だ。バグダディはシリア内戦を勢力拡大の好機と見て取り、アサド大統領の政府軍と戦うために兵士を送り込んだ。昨年にはシリアのアルカイダ系スンニ派武装勢力であるアルヌスラ戦線との統合を一方的に宣言し、組織名をISISとした。
だがこれはアルヌスラ戦線の指導者にも、アルカイダ最高幹部アイマン・アル・ザワヒリにも相談せずに進められたため、彼らとの対立を深めることになった。アルカイダは今年になってISISとの絶縁を宣言した。
バグダディ率いるISISの統治手法はアメとムチだ。人々に食料や安価な燃料を支給する一方、大量処刑やムチ打ち、手足切断などの残虐な刑罰を科す。
シリアの混乱に乗じて勢力を拡大したバグダディが、抜け目のない男であることは確かだ。だがISISが、昨日今日のうちに力を付けたわけではないのも明白だろう。彼らは制圧した地域で武器やカネを着々と蓄えてきただけでなく、アルカイダ中枢の資金源まで利用してきた。
シリアやイラク、イエメンなどで独自のアルカイダ系組織が勃興するなか、ビンラディンの正統の後継者であるザワヒリはパキスタンに追いやられている。では、バグダディが其の後継者ということになるのだろうか。
ビンラディンとは違い、バグダディはシリアとイラク以外では大した影響力を及ぼしていないようだ。だがスペインの首都マドリードで先週、ISIS関連の組織が摘発されたことからも、彼らがより国際的な野望を抱いていることがうかがえる。
バグダディが「謎の男」でなくなる日はそう遠くないだろう。
ジョシュア・キーティンク」
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