http://www.asyura2.com/14/kokusai8/msg/870.html
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(故?)オサマ・ビンラディン氏のグループはアフガニスタンにおける反ソ闘争のなかで米国機関(CIAなど)によって育成され、ムスリム系国際ネットワークであるアルカイダ自体が英国で形作られたものである。英国は、母国から追われたり逃げ出したイスラム系宗教及び政治指導者の“溜まり場”になっている。米英政権が軍事力行使を正当化するため声高に叫ぶイラクやイランなどの“秘密情報”も、亡命者が“情報源”である。
最近起きたベルギーのユダヤ博物館銃撃事件の犯人とされる男も、フランスの刑務所に収監中にイスラムに目覚め、出獄後まもなくシリアに向け出国、シリアで内戦に参加し、欧州に戻ってきたとされる。フランス出国以後の行程は、フランスやドイツの情報機関に監視されていたという。
俗に言うイスラム過激派で“高名な組織”の指導者は、ほぼ間違いなく、過去に英米仏の“国家機関”との接点があったと言える。
今イラク侵攻で話題のISISの指導者バグダデイ氏も、ムハンマドの血を引く高名な家系の出自とも言われているが、「06年頃に米軍基地に一時拘束されたときに、アルカイダと接触。釈放後の10年にISIの指導者に就いた」という経歴の持ち主なのである。
※ 関連投稿
「ブリュッセル・ユダヤ博物館銃撃事件の“犯人”は、仏の刑務所内でイスラム過激派になり出獄から3週間でシリアに渡航」
http://www.asyura2.com/14/kokusai8/msg/748.html
「サウジアラビアやカタールは反アサド政権派に対する支援を公言:“過激派”同士で殺し合いをさせることに利益」
http://www.asyura2.com/14/kokusai8/msg/825.html
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『ニューズウィーク日本版』2014−6・24
P.12
「イラクを突然崩壊寸前に追い込んだISISの正体
アルカイダさえも手を焼き仲たがいした過激派組織の次のターゲットはバグダッド
ここ数カ月、じわじわと治安が悪化し暴力事件と死者数が増加し続けていたイラクが、崩壊の瀬戸際に立たされている。
イラクに侵攻を続けるイスラム過激派組織「ISIS(イラク・シリア・イスラム国、ISILとも呼ばれる)」 が先週、第2の都市モスルを制圧。今や首都バグダッドにも迫りつつある。
数ではISISを圧倒的に上回るイラク軍部隊は、軍服も武器も捨てて逃げ出したという。
ISISはモスルの中央銀行から4億2000万ドル以上を略奪し、アメリカ製の武器も強奪している。
国際テロ組織アルカイダ系の組織としてイラクで派生した「ISI(イラク・イスラム国)」とシリアのスンニ派系武装勢力とが統合されて13年に生まれたISISは、シリア内戦で勢力を拡大。アサド大統領の政府軍だけでなく他の穏健な反政府勢力や一般市民にも攻撃を加えて非難されていた。彼らを持て余したアルカイダ上層部がシリアから撤退するよう呼び掛けたが、ISISは拒否。両者の対立は激化し、今年になつて分裂した。
アルカイダも手を焼く組織、ISISの狙いは何か、指導者のアブ・バクル・アル・バグダディとは何者か。米ブルッキングズ研究所の中東研究部門であるドーハセンターの客員研究員チャールズ・リスタ一に問いた。
― ISISはなぜ突然モスルを制圧したのか。
ISISは弱体化するイラク政府を攻撃するための機が熟したと判断した。もともとモスルには基盤があり、おそらくスンニ派の治安部隊とも事前に応戦しない取り決めが成立していたのだろう。
ISISはここ1年、実際に都市を制圧してイラクのマリキ政権や地方政府の正統性を脅かそうと計画を進めてきた。モスル制圧はマリキヘの強烈な警告になつた。バグダッドが次のターゲットになっている。
― ISISは、その過激さのためにアルカイダから絶練された。現在の両者の関係は。
今やISISとアルカイダは完全な対立関係だ。彼らは互いを非正統的で信仰心に欠けると非難し合っている。ISISは、シリアで活動する他のアルカイダ系武装勢力アルヌスラ戦線とも激しい戦闘を続けてきた。こうした内輪の攻撃の応酬が「聖戦」の根幹を揺るがしている。
― ISISの指導者バグダデイについて知られていることは。イラクとシリアをまたいだイスラム国家の建設という彼らの狙いが実現する見込みはあるか。
バグダディは71年、イラクのサマラで生まれた。大学でイスラム学を学び、後に戦闘に加わるようになつた。06年頃に米軍基地に一時拘束されたときに、アルカイダと接触。釈放後の10年にISIの指導者に就いた。私の知る限り、シリア以外の外国でバグダディが戦闘に参加した証拠はない。
― オバマ米大統領はシリアの穏健な反政府勢力に武器を供給することを検討していた。ISISが、シリアの反政府勢力よりはるかに組織されているはずのイラク軍から武器を奪えるのだとしたら、シリアの反政府勢力を支援するのは危険な結果を生むことにならないか。
皮肉なことに、ISISのモスル制圧で、アメリカはシリア反政府勢力への軍事支援をより強力に進めるようになるかもしれない。ISISが、イラクとシリアにまたがるミニ王国を築いたかのように付け上がる現状は、シリアの反政府勢力にとって深刻な脅威だ。彼らはISISと、アサドという2つの敵と戦わなげればならない。支援なしには彼らの戦況は不利になる一方だ。
ブリヤンカ・ボガーニ」
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