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軍事面でプーチン氏(左)に押されるオバマ氏(ロイター)
【世界を斬る】野望に突き進むプーチン大統領 米の国力低下が北方領土問題にも影響
http://www.zakzak.co.jp/society/domestic/news/20140625/dms1406250830004-n1.htm
2014.06.25 夕刊フジ
フランスは、米国の強い圧力に反発してロシアのプーチン大統領に対する協力を強化しようとしている。ルドリアン国防相はパリで記者会見し、次のように述べた。
「米国は反対しているが、フランスはロシアに対してミストラル型上陸用空母の売り渡しを続けていく。最新鋭の原子力艦艇を売ることも考えている」
ミストラル型空母は、ヘリコプターを20機以上と大型戦車20台を搭載し、大規模な敵前上陸を展開する能力を持つ。
さらに、フランス政府は、プーチン氏の要請に応えてミストラル型上陸用空母に配備されるロシア海兵隊4000人の訓練をフランスのトゥーロン基地で行うと発表。
すでに、このコラムでも報告したように、プーチン氏は太平洋極東艦隊を急速に強化している。特に、北方の島々の防衛に力を入れるため、フランスから買い入れるミストラル型上陸用空母をウラジオストクに展開する予定だ。
プーチン氏は「ミストラル型上陸用空母をとりあえず2隻買うが、さらに2隻、あわせて4隻を買う契約を進めている」と話している。
米国の強硬な反対にもかかわらず、ロシアに上陸用空母を売り渡す決定は、オバマ大統領の外交戦略に反抗して独自の世界戦略を展開していくというフランスの強い意志の表明である。
フランスは、オバマ氏がヨーロッパや地中海の軍事力を急速に削減して太平洋の米軍を強化する戦略に基本的に賛成してこなかった。しかも、米国は「アジアへの大展開」と言いながら、実際は中国に押されて、東シナ海や西太平洋からハワイの東へ撤退しようとしている。フランスは、こうした状況を米国の大きな失敗とみている。
フランスの軍事専門家は、次のように述べている。
「米国は、世界の航路を守るという大国の責任を放棄してしまった。誰かが、その責任をとらなくてはならなくなっている」
中国には、もともと国際的な責任を背負う考えはまったくない。ヨーロッパの国々には、独自の力で世界の航路を守る能力がない。フランスは「結局、ロシアの海軍力に頼らざるをえなくなる」と考えて、プーチン氏に協力しようとしているのだ。
フランスは、米国が圧力をかけるのは政治的な意図からだと反発している。今後、フランスなどヨーロッパ諸国とロシアの関係は、ますます強くなると予測される。
プーチン氏は、米軍が撤退するなら、その真空をロシアが埋めて日本をその中にとりこもうと考えている。フランスおよびヨーロッパ諸国との軍事協力体制を進めることで、極東や太平洋を制するというプーチン氏の軍事的野望が実現に向かって着々と進むことになる。米国の力の後退は、日本の北方領土返還問題に大きな影響を与えようとしている。
■日高義樹(ひだか・よしき) 1935年、名古屋市生まれ。東京大学英文科卒。59年NHKに入局し、ワシントン支局長、理事待遇アメリカ総局長を歴任。退職後、ハーバード大学客員教授・同大諮問委員を経て、現在はハドソン研究所首席研究員、全米商工会議所会長顧問。
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