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http://plaza.rakuten.co.jp/condor33/diary/201406200000/
2014.06.20
サダム・フセイン時代に化学兵器を製造していた工場をISIS(イラク・シリアのイスラム国、ISIL/イラク・レバントのイスラム国やIEIL/イラク・レバントのイスラム首長国とも表記)が占領したhttp://www.telegraph.co.uk/news/worldnews/middleeast/iraq/10913275/Isis-storms-Saddam-era-chemical-weapons-complex-in-Iraq.htmlようだ。
この工場にサリンやマスタードガスのような化学兵器が貯蔵されていた可能性は小さいのだが、これはISISが化学兵器を持っていないことを意味するわけではない。ISISはシリアで体制転覆プロジェクトに参加していたが、そのシリアで反政府軍が化学兵器を使った疑いがあるのだ。
シリアでは、「政府軍がサリンを使った」という口実でNATOが直接、攻撃する動きがあった。ダマスカスの近くでシリア政府軍がサリンが使ったと「西側」の政府やメディアは大々的に宣伝、シリアへNATO軍が直接介入する動きを見せていたが、間もなく偽情報の可能性が高いことが判明http://plaza.rakuten.co.jp/condor33/diary/201405080000/する。
まず、ロシアのビタリー・チュルキン国連大使はアメリカ側の主張を否定する情報を国連で示し、報告書も提出した。ロシアが示した資料の中には、反シリア政府軍が支配しているドーマから2発のミサイルが発射され、毒ガス攻撃を受けたとされるゴータで着弾していることを示す文書や衛星写真https://www.facebook.com/pepe.escobar.77377/posts/10151840247251678が含まれていたという。
昨年12月に調査ジャーナリストのシーモア・ハーシュhttp://www.lrb.co.uk/v35/n24/seymour-m-hersh/whose-sarinは、シリアの反政府軍がサリンの製造能力を持ち、実際に使った可能性があるとする記事を書き、国連の元兵器査察官のリチャード・ロイドとマサチューセッツ工科大学のセオドール・ポストル教授https://www.documentcloud.org/documents/1006045-possible-implications-of-bad-intelligence.htmlは、化学兵器をシリア政府軍が発射したとするアメリカ政府の主張を否定する報告書を公表、ミサイルの性能を考えると、科学的に成り立たないとしている。
中でも重要な情報はサウジアラビアの役割に関するもの。サウジアラビアが反政府軍に化学兵器を提供したとミントプレスが報道http://www.mintpressnews.com/witnesses-of-gas-attack-say-saudis-supplied-rebels-with-chemical-weapons/168135/したのだ。後に筆者のひとりは記事への関与を否定するのだが、編集長によると、記事を編集部へ持ち込んだのはその記者本人。一連の遣り取りを裏付ける電子メールが残っているともしている。その後、記者からの再反論はないようだ。
昨年10月に入ると「ロシア外交筋」からの情報として、ゴータで化学兵器を使ったのはサウジアラビアがヨルダン経由で送り込んだ秘密工作チームhttp://voiceofrussia.com/news/2013_10_04/Group-sent-by-Saudi-Arabia-from-Jordan-is-behind-August-21-provocation-in-Syria-source-7375/だという話が流れ、アフガニスタンの反政府軍支配地域で「第三国」がアル・ヌスラなどシリアの反政府軍に対して化学兵器の使い方を訓練しているとする報告があるとセルゲイ・ラブロフ露外相は語っている。
シリアで採取されたサンプルはイギリスの軍情報機関へも送られて、シリア政府軍がサリンを使ったとする主張に根拠のないことが確認され、その分析結果はアメリカの統合参謀本部へ知らされたという。
ISISを使い、ジョージ・W・ブッシュ政権が主張したようにサダム・フセイン体制が化学兵器を保有していたと宣伝したい人たちもいるようだが、その可能性は限りなくゼロに近い。問題はサウジアラビア。この国の王族に操られているISISがサリンなどの化学兵器を入手していても不思議ではなく、粗悪な化学兵器なら自前で作ることも可能だ。イラクでサリンなどが使われる可能性はある。
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