http://www.asyura2.com/14/kokusai8/msg/819.html
Tweet |
米司法当局のパリバ制裁 「罰金1兆円」仏政府が反発 米欧、金融規制の調整に影
フランスの銀行最大手BNPパリバによる違法取引の責任を巡る米司法当局の対応が波紋を広げている。米当局が求める100億ドル(約1兆円)規模の罰金に仏政府が「過剰で不公正」(オランド大統領)と反発し外交問題に発展した。米と欧州連合(EU)間の自由貿易交渉の行方にも影を落としかねない。
問題とされたのは2002〜09年に米国の法律に違反してイランやスーダン、キューバといった金融制裁対象国と行った取引。米国が認定した「敵国」でドルを使えば、外銀といえども米国法で処罰の対象になる。
欧州メディアによると、商品やエネルギー取引に強みを持つパリバはジュネーブの拠点を介して、こうした国々で巨額のドル建て取引をしていた。スーダンやイランの石油関連企業と取引していたとの報道もある。
仏政府は罰金の大きさに反発したが、米国内で100億ドルの制裁は最近の相場ともいえる。13日にも大手米銀シティグループに、司法省が100億ドル規模の支払いを要求していることが伝わった。08年の金融危機を招いた住宅ローン担保証券の不正販売に対する制裁だ。昨年はJPモルガン・チェースが130億ドルの罰金で手打ちした。バンク・オブ・アメリカも100億ドル規模の和解金で当局と駆け引きを続けている。
危機を引き起こした金融業界に世論の反発が高まるなか、米当局は矛先を外国銀行にも向け始めている。米国はスイスの金融大手クレディ・スイスが米富裕層の脱税をほう助していたとして28億ドルの罰金支払いを命じた。制裁対象国との取引をめぐっては英国のスタンダードチャータードや三菱東京UFJ銀行が摘発されている。
しかしパリバの件ではフランスが公然と米国に反発した。フランス中央銀行のノワイエ総裁は5月「(パリバは)フランスや欧州連合(EU)の規則に違反していない」と米当局を批判した。
ファビウス外相は6日、交渉中の米EUの自由貿易協定(FTA)に「悪影響をもたらすリスクがある」と懸念を表明した。米欧の金融当局は、両市場で大きく異なる金融規制の擦り合わせ作業を進めているが、パリバ問題を巡る対立がこじれれば協議が一段と難航しかねない。
(パリ=竹内康雄、ニューヨーク=佐藤大和)
[日経新聞6月15日朝刊P.5]
スパムメールの中から見つけ出すためにメールのタイトルには必ず「阿修羅さんへ」と記述してください。
すべてのページの引用、転載、リンクを許可します。確認メールは不要です。引用元リンクを表示してください。