02. 2014年6月17日 01:53:35
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どんなに金があって贅沢をしたところでヒトは100年もしないで死ぬ http://jbpress.ismedia.jp/articles/print/40971 JBpress>海外>USA [USA] 億万長者だけのためのビジネスが米国で急拡大 100億円以上の資産家は2003年以降64%増の3万7000人超に 2014年06月17日(Tue) 堀田 佳男 億万長者だけを顧客にするビジネス――。
米国だけでなく、世界の多くの国ではいま社会格差が広がっており、億万長者の数が増え続けている。そのスーパーリッチ層を顧客にした様々なビジネスが今、米国で勢いを増している。 資産1億円以上の金持は世界に2900万人 米NYペントハウス1戸78億円、史上最高値で売り出し 米ニューヨーク・セントラルパーク沿いのアパートは1部屋1億円以上の物件がぞろぞろ並ぶ〔AFPBB News〕 読者の方は、統計を眺めなくとも日々の生活の中で、日本でも格差の広がりを実感されているかもしれない。 ちなみに、英不動産ブローカー、ナイトフランクによると、世界中で資産100億円以上を所有する資産家は2003年以来、64%も増えて、現在3万7000人超だという。 100億円とまでいかなくとも、世界中で1億円以上の資産を持つ人は約2900万人にもなる。2900万を多いと捉えるか少ないと捉えるかは人によるが、彼らが地球上の総資産の39.3%を保有している。 こうした背景から、増加するスーパーリッチ層を対象にしたビジネスが起こされるのは自然の流れであり、羨望を抱く前にビジネスの好機を期待してもいい。 多くの億万長者は金銭的な嗅覚が鋭敏で、彼らを相手にするには高いビジネスセンスが求められるが、この分野で成功を収めている人たちが何人もいる。 ニューヨーク市にある「デロス・リビング」社という住宅開発・リフォーム会社を起ち上げた双子のシェッラ兄弟は、見事に億万長者の心をつかんでいる。 提供するサービスや物件が億万長者仕様であることから、米メディアに取り上げられて注文は引きも切らない。しかもビル・クリントン元大統領に同社の利点を述べさせるなど、広報戦術もぬかりがない。 ニューヨーク市マンハッタンに開発した物件は1戸15億円から50億円の最高級マンションで、最も広い部屋は約1000平方メートル(約300坪)という巨大さだ。 グリニッジビレッジの中心にある、1897年に建った築117年という歴史的な建造物を全面改装した。最高級の資材と洗練されたデザインはもちろん、ホテルのような玄関にはコンシェルジュがおり、住人のスケジュール管理も代行してくれる。 シャワーから出る水はビタミンCが加味され、すべてのドアノブは抗菌仕様といった至れり尽くせりのサービスだ。 月々の管理費が99万円に固定資産税も74万円 ただ月々の管理費も9700ドル(約99万円)と破格の値段である。固定資産税も月々約7300ドル(約74万円)で、本当に100億円レベルの資産がないと快適に住めない空間ではある。 ポールとピーターという双子の兄弟は、もともと大手投資銀行ゴールドマン・サックスのパートナーだった人物で、共に39歳で退職した億万長者だ。 それだけに顧客と金銭感覚を共有でき、住宅に対する価値観も似ていることから、「スーパーリッチ層が本当に求めているもの」を提供できているという。 ニューヨーク・タイムズは「人間が求める究極の快適さを追求している。それは空気から水などの環境にも表れている。ヘルシーなハウジングブームを予感させるものがある」と評価している。 しかし、こうした高級ビジネスへの批判もある。 「こんな特権階級の住居がブームになるわけはないし、社会格差をますます広げることになるだけ」(米建築業界誌グリーン・ビルディング・アドバイザー) 日本でも「億ション」は特定層から人気があるが、大手建設会社が手がけるものが多く、デロス・リビングのような中小が多額の予算をかけて大々的に開発工事をするケースは少ない。 スーパーリッチ層を狙っているのはもちろんデロス・リビングだけではない。同じ建設業界でリフォームを中心に展開する「リビング・ベター・システムズ」社も注目を集めている。今年5月に創業したばかりだ。 同社が手がける工事は、一般の日本人が持つリフォームや改装のイメージを超越している。例えば、テレビ好きの人には、家中どこに移動してもテレビが視聴できるように、24台ものフラットTVを各所に設置した。 しかも人間の動きを察知して自動的にスイッチをオンにさせる。ある物件では140台のスピーカーを壁に埋め込んだりもした。 米ナパバレーのワイナリーを債権化して大金持ちに販売 庭や屋上にプールを設けるのは米国では一般的だが、温水にして一年中泳げるようにする。しかも、注文に応じてプールの形をバイオリン型にしたりもする。弦の部分には水底に5600本もの光ファイバーを埋め込んで七色に輝く遊びを入れもした。 ここまでくると「やり過ぎ」との声も聞かれるが、資産家がこだわると、こうした形になるのかもしれない。 同社のジェイ・ドゥウェック社長は自身も4億8000万円の一軒家に住んでいる。 「スーパーリッチ層が望むすべての要素を家屋に反映させることが、人生の質の向上につながると信じています。それがまたハイテク技術を進歩させることにもなります」 こうした市場はもちろん建設業界だけではない。カリフォルニア州に本社を置く「Eセップ」社は、同州サンフランシスコ郊外に広がるナパバレーのワイナリーの債権を売却するビジネスを展開している。 同社が求める投資家の最低条件は資産1億円である。興味深いのは、ワイナリーの共同経営者を求めているのではなく、「ワイン債権」という形で出資を募っている点だ。 ワイン好きの億万長者が触手を伸ばしそうな分野を巧みに開発し、債権を購入してもらうことで、小さなワイナリーで生産される貴重なワインを優先的に入手できる権利を与えている。1本18万円もするワインを箱で買える富裕層が好みそうな手法だ。 オーナーのセルジュ・マルキーさんはハーバード大学博士課程で金融ゲーム理論を修めた専門家で、「このビジネスも純粋にゲーム理論を使って起業した」と述べている。 こうしたスーパーリッチ層を対象にしたビジネスに共通するのは、有り余る資産を引き出すために、億万長者の嗜好を徹底的に調査し、一般レベルとの差別化を図ったことだ。また経営者はすでに、他の億万長者との人脈や組織的なつながりがある場合が多い。 平均的な市民にとっては羨望であり、嫉妬の対象になりかねない。なにしろ米勤労者の年収中間点(平均ではない)は2万7520ドル(約280万円)という数字である。 スーパーリッチ市場の活況は肯定的なニュースだが、一般市民にとっては社会格差の広がりを今まで以上に体感するという皮肉にもなっている。 |