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ワシントンのイラク“戦勝”
http://eigokiji.cocolog-nifty.com/blog/2014/06/post-890d.html
2014年6月16日 マスコミに載らない海外記事
Paul Craig Roberts
2014年6月14日
アメリカ合州国の国民は、自国政府が一体なぜイラクを破壊したのか、いまだに知らずにいる。“国家安全保障”が国民がその理由を理解するのを妨げ続けるだろう。“国家安全保障”というのは、アメリカ政府の犯罪を覆い隠す為の口実なのだ。
ロナルド・レーガンの副大統領に選ばれたおかげで大統領になった元中央情報局(CIA)長官ジョージ・ハーバート・ウォーカー・ブッシュは、最後の節度あるアメリカ大統領だった。ブッシュが最初にイラクを攻撃した際は、限定作戦で、サダム・フセインにクウェート併合を撤回させるのが目的だった。
クウェートは、かつてイラクの一部だったが、ソ連共産党がウクライナで行ったと同様、欧米植民地大国が、あらたな国境を設けたのだ。クウェートは、イラクから、小さな、独立した石油王国として出現した。http://www.csun.edu/~vcmth00m/iraqkuwait.html
報道によれば、クウェートは、イラク/クウェート国境を越えてイラク油田に掘り進む角度で掘削していた。1990年7月25日、クウェート国境にイラク軍を終結させたサダム・フセインは、ジョージH・W・ブッシュ大統領のエイプリル・グラスピー大使に、この状況について、ブッシュ政権に意見があるかと尋ねた。下記がグラスピー大使の回答だ。
“貴国とクウェート等の様な、アラブ二国間の紛争に、我々は意見がありません。[ジェームズ]ベーカー国務長官は、「クウェート問題は、アメリカとは無関係である」という、1960年、最初にイラクに宛てられた指示を強調するよう私に命じました。”
この文字化された記録によれば、サダム・フセインは、彼がイラクを再統一し、ギャング一家によるイラク石油盗掘を止めさせる邪魔をワシントンはしないと、アメリカ政府高官に、更に保証されていた。
“ワシントンで、翌日記者会見が行われ、マーガレット・タトワイラー広報・文化交流担当国務次官に、ジャーナリストが質問した。
‘アメリカ合州国は、イラクがクウェート国境に、30,000人の軍隊を集結していることに対し、何らかの外交的メッセージを送ったのでしょうか? アメリカ合州国政府から何らかの抗議の意思表明はあったのですか?’
“それに対し彼女は答えた。‘私’はそのような抗議を全く承知しておりません。’
“7月31日、イラクによる[クウェート]侵略の二日前、ジョン・ケリー近東担当国務次官補官が、‘アメリカ合州国には、クウェートを防衛する義務はなく、万一クウェートがイラクに攻撃された場合、アメリカは、クウェートを防衛する意図は皆無だ’と議会で証言した”
(色々情報源はあるが、こちらをご覧願いたい。http://www.freerepublic.com/focus/f-news/1102395/posts )
これはサダム・フセイン向けの意図的な罠だったのだろうか、それとも、イラクによるクウェート占領のおかげで、ブッシュ家の中東の取引相手から、必死に助けを求める電話でもかかってきたのだろうか?
アメリカ政府の姿勢の、劇的な、突然の、全くの変化の理由が何であるにせよ、対イラク戦争には至らない軍事行動という結果になった。
1990年から、2003年まで、イラクはアメリカ政府にとって許容できるものだった。
突如、2003年、イラクはもはや許容できないものと化した。一体なぜなのか我々は知らない。膨大なウソを吹き込まれただけだ。サダム・フセインは大量破壊兵器を持っており、それはアメリカにとって脅威だ。“アメリカの都市上に、きのこ雲”の可能性が国家安全保障顧問によって語られた。アメリカのむき出しの対イラク侵略を容認させる為の一揃いのウソを土産に、国務長官が国連に派遣された。添え物として、サダム・フセインの非宗教政権が“アルカイダとつながっている”という主張もあった。アルカイダは、9/11の犯人だとされていた。
議会もアメリカ・マスコミも、ワシントンのイラクに対する180度転換の理由を突き止める関心が皆無なので、“イラクの脅威”は、アメリカ人にとって謎のままとなろう。
ところが、イラクを永久戦争地帯にしてしまった、アメリカが引き起こした武力抗争なしに、イラクを一つに纏めることができていた政権であるサダム・フセインの非宗教政権を、ワシントンが破壊した結果、アメリカのイラク占領時に振るわれた暴力に等しいか、あるいは超越するレベルの暴力が長年に亘り継続することとなった。
ワシントンには人道的関心が欠如している。ワシントンの覇権にしか関心がないのだ。アフガニスタン、リビア、ソマリア、パキスタン,イエメン、ウクライナ、シリアそして、イラクで、ワシントンは死のみをもたらしたが、その死はイラクで続いている。
6月12日、ワシントンによる“自由と民主主義”の為の解放で恩恵を受けたはずの、イラク第二の都市モスールの住民500,000人が、アメリカが訓練した軍隊が、アルカイダによる攻撃を受けて崩壊し逃走したため、都市から避難した。ワシントンがしつらえた政権は、次はバグダッドの番だと恐れて、ワシントンに、アルカイダ軍を空爆するよう要請している。ティクリットとキルクークも陥落した。イランは、ワシントンがしつらえたバグダッド政府を擁護するため、革命防衛隊の二大隊を派兵した。
(本記事公開後、イランのハッサン・ロハニ大統領が、ウオール、ストリート・ジャーナル、ワールド・トリビューン、ガーディアン、テレグラフ、CNBC、デーリー・メール、イスラエル・タイムズ等々による、イランが、イラク政府を助ける為に軍隊を派兵したというニュース報道を否定した。またもや欧米マスコミは、エセ報道で、エセ現実を作り出したのだ。)
ワシントンは、“自由と民主主義と女性の権利をイラク人に”もたらすために、サダム・フセインを打倒しなければならないというプロパガンダをどなたか覚えておいでだろうか? アメリカは、当時イラクには存在していなかったアルカイダを、“連中がこちらまでやって来る前に、あちらで”打倒しなければならなかったのだ。
ネオコンの“簡単に勝てる戦争”という約束がわずか数週間しか続かなかったこと、戦争は、700億ドルしかかからず、イラクの石油収入でまかなえると言われていたこと、ジョージ・W・ブッシュの経済顧問が、戦争には2000億ドルかかると言って首になったことは覚えておいでだろうか? 経済学者のジョセフ・スティグリッツと、ハーバード大学の財政専門家リンダ・ビルムズが計算した戦争の本当の経費は、イラク戦争によるアメリカ納税者の負担は、3兆ドルという、アメリカ社会的セーフティー・ネットを脅かす支出であることが示されている。
イラクは、アメリカによって、全員が安全で、女性が権利を持った民主主義として自立するというワシントンの約束を覚えておいでだろうか?
現在の状況は一体どうだろう?
イラク第二の都市、モスールが、アルカイダ勢力によって征服されたばかりだ。これはワシントンが、何度となく、完全に打ち破ったと主張しているまさにその勢力なのだ。
この“打ち破られた”勢力が、今やイラク第二の都市や多数の州を支配している。ワシントンがイラクの支配をまかせた人物が、無能なブッシュ政権がイスラム世界に解き放った聖戦士勢力と戦う為の軍事支援と上空援護をして欲しいとワシントンに跪いて請うている。
ワシントンがイラクとリビアで行ったこと、そしてシリアで行おうとしていることは、聖戦士連中を押さえ込んでいる政府の破壊だ。ワシントンは、聖戦士政府がイラクとシリア双方を支配してしまう可能性に直面しているのだ。ネオコンによる中東征服はアルカイダによる征服と化しつつある。
ワシントンはパンドラの箱を開けてしまったのだ。これが中東におけるワシントンの業績だ。
イラクがアルカイダの手に落ちようとしている中、ワシントンはシリアを攻撃しているアルカイダ勢力に重火器を提供している。ワシントンは自分が据えつけたバグダッド政権を擁護するために軍隊を派兵しているイランを悪魔の様に描いている! ワシントンが愚かしく見えている以上に、国が愚かしく見えることなどあり得るだろうか?
我々が至ることが可能な一つの結論は、アメリカ政府を規定している傲慢と不遜が、ワシントンが、合理的で、論理的な決定を行うことを不可能にしているということだ。ワシントンでは、誇大妄想狂が支配している。
この記事は、Strategic Culture Foundationと共同で発表される。 http://www.strategic-culture.org/news/2014/06/14/washington-iraq-victory.html
記事原文のurl:www.paulcraigroberts.org/2014/06/14/washingtons-iraq-victory-paul-craig-roberts/
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大本営広報紙、ありがたく、うれしいことに、集団的自衛権という、ドコデモ集団的先制侵略攻撃従軍派兵ドアについて、追求の手を緩めない記事を書いてくださっている。一歩進んで、TPPや小選挙区制の理不尽さも書いてくだされば、呼称をかえるのにやぶさかではない。
サッカー大会?どこの国がどうなっているのか全く知らない。日本人選手名も、外国選手名も知らない。一番有名な人々の名なら、かろうじて識別できるかも知れない。何かがブラジルで開催されているということは知っている。
あらゆるスポーツに全く無能力。どのスポーツも集団参加不可能という悲惨な事実を痛感するのがいやで、考えることも、聞くことも避けている。人様と、スポーツという共通話題がない為、一風変わった記事を読んで過ごすしかない。酒を飲む相手も乏しい惨めな中高年ではある。(なぜか相撲は見る。)
サッカー試合、日本チームがどこのチームに戦勝しようが負けようが孫や子に影響は皆無。一方集団的自衛権というマスクをかぶったドコデモ集団的先制侵略攻撃従軍派兵ドアは、孫や子に永遠に直接悪影響があること必至。
『机の上の空 大沼安史の個人新聞』の2005-12-28記事を拝読すると、この「イラクによるクウェート侵攻」の背景、わかる気がする。Q8というガソリン・スタンド・チェーン名前は秀逸だ。
〔いんさいど世界〕クウェート侵攻 米国が“後押し”はめられたサダム ブッシュの訓令で女性大使が仕掛けた甘い罠 1990年夏、「バグダッド会談」の黒い霧
http://onuma.cocolog-nifty.com/blog1/2005/12/post_cbbc.html#_ga=1.154399096.1371792846.1402503716
今回のイラクにおける展開、ポール・クレーグ・ロバーツ氏式解釈も可能だろうが、より辛辣な見方もあり、それは更に興味深い。
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