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激しい内戦によって、イラクもいよいよ国家分裂するのか?
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2014年6月14日 Darkness - ダークネス
アメリカのオバマ政権は、2011年1月から始まったチュニジア・エジプト・リビアの大混乱では何もできなかった。
また、シリアでも手も足も出せないまま、大混乱を放置した挙げ句、世界で最も悲惨な内戦国家となってしまうのを座視し続けてきた。
オバマ政権は中国の横暴も見て見ぬふりを続けて東アジアを軍事的な緊張に陥れ、ウクライナ問題でもロシアに後手を取るだけで終わってしまった。
そして、現在、アメリカが撤退すると宣言したイラクで、大きな混乱が起きている。
イスラム過激派組織である「ISIL(イラク・レバントのイスラム国)」がイラク第二の都市であるモスルを2014年6月10日に制圧してしまった。
そして、何もできないアメリカを尻目で見ながら、ティクリットを攻略、現在は、バグダッドの北部100キロの地点で銃撃戦が続いている。ここが落ちると、今後は首都バグダッドが標的になっていく。
■イラクはシリアと同様の内戦の危機に突入する
これによって、イラクはシリアと同様の内戦の危機に突入する危険性が高くなった。
こういったイスラム過激派は、本来はマリキ政権がしっかりと制圧しなければならない。
しかし、アメリカの傀儡であるマリキ政権は、アメリカの後ろ盾を失ってしまうと何もできない政権である。アメリカがイラク・アフガニスタンから撤退するというのであれば、マリキ政権は風前の灯火だ。
イスラム過激派ISILは、そういったマリキ政権の弱体化を見越して動いており、イラク警察も正規軍も、犬死にさせられるのを恐れて前線から逃げ出している。
一国も早く動かなければならないこの緊急事態に対して、アメリカはどうするつもりなのか。
「イラク政府をどのように支援するのか、数日間検討する」
これには世界中が呆れ果てることになった。イラクがシリア型の内戦に陥る可能性があるというのに、アメリカはどうするのか「数日」考えるというのである。
さらに、「米軍が軍事行動に関与することはない」とその場でオバマ大統領は断言した。
これは、「アメリカは軍を出さないから、お前たちは好きにやれ」と、オバマが直接、イスラム過激派ISILに対して言ったも同然である。
軍を派遣しない部分だけは明言して、あとは「どうするか考える」というのだから、何もしないというのが全世界の見方である。
オバマは、アメリカ史上最悪の弱腰大統領であると揶揄されるようになっているが、まさにその噂通りになっている。
シリア、イラクに浸透していくイスラム過激派組織。
■マリキ政権は身動きできない状況に陥っている
イラク北部のキルクークには油田がある。イラク国内の少数民族であるクルド人の地域政府は2014年6月12日、このキルクークを制圧したと発表した。
クルド人はこの地域の自治を認められてるのだが、この油田地帯を制圧したと発表した理由は、言うまでもなくイラクからの独立である。
祖国を持たないクルド人にとって、「国を持つ」というのは民族の悲願となっているのだ。イラクが大混乱する今、いよいよクルド人の国家が樹立されるチャンスが巡ってきている。
この独立問題に、アルカイダ系の武装組織ISIS(イラク・シリア・イスラム国)が絡んできている。
マリキ政権にしてみれば、ISISの動きを止めるためにクルド人勢力の力を借りたいが、クルド人に肩入れすると独立闘争を仕掛けられる可能性もあるという板挟みの状況だ。
事態を打開するために、マリキ政権はアメリカに無人機攻撃でISISを叩いて欲しいと要請したのだが、弱腰のオバマ政権は泥沼化を恐れてあっさりとそれを拒否してしまった。
そこでマリキ政権は、国内で行き当たりばったりに義勇兵を募って制圧されたモスルを奪回しようとしているのだが、誰もマリキ政権と共倒れしたくないと考えている。
これに対して、イスラム過激派の方は、隣国シリアでの内戦に関与しており、豊富な実戦経験と武器弾薬を持っている「戦闘のプロ」と化している。
マリキ政権は身動きできない状況に陥っている。しかし、この動きを放置したままでいると、イラクはウクライナのように分裂国家と化す。今、イラクは国が割れる危機に直面しているのである。
■石油の供給と価格が混乱していく
イラクのクルド問題がこれによって流動化すると、まるでドミノのように問題が中東全域に広がって行く可能性も指摘されている。
なぜなら、クルド人はイラクのみならず、トルコにもイランにも存在するからだ。
すでにシリアは大混乱に見舞われているが、次にイラクが独立問題で動き始めると、トルコやイラン内のクルド人もまた動き始める。
それがまた中東の地政学的リスクになっていく。
中東のほとんどの国は油田地区であり、中東が混乱していくというのは、要するに現代文明のエネルギーである石油の供給と価格が混乱していくという意味である。
すでにシェールガスで国内の守りを固めた米国では違い、日本の場合は、中東の地政学的リスクをストレートにかぶる国家である。
このイラクの内戦危機は石油高騰を招き、それが物価高となって景気を冷やすことは充分に考えられる。
もちろん、これは日本だけが一手に不利益を被るわけではなく、新興国はもっとひどい状況になる。さしずめ、インドや東南アジアは、石油高騰が続けば、暴動が引き起こされるくらい石油価格に敏感な国家である。
しかし、オバマ政権は世界情勢をコントロールする能力を失っているので、期待できるものは何もない。
イラク情勢が悪化すると、エネルギー価格をめぐる世界情勢の悪化は歯止めが効かなくなる。アメリカの弱腰が、世界中のあちこちで暴力を悪化させていく。
シリアの内戦が、いよいよイラクにも波及し始めている。
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