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ウクライナ新大統領就任 戦闘停止へ和平計画[日経新聞]
親ロ派に恩赦や対話
2014/6/7 22:05
【モスクワ=石川陽平】ウクライナの首都キエフで7日、大統領の就任式が開かれ、5月25日の選挙で勝利したペトロ・ポロシェンコ氏(48)が第5代大統領に就いた。就任演説では、親ロシア派武装勢力との戦闘が続く東部情勢の打開へ、恩赦などを柱とする「和平計画」を発表した。ウクライナとロシアは近く停戦に向けた実務協議を始めるが、親ロ派勢力は強硬姿勢を崩しておらず、事態が収拾に向かうかどうかは不透明感も残る。
ポロシェンコ新大統領は最高会議(国会)で行った就任演説の冒頭「ウクライナの統一を保ち、強めるために大統領の職務に就く」と言明した。東部の親ロ派勢力が一方的に宣言した「独立」を許さない断固とした姿勢を示した。ロシアが併合したウクライナ南部クリミア半島も「クリミアは我々のものだ」と取り戻す方針を強調した。
東部危機については「戦争も復讐(ふくしゅう)も望まない」とも述べ、親ロ派勢力に「武器を捨てるよう」改めて呼びかけた。焦点だった和平計画の具体策では、殺人やテロ行為への資金提供など重大な罪を犯していない親ロ派を恩赦すると表明した。
さらに「ロシアの雇い兵」に対し、ロシアに逃げるための安全な「回廊」を用意する計画を明らかにした。東部の平和的な市民と対話し、同地域で地方選挙を早期に実施するとも約束した。欧州連合(EU)と共同でつくった地域経済の発展計画も示すと述べ、「平和を携えた大統領として近く東部を訪れる」と語った。
ポロシェンコ氏は6日、東部の親ロ派武装勢力を支援していると批判するロシアのプーチン大統領と仏北西部で会談した。会談ではロシアの政府代表が近くウクライナを訪れ、停戦に向けた実務的交渉に入ることで合意。8日にも交渉が始まる見通し。ロシアとの交渉では特に、親ロ派武装勢力が出国する「回廊」の確保が焦点になりそうだ。
ただ、東部の危機が収束に向かうかどうかは不透明だ。ポロシェンコ氏は就任演説で、親ロ派勢力が求めていた連邦制の導入を明確に否定した。過激な武装勢力がロシアへの脱出に応じるかも不明だ。インタファクス通信によると、ドネツク州の親ロ派幹部は7日、新大統領との直接対話に否定的な考えを示し、強硬な姿勢を崩さなかった。
ポロシェンコ氏は就任演説で「欧州への選択」という言葉を使い、EU加盟を急ぐ強い希望も強調した。具体的には、EUとの間で、できるだけ早く自由貿易協定を含む連合協定の経済部分に調印すると述べた。すでに政治部分に調印している同協定の全面的な発効で「EU加盟の展望を開く」意向だが、政治と経済の改革の遅れで道のりは険しい。
ポロシェンコ氏は先月のウクライナ大統領選で54.7%の得票率で圧勝した。ウクライナでは親欧米派による2月の政変でヤヌコビッチ政権が崩壊した後、正式な大統領がいない状態が続いていた。選挙を経た新大統領の正統性を内外に訴え、国内情勢の安定につなげる方針だ。
欧米も親欧米で民主派のポロシェンコ新大統領を強く支援し、就任式にもバイデン米副大統領やファンロンパイEU大統領らが参列した。一方、ウクライナと対立するロシアも、召還していた大使をキエフに戻し、就任式に出席させた。就任式では、ヤヌコビッチ前政権に反対したデモや東部の戦闘で犠牲になった人々に出席者全員が黙とうをささげる場面もあった。
http://www.nikkei.com/article/DGXNASGM0701B_X00C14A6FF8000/?dg=1
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