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米欧の「制裁」を笑ったプーチン大統領
http://www.asyura2.com/14/kokusai8/msg/725.html
投稿者 あっしら 日時 2014 年 6 月 02 日 02:41:24: Mo7ApAlflbQ6s
 


※ 参照投稿

「ウクライナ情勢の今後:軍事的対応はハナからなしだが、実質的経済制裁も避けたい欧米先進国:焦点はウクライナ東南部地域の“地」
http://www.asyura2.com/14/kokusai8/msg/169.html

「デフォルトを嫌う金融家のため、危機を頼りにする軍需産業のため、「東西」の合作で分断と対立を煽られたウクライナ」
http://www.asyura2.com/14/senkyo162/msg/467.html

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米欧の「制裁」を笑ったプーチン大統領[日経新聞]
論説委員 太田泰彦
2014/6/1 7:00


 東京に住むロシア人のビジネスマンから、こんな話を聞いた。

 親ロシア派だったウクライナの前ヤヌコビッチ政権が2月に倒れ、ロシアがクリミア併合に動き始めた直後。欧州連合(EU)と米国は「経済制裁」をちらつかせ、クリミアから手を引くようプーチン政権に圧力をかけた。ロシア企業の関係者の間でも、緊張感が一気に高まり、固唾をのんで「制裁」の発表に身構えた。


■欧米は「口先だけ」

 だが、その中身が首脳会議の開催凍結や査証(ビザ)の停止にすぎないと判明すると、ロシア人の会合で、高らかな笑い声が上がったという。貿易や投資の制限など、実質的にロシア経済に影響する制裁内容に至らなかったからだ。米欧は「口先では勇ましいことを言うけれど、実際には手出しなどできまい」というわけだ。

 ずいぶん甘く見られたものだ。だが、ロシア人の見方だけが正しいとは限らない。実情はどうなのだろう。そう考えて、ちょうど来日していた「ビジネス・ヨーロッパ」という経済団体のトップに、ウクライナ情勢をめぐるEU経済界の見解を聞いてみた。この団体はEUの経団連に相当し、私がインタビューした相手のマルクス・バイレル事務局長は、EU加盟28カ国の産業界を束ねる欧州経済のキーパーソンである。
 「とても残念なことがウクライナで起きている……」。バイレル氏は、質問がウクライナ問題に及ぶと、途端に口調が重くなり、渋々ながらの表情で、EU産業界の立場を説明してくれた。「ビジネス・ヨーロッパ」の理事会は普段なら日中の夕方までに終わるが、「ウクライナ情勢」を主要議題とした直近の会合は、議論が難航した。理事会は夕食をはさんで、翌日の未明2時すぎまで続き、激論の末にようやく5項目から成る公式見解を決定したという。
 「欧州は米国と協調しながら強い役割を果たすべきだ」、「ウクライナ経済を破綻させてはならない」など、当然ともいえる項目に交ざって、私が「おや?」と感じたのは、3番目に並んだ対ロシア経済制裁に関する見解だ。米国とEUが対ロ制裁の拳を上げているにもかかわらず、欧州産業界として「制裁は望ましくない」と明言しているからだ。

 その理由としてバイレル事務局長が挙げたのは、ウクライナ経由でロシアからEU域内の産業に供給される天然ガスの問題だけではなかった。ロシアがガスの元栓を閉めれば、EUが困るのは事実だが、現実にはEUとロシアの経済はそれ以上に深い関係にある。


■経済は相互依存

ドイツやオーストリアはロシアへの巨大な直接投資を抱える。ドイツのダイムラーやフランスのプジョー・シトロエン、ルノーを筆頭に、EU主要国の自動車大手や機械メーカーはロシア国内に生産拠点を築いている。BPやロイヤル・ダッチ・シェルなど英国、オランダに拠点を置く国際資源メジャーも、ロシアの国営資源企業と共同でロシア国内のエネルギー権益を握っている。

 労働市場の改革で功績を上げたドイツのゲアハルト・シュレーダー前首相は、2006年にロシアの国営天然ガス会社「ガスプロム」の子会社の役員に就任。ガスプロムのパイプライン事業に自ら関わり、文字通り独・ロシア間のビジネスのパイプ役を果たしている。EU経済界とロシアは、既にお互いを必要とする、切っても切れない依存関係にあるのだ。

 EUの経団連であるビジネス・ヨーロッパの立場は微妙だ。対ロシア制裁は基本的に支持しない。けれども「EU理事会が政治決断で制裁を決めた場合は、その決定を受け入れる」という。産業界の損得勘定によってEUの政治的な結束を損ねてはならないという、ギリギリの判断だったのだろう。支持はしないけれど、反対もしない。玉虫色ともいえる、なんとも苦しい公式見解である。

 煮え切らない印象のEUの対ロ制裁だが、その舞台裏にはこんな現実の経済の姿がある。
 さらに北大西洋条約機構(NATO)の要である米国の姿勢も、決して強気とはいえない。クリミア問題に関してオバマ大統領は、早々に「武力介入しない」と公言してしまった。4月にハーグで開いた核安全保障サミットで「NATOの同盟国を守るためには軍事力の行使も辞さないが、ウクライナのクリミアはその適用対象ではない」と発言した。
 たとえ実際に軍事介入をする意思がないとしても、米国の大統領がそれをわざわざ対外的に口にする必要はないだろう。外交の経験不足なのか、米国内の評判ばかりを意識する癖なのか。いずれにしても、プーチン大統領は「オバマ政権、恐れるに足らず」と、ニヤリと笑ったに違いない。

http://www.nikkei.com/article/DGXZZO72016320Q4A530C1000000/

 

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コメント
 
01. 2014年6月02日 10:28:43 : nJF6kGWndY

これまでのように米国に頼れなくなれば、当然、同盟国自身が、戦略変更(自主防衛、中露の属国化・・)を検討せざるえなくなるだろうな


http://jbpress.ismedia.jp/articles/print/40837
JBpress>海外>Financial Times [Financial Times]
防衛を巡り同盟国が米国を非難するリスク
2014年06月02日(Mon) Financial Times
(2014年5月30日付 英フィナンシャル・タイムズ紙)

アフガン駐留米軍、16年末までに完全撤退 オバマ大統領が発表
5月末に米国の防衛、外交について相次ぎ演説を行ったバラク・オバマ大統領〔AFPBB News〕

 バラク・オバマ米大統領が5月28日に行った外交政策に関する演説について奇妙なことは、大統領が言ったことではなく、言わなかったことにある。

 オバマ氏は、同氏のことを無気力で無力だと見なす批判の高まりに反論した。オバマ氏は同氏の特徴的なテーマになりつつある外交姿勢の中で、新たな危機が生じるたびに駆けつけるよりも「高い代償を伴う過ち」を避ける方がいいと述べた。

 だが、非軍事的な形の影響力に力点を置いた演説の中で、オバマ氏は自身が欧州とアジアで交渉している2つの大きな貿易協定には触れなった。一度に小さくかじりついて新たな領土を素早く手に入れている中国やロシアといった大国にどのように対処するかについてもほとんど言及しなかった。

 大統領は米国の影響力の先行きに関するもう1つの厄介な問題も回避した。米国の同盟国は手助けする意欲を持っているのか、という問題だ。

 オバマ氏に対する主な批判は、同氏の本能的な用心深さが抑止力を弱めており、同盟国を無防備な状態に置いているというものだ。英エコノミスト誌の最近の表紙に書かれたように、「米国は何のために戦うのか?」ということだ。

 だが、オバマ氏は同盟国に妥当な問いを投げかけられるかもしれない。それほど心配なら、そのことについてなぜもっと手を打たないのか、と。

米国の助けに依存し、国防費を削る同盟国

 オバマ氏のリーダーシップを密かに中傷してきた政府の多くは、自分たちがトラブルに巻き込まれた時は米国が救援に駆け付けてくれるという想定の下で、自国の防衛にごくわずかしか支出してこなかった。

 これは言うまでもなく、米国と北大西洋条約機構(NATO)の関係における長年続く恨みの種だ。冷戦時代でさえ、米国政府は欧州諸国のタダ乗りについてよく不満をこぼしていた。ロバート・ゲーツ氏は2011年に国防長官を退任する直前、欧州に厳しい警告を発した。欧州の防衛費が回復しなければ、将来の米国の指導者は「NATOに対する米国の投資のリターンが費用に見合わないと考えるかもしれない」と述べたのだ。

 ゲーツ氏の言葉はほとんど影響を及ぼさなかった。米国を除けば、NATO加盟国にとって最低限であるはずの国内総生産(GDP)比2%の防衛費を支出しているのは、英国、エストニア、ギリシャだけだ。

 ユーロ危機で、多くの政府が軍事予算の大幅削減に追い込まれた(スペインとハンガリーは昨年11.9%削減した)。現在ロシアの侵略を心配しているバルト諸国の1つ、ラトビアはGDPのわずか0.9%しか防衛費に充てていない。リトアニアは0.8%だ。

 いささか驚いたことに、アジアにも同じことが当てはまり、中国の侵略行為について定期的に不満を表す国でさえ防衛費にお金をかけていない。

 フィリピンのベニグノ・アキノ大統領は今年、中国をヒトラーになぞらえ、つい先日本紙(英フィナンシャル・タイムズ)に対して、中国政府は「瀬戸際政策という危険なゲーム」を展開していると語った。だが、フィリピン政府はGDPのわずか1.2%しか防衛費に支出してていない。

 これは、防衛費にGDPの1%しか支出していない日本より多い。ただし日本政府は、自衛隊が西太平洋で米国と一緒に作戦行動を取るのを容易にする困難な政治改革をやり遂げようとしている。

「カモにされる米国」

 ハーバード大学のスティーブン・ウォルト教授の言葉を借りれば、米国は「アンクル・サッカー*1」になる恐れがある。「本当の問題は、米国がまだアジアにコミットしているかどうかではなく、アジアにおける米国の同盟国がどれくらい手助けする意欲を持っているかだ」と教授は語っている。

 よくあることだが、中東は例外だ。サウジアラビアは防衛費にGDPの10%近くを費やしており、経済規模に対する比率では、世界の他のどの国より多く防衛費を支出している。だが、中東地域でリーダーシップを発揮する米国の能力は、ペルシャ湾岸の一部同盟国がほとんど互いに口を聞こうとしないという事実によって制約されている。

 無力であるというオバマ氏に対する見方は、純粋な国内政争の結果ではない。それは、より不安定な世界において、そして連鎖的に起きる危機の中で同盟国の側に見られる大きな不安も反映している。

 しかし、オバマ批判をせっせと煽り立てることで、一部の同盟国は危険なゲームを繰り広げている。米国は、左派、右派双方の重要な部分が、世界における米国の役割に関する核心的な前提に疑問を投げかける可能性が高い新たな政治サイクルに入りつつある。今は、米国政府が欺かれているという印象を助長すべき時ではない。

*1=Uncle Sucker、米国政府を指すUncle Samとカモを指すsuckerをかけた言葉

By Geoff Dyer in Washington


02. 2014年6月02日 11:38:02 : cUchBPexSM
軍事介入させたい勢力が仕掛けた陰謀であるから、早々に付き合う気はないと言い切ることはよいことだ。うやむやにしていると催促事件を仕掛けたり誤解で暴走したり手を付けられなくなる。

03. 2014年6月06日 04:20:13 : i37fD8kRRc
地位協定の不公正性と、他国の首都に他国軍を置かれる屈辱を、このようなつまらぬ理屈で正当化されてはたまったものではない。

いっそのこと、ワシントンDCとNYに日本軍を駐屯させて、テロとの戦いに加勢してやると言ってやりたいものである。

いやはや、糞のような投稿である!!


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