http://www.asyura2.com/14/kokusai8/msg/722.html
Tweet |
ロシアのプーチン大統領(左)と中国の習近平国家主(共同)
【大前研一のニュース時評】ウクライナ問題は知らん顔が一番
http://www.zakzak.co.jp/society/foreign/news/20140601/frn1406010830001-n1.htm
2014.06.01 夕刊フジ
中国の習近平国家主席とロシアのプーチン大統領は20日、上海で共同声明を発表し、内政干渉や一方的制裁に強く反対することを表明した。両首脳は、中露海軍が20−26日に東シナ海で実施した合同軍事演習の開始式典にもそろって参加し、軍事面での相互協力もアピールしている。
南シナ海での領有権問題で米国から批判される中国と、ウクライナ問題で欧米と激しく対立するロシアが、米国、欧州の牽制(けんせい)で足並みをそろえたことになる。
今回、この2つの国が仲良くなったのは、米国のオバマ大統領が強硬姿勢をとって、「寂しい者連合」に追い込んでしまったからだ。米ソ冷戦時代の苦い経験をオバマ氏はわかっていないようだ。
ロシアは天然ガスを欧州各国に輸出しているが、その価格はロシアの仲間かどうかで決まってくる。西欧諸国が最も高く、かつてはウクライナとベラルーシは低価格だった。それが、ウクライナが親欧米路線を進めるにしたがい、価格は上昇し、現在では西欧並みになった。独裁者ルカシェンコ大統領がロシアの言うことを聞くベラルーシのほぼ2倍だ。
ロシアの戦略はわかりやすい。だから、ウクライナや西欧諸国はこの先に値上げがあるのではないかと戦々恐々としている。
そんななか、ロシアの国営ガス会社ガスプロムは21日、中国石油天然気集団と天然ガス供給契約を結んだ。中国の年間ガス消費量の約20%に当たる量をパイプラインで輸出する。期間は30年、総額約40兆円だ。
1年で1兆3000億円ぐらいだから、あまり大きい契約ではない。ただ、40年という長期契約は、“アイラブユー、フォーエバー”という感じもしないではない。当初、価格の問題で中露両国はもめていたようだが、今回は“寂しがり屋”同士の巨頭会談もあって、価格も合意できたわけだ。ロシアとフレンドになったら低価格で、フレンドでなくなったら高価格。今後、中国と同じ値段で日本に売ってくれるかどうかがキーポイントになる。
その意味でも、日本は今回、ウクライナ問題でバカなことをやったと思う。谷内正太郎国家安全保障局長が訪露して、大統領の側近のパトルシェフ安全保障会議書記に、わざわざ日本の立場を説明しに行ったと聞いて、開いた口がふさがらないくらい驚いた。プーチン氏もこれを聞いて怒ったようだ。
ウクライナ問題は知らん顔をしているのが一番。これが私の考えだ。余計なことをしたおかげで、将来の天然ガスの値段が高くなるというデメリットに加え、北方領土の解決にも暗い影を落とした。岸田文雄外相が谷内氏をロシアに派遣したのは、決定的に外交センスが悪いと思う。
■ビジネス・ブレークスルー(スカパー!557チャンネル)の番組「大前研一ライブ」から抜粋。
スパムメールの中から見つけ出すためにメールのタイトルには必ず「阿修羅さんへ」と記述してください。
すべてのページの引用、転載、リンクを許可します。確認メールは不要です。引用元リンクを表示してください。