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大統領選遊説のためウクライナ西部リビウを訪れ、支持者と握手するポロシェンコ氏(右)=22日(AFP=時事)
大統領選後も東西対立=広がる亀裂−ポロシェンコ氏に難題・ウクライナ〔深層探訪〕
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20140531-00000028-jij-int
時事通信 5月31日(土)8時33分配信
国家分断の危機にあるウクライナの大統領選挙で、親欧州連合(EU)穏健派のポロシェンコ氏が幅広い支持を集め当選を決めた。だが親ロシア派が支配を強める東部と親EU派が多い西部の間の溝は埋まるどころか、戦闘激化で一段と深まっている。対話を求める国際社会の声とは裏腹に、双方は「西部はファシスト」「東部はテロリスト」と非難し合い、憎悪の連鎖は断ち切れそうにない。
◇憲法改革カギに
「決選投票を待たずに当選したことは、国民の信頼感の反映だ」。ポロシェンコ氏の支持基盤となった西部の主要都市リビウ。アンドリー・サドビー市長(45)は、事態収拾へ新リーダーの手腕に期待感を示した。
第2次世界大戦中から戦後にかけてウクライナ民族解放運動を率いたステパン・バンデラの活動拠点だったリビウには、国土統一を支持する保守的な住民が多い。ロシアによる南部クリミア半島編入や東部での親ロシア派蜂起を受け、中央集権の弊害をなくす憲法改革を支持している。
東部の親ロシア派勢力「ドネツク人民共和国」が独立を宣言する一方で、暫定政権は憲法改革を視野に各地で円卓会議を開催。地方がため込む不満の「ガス抜き」も狙う。だが、西部を基盤とする暫定政権は、親ロシア派を参加させず、対話の糸口は見つかっていない。
◇期待しぼむ東部
東部ドネツクの親ロシア派住民は政権への不信感を強めている。「話し合いができる現実論者」と受け止められたポロシェンコ氏は、大統領選勝利後、「(6月の)就任後最初にドネツクを訪れる」と表明。親ロシア派にも期待が膨らんだ。
ところが、ドネツク国際空港を舞台とした武装勢力と軍との大規模な戦闘が発生し、対テロ作戦を強化すると明言。ドネツクのタチアナ・マルマゾワ市議(50)は「ポロシェンコ氏は信頼できない。中央政権はドネツクを必要としているが、ドネツクは中央政権を必要としない」と憤った。
◇子供にも影響
東部で武装勢力と軍の戦闘が激しさを増す中、西部では「数カ月でこの悪夢は忘れられる」(リビウのサドビー市長)と楽観論も浮上している。しかしドネツクの教師は「戦闘が始まって以降、『ファシスト』のバンデラに扮(ふん)した西部出身者役を追い立てる鬼ごっこが子供たちの間ではやり出した」と民族対立の深刻さを嘆く。
大統領選では東西を問わず、デモに参加しない「静かな多数派」が領土保全と戦闘終結への願いを込めて一票を投じた。だが、クリミア編入を機に広がり始めた親ロシア派と親EU派の亀裂は、ドネツクの「内戦化」で修復困難なほど拡大。新リーダーのポロシェンコ氏に難題となって突き付けられている。(リビウ、ドネツク時事)
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