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ユーロ各国で移民問題が大きな軋轢を産み出して爆発寸前に
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2014年5月26日 Darkness - ダークネス
2014年5月25日、欧州議会選挙が行われたのだが、ここで激震が起きている。
フランスでもイギリスでも、EU反対、移民反対の政党が大きく票を取って、今までのEUの「多文化主義」が否定されようとしているのである。
フランスでは数年前からマリーヌ・ルペン党首が率いる国民戦線(FN)の躍進が止まらない。
グローバル・メディアの多くはこの国民戦線を「極右政党」とレッテルを張って、激しく批判し続けている。
しかし、フランス国民からしてみれば、移民を大量に受け入れて治安悪化を招いている現在の政党の方がおかしいという認識になっている。
イギリスでも、「EUから脱退してしまえ」と叫ぶ英国独立党(UKIP)が首位に躍り出る勢いであり、イタリアでもドイツでもギリシャでも、同じ主張をする政党が大躍進しているのである。
今後の世界を震撼させる重大な動きが出てきていることに気付かなければならない。
■移民政策・グローバル主義・多文化主義の失敗
何が起きているのかは明白だ。移民政策・グローバル主義・多文化主義は、ユーロ圏において、大失敗に終わろうとしているのである。民族の融合はできなかった。国民が明確にそれを否定している。
世界の支配者層は、数十年に渡ってグローバル・メディアによって多文化主義を説いていた。
アメリカのような人種の坩堝が手本にされて、まずはユーロ圏もそうなるように実験的に「ユーロ」がスタートした。
1999年からは通貨も統合され、2001年から実際にユーロという貨幣が発行されるようになっていった。
ユーロ圏=ヨーロッパ合衆国の構想は、もともと国民の間からは激しい反発があった。こういった統合は、地域社会や文化を破壊するものだと認識されていたのだ。
しかし、経済統合によってアメリカと並ぶ市場が生まれて、ヨーロッパは再度、停滞から脱して世界の中心になるという「夢」ばかりが語られて、それは強行された。
その流れに沿ってユーロ各国は長らく移民を受け入れ続けたが、20年経った今、ユーロ各国は「もう、うんざりだ」と激しく声を上げるようになっているのである。
肝心な経済統合も、2010年のギリシャ・ショックを見ても分かる通りうまくいっていない。
経済規模も情勢も違う各国が単一通貨を持つことによって、逆にその国に密着したきめ細かい経済対策が不可能になってしまったのだ。
その結果、ギリシャのように破綻寸前に追い込まれる国家も生まれてきて、それがユーロ全体を激震させるという統合の負の面も目立つようになってきた。
■イスラム教徒とキリスト教徒の激しい軋轢
異なる文化、異なる宗教、異なる民族。世界はすべて、この3つの差異で分断されている。
しかし、グローバル化が進むにつれて人々は密接に共存しなければやっていけない時代になって、いつしかグローバル主義の人々は「多文化主義」という言葉を生み出した。
ひとつの国の中に「多文化」があっても、うまく共存共栄していけるはずだ、というのが多文化主義である。
ところが、この美しい理念とは裏腹に、すでに数年も前からヨーロッパに浸透していくイスラム教と、元からいるヨーロッパ人のキリスト教が深い軋轢を引き起こしていた。
失業問題はイスラム系移民の増加のせいだと分析され、治安の悪化も移民が増えたからだと言われた。
働かない移民が福祉を食いつぶしていると言われ、ドラッグも移民が持ち込んで蔓延させていると言われている。
こういった状況の中で、ドイツのアンゲラ・メルケル首相は、「多文化主義は完全に失敗した」と発言して、グローバル・メディアから猛烈な批判を受けた。
似たようなことはイギリスのキャメロン首相も2011年2月6日に発言している。
「イギリスでの多文化主義は失敗した」
メルケル首相と、キャメロン首相が問題としていたのは、自国にはびこる過激なイスラム教徒たちの存在だった。
異文化と言えば、イスラムほど異文化を感じさせる宗教はない。あまりにも異文化すぎて、欧米先進国では最初から拒絶反応を起こす人が多い。
躍進するフランスの国民戦線(FN)。時代が変わりつつある。
■異国でイスラムの文化を守り続ける移民たち
グローバル主義の流れに乗り、イスラム教徒は「移民」としてヨーロッパになだれ込んでいった。
ところが大多数のイスラム教徒は、まったくキリスト教徒の作り上げた「自由・平等・博愛」に感銘を受けていない。また、性の自由化や女性の解放など、イスラム教徒にとって、単なる堕落でしかない。
だから基本的にキリスト教の価値観で固まっているユーロ圏の中で、彼らは同じイスラム教徒たちと固まって、異国でイスラムの文化を守り続けることになった。
イスラム教徒は、ヨーロッパのそれぞれの国の中で異質なイスラム地区を作り出した。彼らはメッカに集い、イスラムの精神的指導者の声に耳を傾ける。共存共栄には関心を持たない。
それが受け入れ側の国の苛立ちとなって現れ、イスラム排斥や、ブルカ禁止や、移民規制となって噴出していく。女性の身体をすっぽりと覆うブルカを嫌うフランス人は多いが、イスラム教徒は決してこの習慣をやめることはない。
これを見て、イギリス人は「フランスの自由・平等・博愛の中には、イスラム教徒がブルカをかぶる自由や、彼らの文化を守る平等や、彼らと仲良くする博愛はなかったのか」と皮肉を言う。
しかし、かく言うイギリスもまた、莫大な異国人にロンドンを占拠されてしまっている。
多くのインド人やアフリカ人がイギリスを目指して、そこに住み着いて生活しているが、イギリスはかつて彼らの宗主国(マスター・カントリー)だった。
最初は、イギリス人たちが彼らの国を占拠して住み着いたのだから、今はその意趣返しをされているようなものである。複雑なものがイギリス人の胸に去来しているだろう。
■大きな衝突や、爆発的な対立となっていく
宗主国のほとんどは、植民地の人たちを何らかの形で国内に取り込んでいる。彼らは祖国から家族や親族を呼び寄せ、爆発的に増えて行く。
そして、地域を、街を、国を、乗っ取って行く。
ベルギーでも「ブルカを捨てろ」と言った議員が暗殺対象になるほどの文化的衝突を起こしている。
オランダでもブルカ禁止や移民受け入れの半減が政策として合意されている。オランダもまた国内のイスラム化が深刻な問題になっているのだ。
ヨーロッパ各国の国民は、移民問題が非常な軋轢を産み出して後戻りできなくなっていることに気がついた。とにかくこのまま放置しておけば、ヨーロッパのキリスト教徒たちが数に負けて追い出されかねない。
この対立は、現在は極右政党の躍進という形で表出しているが、やがて大きな衝突や、爆発的な対立となってヨーロッパを震撼させることになる確率は高い。
一歩下がって今の動きを俯瞰すると、リーマンショックやグローバル経済の破綻で弱体した欧米が、敵対したイスラムに、静かに足元から侵食されているようにも見える。
いろんなものが絡みあって、「究極の対立」へと突き進んでいる。多文化主義を巡る事件はさらに起きてくるだろう。
異なる文化、異なる宗教、異なる民族。
こういったものはひとつの国の中で、融合して互いに共存共栄できるという幻想があったが、今ゆっくりとその幻想が崩れてきていることに気がついているだろうか?
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