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ロシア首相:新たな冷戦に向かいつつある−制裁はもろ刃の剣(Bloomberg)
http://www.asyura2.com/14/kokusai8/msg/656.html
投稿者 赤かぶ 日時 2014 年 5 月 21 日 10:07:10: igsppGRN/E9PQ
 

ロシア首相:新たな冷戦に向かいつつある−制裁はもろ刃の剣
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20140520-00000041-bloom_st-bus_all&pos=1
Bloomberg 5月20日(火)16時1分配信


  5月20日(ブルームバーグ):ロシアのメドベージェフ首相は、米国とその同盟国が経済戦争を仕掛けてロシアを新たな冷戦に引きずり込もうとしているとの認識を示した。

同首相は19日、モスクワ郊外でブルームバーグテレビジョンとのインタビューに応じ、米国と欧州連合(EU)が制裁措置を拡大する可能性に備え、ロシアは多くの報復措置を用意していると述べた。詳細への言及を避けたが、制裁措置はもろ刃の剣だと指摘した。

メドベージェフ首相(48)は「われわれはゆっくりだが確実に第2の冷戦に向かっている。それを誰も必要としていない」と言明。制裁について「われわれは特にコメントすることも厳しく対応することもしない」としながらも、「こうした制裁の導入を進める国に対し不愉快もしくは攻撃的な何かを仕掛けることはできる」と語った。オバマ米大統領は「政治的な手腕」に欠けていると批判した。

原題:Second Cold War May Emerge From Crisis in Ukraine,Medvedev Says(抜粋)

記事に関する記者への問い合わせ先:モスクワ Ryan Chilcote ;モスクワ Henry Meyer ;モスクワ Olga Tanas ,rchilcote@bloomberg.net,hmeyer4@bloomberg.net,otanas@bloomberg.net

記事についてのエディターへの問い合わせ先:Balazs Penz Clark ,bpenz@bloomberg.netTorrey


 

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コメント
 
01. 2014年5月21日 11:10:13 : nJF6kGWndY
>オバマ米大統領は「政治的な手腕」に欠けている

個人の能力というより、彼は平時の大統領だったということだな

ネジレ議会になり、オバマがほぼ無力化され、

末端の官僚や郡組織が、次を考えてそれぞれ自分の利害に基づき勝手に動き始めているのは、ほぼ間違いなさそうだ

昔の自民党政権などでも、良く見られたことだw


02. 2014年5月21日 13:28:02 : nJF6kGWndY

反ロシアはEU支持の既成政党にとって、不満をそらし結束と存続のための有用なプロパガンダでもあるか

韓国の反日に近い

http://jbpress.ismedia.jp/articles/print/40718 JBpress>海外>欧州 [欧州]
EU解体を促す欧州議会選挙 経済共同体から軍事同盟への変質の兆し〜北欧・福祉社会の光と影(46)
2014年05月21日(Wed) みゆき ポアチャ
 欧州議会選挙の投票日まであと1週間を切った。なのだが、スウェーデンでは全体的に、どの政党もこの選挙キャンペーンにはあまり真剣に取り組んでいないような印象がある。4月24日に報じられた世論調査の結果では、「欧州選挙に関する十分な情報を得ている」と答えた人はわずか13%だった*1。
 投票率も前回は45.5%、前々回は37.8%とまったくふるわなかった*2。どの党もマスコミも、選挙と言えばこの欧州議会選挙ではなく秋の国内総選挙だ。
投票を呼びかけるショッピングモールの垂れ幕
 という状況だったのだが、5月に入ってからやっと、にわかに選挙運動が勢いづき、ポスターなどが目につくようになった。
 一言で欧州議会選挙と言っても、日本の読者の皆さんにはぴんとこないかもしれないので簡単に説明したい。
 欧州議会は欧州連合(EU)の議会組織で、EU理事会および欧州委員会とともにEUの立法機能を担う。議員は5年に1度の直接選挙で選ばれ、議員数は各国の人口にほぼ比例して割り当てられている(ちなみに議員定数は現在751で、スウェーデンの議席数は20)。
 今回の選挙は5月22〜25日に加盟各国で実施される。スウェーデンは25日だ。有権者数はEU加盟28カ国全体で約4億人に上るので、民主的な選挙の規模としては、先日終わったインドの総選挙に次ぐ世界第2位の大きさだ。
 ただし、生活に密接に関係する国政選挙ではないこともあり、特に過去数回の欧州議会選挙はどの国でもおしなべて投票率が低かった。それでも欧州危機後最初となる今回の選挙は各国で極右政党やポピュリスト政党の躍進が予想されることなどから、普段とは異なる意味合いを持っている。
スウェーデンで目を引くフェミニスト党の伸張
 このたびの選挙においては、スウェーデンでも極右党の急進が非常に憂慮されているが、その前に筆者が特筆したい顕著な話題は「フェミニスト党の急激な伸張」である。
 同党は2006年に設立された新興政党だが、現在は支持率4.3%を獲得し、すでに欧州議会の座席チケットを手にしたと言える*3。支持層の成長率だけで比較すれば、1月には1%だったのが、2月に2%弱、4月に3%、5月12日には4.3%と、極右・スウェーデン民主党をはるかに凌ぐスピードだ。
 フェミニスト党の支持率自体も、現連立政権の一角を担う既成政党、キリスト教民主党や中央党と並ぶ勢いだ。ちなみに2010年の総選挙時の同党支持率は、わずか0.4%だった。

*1=http://www.thelocal.se/20140424/most-swedes-cite-lack-of-info-ahead-of-eu-poll
*2=http://www.gp.se/nyheter/val2014/euvalet/1.2355005-arbetsvillkor-stridsfraga-i-eu-val
*3=http://www.expressen.se/nyheter/val2014/fi-i-europaparlamentet-enligt-en-ny-matning/,http://www.svt.se/nyheter/val2014/kraftig-okning-for-m-och-s
 9月の総選挙で刷新される新政権に、フェミニズム党が参画すべきだと考えているスウェーデン人も半数だ。あれよあれよという間に、これまで諸雑派以上には認識されていなかったこの新興政党が、数カ月後には政権に関与することになるかもしれないのだ。
 フェミニスト党は正式には「フェミニスト・イニシアティブ(FI)」と言う。前左翼党党首のグドルン・シーマン氏がフェミニスト党を設立、党首になり、曲折はあったものの現在勢いを増している。シーマン氏は、そのカリスマ性で国民間に広く人気を博している政治家だ。2010年に、男女間の不平等な賃金格差に抗議して、札束10万クローナ(約160万円)に火を付けたこともある*4。
フェミニスト党を担う青年たちの胸の内
 女性が虐げられているようには全然見えないスウェーデンという国で、「女性の地位向上!」は喫緊の課題ではないだろう。フェミニズム関連の議論に参加したことが数回あるが、参加者は9割方女性で、多くはフェミニストの論客だ。
 議論の場で起こることを簡単に書くと、まず最初に「女性の平均賃金が男と比べて依然として何パーセント低い」という数字や統計が年度別、職種別などで延々と紹介され、「まだ男女の完全な平等にはほど遠い」という審判が下される。「先進国の中で、日本の女性の地位が極端に低い」と槍玉に挙げられることも多々ある。
 その後ありがちなのは、「女と比べて男はどれだけダメか」という議論に終始することだ。ここでは詳細に触れないが、少しだけ例を上げると、例えば「女と比べて男は、『汚い』と感じる感覚のレベルが違う。部屋が汚くても、全然汚いと感じてない」とか、「殺戮ゲームに嬉々として興じている。何であんなものが面白いのか。全く幼稚だ」とか、我々女性はこんな男たちに耐えているのだという、端的に言って「オトコの悪口大会」になることも多い。
 つまり、スウェーデンに住む女性はほぼ平和裡に男性と共存していると言えるのだが、なぜこの国で「フェミニズム」を標榜する党に支持が集まるのか。
フェミニスト党の運動員 小雨が降ったため青いビニールカッパを着ている
 さらに、筆者自身が目を見張ったのは、急進するフェミニスト党を担うのは、いわゆる「元気な女性たち」だけではないことだ。
 20代の青年たちが、積極的に街頭で「フェミニズム党をEU議会に!」というビラを撒き、足を止める人にはチラシを見せて話しかけ、さらに議論が発展しそうな場合には、傍にしつらえた特設小屋に誘導しているのだ。
 私が見かけたのは、第2都市ヨーテボリのグスタフ・アドルフ広場付近で選挙キャンペーンを展開するフェミニズム党運動員らだ。青年にビラを渡され、案内されるまま中に入っていくと、ピンク色で統一された内部には熟女が何人も待機しており、その女性たちに囲まれて、揉みに揉まれる・・・と言うか、待ち構えているバリバリの理論家である中年のオバちゃんたちに、同党への支持を説得される、という戦略になっていた。
 と言っても、少年たちの役割は単なる「客引き」ではない。
 「何でフェミニスト党を支持してるの?」
 「欧州で今、レイシズム、ナチズム、ファシズムがEUの議会に入り込み、連合しようとしている。これをストップさせるためだ」
 「どうやって?」
  「我々は議会に代表を送り、平等と人権の尊重、反レイシズムを推進していく。我々の目標は『開かれた1つのヨーロッパ』であり、全市民の福祉と安全保障だ」
 その他に、あらゆる差別からの自由、誰でも自由に移動し、勉強し、仕事をする権利の保障、云々・・・と一生懸命説明してくれた。「女性の権利」に関しては、特に言及しなかったので、彼ら自身がフェミニストであるかどうかはあまり重要ではないのかもしれない。
*4=http://www.gp.se/nyheter/sverige/inrikespolitik/1.404192-gudrun-schymans-brasa-far-kritik
 筆者がこの数週間の選挙キャンペーンで受けた印象では、既成政党もEUという機関も、何ら有効な政策を打ち出せず無力さをさらしていく中で、フェミニズム党など新興政党の急進の背景にあるのは、「期待できる既成政党はない」「支持できる政党はない」ことの表れであり、有権者にとっては最後に残った選択肢ということなのだろう。
 つまりフェミニスト党選択の背景にあるのは、「選択肢がない」ことによる「究極の選択」であり、さらに言えば「最後の頼みの綱」とか「溺れる者がすがるワラ」、政権を任せるには心もとないが、しかし「極右党よりはマシ」ということだ。
極右政党の台頭と反極右デモ
 ところで、私がこうしていたこの全く同じ時間、正確には5月14日の午後、この場から数百メートル離れたヨータプラッツェンでは極右・スウェーデン民主党が街頭演説を計画していたのだが、大規模な反対デモが起きて同党は結局演説を断念せざるを得ない事態になった。こちらとは全く対照的に、警察が出動して1000人以上のデモ隊を規制する、騒然とした雰囲気だったようだ*5。
 私自身は、実はこの右翼集会を見に行って「現代のナチス」らの写真でも撮ってこようという計画だったのだが、フェミニズムの若者たちと楽しく立ち話をしている間に、「市民vs極右」の騒ぎはすっかり収束していた。
 現場に残っていた人に話を聞いてみると、市民デモ隊は「我々の街からナチスは出ていけ」と声を上げ、とても演説できる雰囲気ではなかったという。党首のジミー・オーケソン氏らは、すごすごとどこかに引き揚げていったということだ。
 スウェーデン民主党は、5月19日現在の支持率は7.6%と、こちらも欧州議会の議席をほぼ確定した*6。
 同党への支持は、これまでは農村部の若い男性の間で強かったが、3月の調査では女性の5%、都市住民の7%と年金受給者の13%が、スウェーデン民主党を支持すると回答した。余談に近いが、筆者の目を引いたトピックは、警察関係者の同党への支持が大きいことだ。5月3日付のエクスプレッセン紙の報道では、警察関係者の18%がスウェーデン民主党に投票するとしている。この割合は、全国平均の2倍以上だ*7。
 極右政党伸張の背景にあるのは、単なる外国人排斥、差別排外主義だけではない。EU機構に対する不信任が増大し、「スウェーデンはEUから脱退しよう」と訴えていることも、同党への支持が増大していることの比較的大きな要因となっている。
EUへの信頼は「ほとんどない」か「非常に低い」
 冒頭に書いたように、スウェーデンは現在、欧州議会に20議席を持っている。4月24日の報道によると、EUに対する信頼度調査の結果は、回答者の60%がEUへの信頼度はほとんどない、あるいは非常に低いとしている*8。昨年のSOM研究所の調査では、「スウェーデンはEUに留まるべきか」との問いにEUメンバーのままであるべしとしたのは42%と、半数以下だ*9。
 1994年時に行われた、加盟の是非を問う国民投票では賛成52.3%%、反対46.8%と、ほぼ拮抗していた*10。賛成派が上回ったため結局加盟に至ったのだが、その後の約20年間、賛成派はほとんど増加していないということのようだ。
*5=http://www.gp.se/nyheter/goteborg/1.2368935-akesson-tvingades-stalla-in
*6=http://www.dn.se/valet-2014/stora-partierna-i-medvind-men-dystra-siffror-for-de-sma/
*7=http://www.expressen.se/nyheter/polisernas-stod-for-sverigedemokraterna/
*8=http://www.thelocal.se/20140424/most-swedes-cite-lack-of-info-ahead-of-eu-poll
*9=http://www.thelocal.se/20140320/why-its-time-to-care-about-the-euro-elections
*10=http://www.eu-upplysningen.se/faq/Fragor-och-svar/Sverige-och-EU/Hur-manga-i-Sverige-rostade-ja-till-EU/
 私がスウェーデンに来た1996年には、すでに「加盟すべきではなかった」「加盟しないほうがましだった」という論調が大勢だったように思う。EUにもユーロにも非加盟の隣国ノルウェーの経済は、当時から絶好調だった。今、街頭で見かけられる「Nej till EU!(EUにNO!)」のポスターは、19年前に使われたものと全く同じデザインだ。
 EUへの低い関心を何とか持ち上げようと、各党の政治家は躍起になっている。極右・スウェーデン民主党と左翼党以外は、おしなべて「EU賛成派」だ。環境党は数年前までは反対していたのが、いつの間にか賛成派に転向したようだ。
 フレドリック・ラインフェルト首相は、ルレオ工科大学の学生へ向けてのスピーチで、「攻撃的な民族主義」政党が、来る選挙で欧州議会に侵入しようとしていると語り、「ナショナリズムというヨーロッパの病気を治すために投票所に向かおう」「不完全なEUはナショナリズムよりもまだましだ」と呼びかけた。
 カール・ビルト外相の主張はこうだ。「EUの拡大、特に東欧圏への伸長は、歴史的な大成功だ。新規EU加盟国からの労働移民は受け入れ国に利をもたらしている」
投票を呼びかける中央党党首アニー・レーフ氏のポスター 後ろは路面電車
 ビルギッタ・オルソン欧州問題担当大臣は、「まともな人々」は人権、尊厳、そして民主主義を守るために投票所に足を運ぶべきであり、「アクティブな市民であるために、それが今重要だ」と述べた。
 つまり、EUを「開かれた、個々の自由と権利を擁護する」機関として、偏狭で差別的な極右に対置させて投票するよう呼びかけている。またフランス、英国、デンマーク、オランダで極右が支持を拡大しており、それらを打ち負かすための最善の方法は投票することだと言った。
 つまり投票に行かない人は、人権も尊厳も尊重せず、民主主義を守らない人種差別的野蛮人で、極右の伸張に加担する人間だという、ほとんど悲鳴に近い脅迫だ。
変質する欧州議会選挙の意味
 とはいえ棄権率の高さは、無力なEUに対するEU市民のいら立ちであり、投票を拒否することで同機構に対する「不支持」を表明し、「こんなものいらない」「この機構に存在価値はない」ことを突きつける有権者の意思表示だ。
 今回の欧州議会選挙キャンペーンを通して筆者が受けた印象は、選挙自体が「EU議会に我が国からどの代表を送り込んで、EU全体の行き先を決定していくか」を問う場ではなくなってしまったということだ。選挙キャンペーンも含め、欧州議会自体も、「EU賛成派とEU反対派の対決」、あるいは「極右反対派vs極右支持派」の凌ぎ合いの場になってしまった。
 つまり、EUに対する不信任や脱退を支持する層が国内の大半を占めるような状況で、「欧州議会に我々の代表を送ろう」という訴え自体が空虚となり、さらにEUの存続そのものが問われるような事態になったということだろう。
 そして、「EUから脱退しよう!」と訴える政党が支持を集め欧州議会へ代表を送るという、一種のパラドックス的現象が起きている。EUの内部に入り込み、その政策に影響を与え、さらには同機構を内部から解体していこうということなのだ。
 5月10日の報道では、極右と右翼ポピュリスト政党は現在EU議会に51議席を有しているが、この選挙で85議席に増加すると予想されている*11。
 つまり、今回の欧州議会選挙が、棄権率の高さとEU反対派の得票の高さによっては、現EU機構の維持ではなく、むしろ瓦解の引き金になる可能性が大いにあるということだ。
EUの現在――経済共同体から軍事同盟へ
 欧州における「世直し」が喫緊に必要とされていることは誰もが認識している。EU内には現在、公式発表でも2700万人に達する失業者がいるのだが、EUはこの問題を何ら解決できず、今や東欧でだけではない、欧州全体に蔓延する絶望的な貧困をますます悪化させているだけだ。
 EU機構自体は、ウクライナ危機に乗じロシアに対して軍事的に結束していくことで生き残りを図ろうとしているようだ。先述したオルソン欧州問題担当大臣は、「軍事的な脅威を強めるロシアに対して欧州は団結する必要がある」と述べ、対ロシアで有権者を一致させ投票を促そうとしている。
 スウェーデンの軍備に関して言えば、国防省は4月24日に今後10年間で国防費を10%以上増額すると発表した。これにより主に空軍を強化し、戦略的重要性が高まっているバルト地域に焦点を当てるとしている。
 スウェーデンは、ドイツ、ポーランド、ラトビア、リトアニア、エストニア、デンマーク、フィンランドとともに、バルト海全域を封鎖する計画のようだ。カーリン・エングストルム国防相がスウェーデンラジオに話したところによると、スウェーデン製のサーブ・グリーペン戦闘機に巡航ミサイルを搭載し配備するという*12。
 筆者が見たところ、欧州の中でもドイツがかなり明確に「軍事によるEUの団結」という姿勢を打ち出しているようだ。ざっと概観しても、例えばシュピーゲル紙は「ヨーロッパの絶好の機会」というタイトルで「クリミア危機は、多くの点で悲劇ではあるが、それはまた、『団結した強固な欧州』という歴史的な機会を提供している」と書いている*13。
 南ドイツ新聞は、「EUは初めて、ロシアとの直接的な政治的対立に入った」「EUは単なる経済共同体ではなく、政治的な行為者であり、この『戦略的利益』は今、強力に再出現していることをヨーロッパ人に思い出させる」としている*14。
 ドイツは、「強いEU」の新たなリーダーになるべくマスコミを動員し、着々と準備しているようだ。
 つまり、これまでのEUのアイデンティティは、資本や財の自由な移動や共通通貨などの経済問題上にあったわけだが、これに代わって「共通の敵との闘い」が、分裂しつつある欧州を再び統一する、内部結束の基礎になろうとしている。
*11=http://www.dn.se/valet-2014/hogerpopulister-forenas-i-hat-mot-eu/
*12=http://sverigesradio.se/sida/artikel.aspx?programid=83&artikel=5844253
*13=http://www.spiegel.de/politik/ausland/krim-krise-eu-gipfel-bietet-chance-auf-gemeinsame-aussenpolitik-a-959730.html
*14=http://www.sueddeutsche.de/politik/ukraine-krise-europa-bleibe-hart-1.1924571


03. 2014年5月21日 13:42:59 : nJF6kGWndY

今の論調の基本は、まだEUは低迷、上下から解体に向かうリスクは大きい

かな

http://jbpress.ismedia.jp/articles/print/40740
JBpress>海外>Financial Times [Financial Times]
近隣諸国を方向付ける力を失ったEU
欧州の理想主義者がアラブの春を歓迎した時代は遠い過去
2014年05月21日(Wed) Financial Times
(2014年5月20日付 英フィナンシャル・タイムズ紙)

EUのCO2排出権取引サイトにフィッシング攻撃
EUの議会組織である欧州議会の選挙は22〜25日に実施されるが、大多数の加盟国の投票日は25日の日曜日に集中する〔AFPBB News〕

 米国には「スーパーチューズデー*1」がある。欧州は間もなく「スーパーサンデー」を迎える。欧州連合(EU)加盟28カ国で相次ぎ欧州議会選挙が行われ、5月25日の日曜日に終わるからだ。また、同じ日曜日にはウクライナで大統領選挙が実施され、その翌日にはエジプトで大統領選挙の投票が行われる。

 そして同じ週の5月29日にはロシア、ベラルーシ、カザフスタンの3国による調印式が行われ、ウラジーミル・プーチン大統領肝いりのプロジェクト――ユーラシア連合なるものの創設――に正式なゴーサインが出される見通しだ。

 このように一斉に行われる選挙や外交活動の間には、何らかの関係があるのだろうか? 答えはイエスだ。なぜなら、不安定で比較的貧しい近隣諸国を安定と繁栄に導く標識としてEUが機能できるか否かについて、この5月末までにいろいろなことが分かってくる可能性が高いからだ。

かつては近隣諸国を安定と繁栄に導く標識だったEU

 EUは、平和、繁栄、優れた政府といったものを近隣諸国に広めるにあたって極めて重要な役割を担いたいと考えている。そうした取り組みのうち、これまでで最も成功したのは「ビッグバン」と称される2004年のEU拡大だった。これによりEUは加盟国数を15から25に増やし、旧ソ連ブロックの国々の大半を飲み込んだ。

 新たに加盟した国々は、ブリュッセルのきらめく門をくぐるために、厳格な政治経済改革プログラムをあらかじめ受け入れていた。このEU拡大は、欧州の理想が持つ力を誇示する出来事だった。

 当時は、EU拡大が将来にわたって強い威力を発揮し続けることも十分にあり得るように思われた。バルカン半島を経てトルコやウクライナにも広がり、いずれは北アフリカやロシアにまで及ぶのではとも思われた。

 実際にEUに加盟する公算はまだ小さい国もあるが、たとえそうだとしても、政治・経済改革の実行と引き換えに市場へのアクセスや援助、技術支援などを提供することにより近隣諸国の方向付けをしたい、と欧州は考えていた。実際、それは妥当な取引であるように思われた。

 だが、残念ながら、欧州のスーパーサンデーでは、現状はこの理想主義的なビジョンにはほど遠いことが明らかになるだろう。

*1=大統領選挙の候補者を決めるためにあちこちの州で一斉に予備選挙や党員集会が開催される火曜日のこと

欧州議会選挙で予想される極右・極左勢力の躍進

インターネットは「CIAのプロジェクト」、露大統領が警告
欧州議会での極右、極左政党の躍進は、ロシアのウラジーミル・プーチン大統領にとっては都合がいい〔AFPBB News〕

 欧州議会選挙では、極右政党と極左政党が合わせて最大で30%の議席を得る公算が大きい。その程度の議席では、EUの政治課題をコントロールすることはできないだろう。

 しかし、そこまで勢力を伸ばせば各国政府は動揺するだろうし、EU域外に非常に否定的なメッセージを発信することになるだろう。

 欧州の極右・極左政党の多く――とりわけフランスのマリーヌ・ル・ペン氏率いる国民戦線(FN)とドイツの極左政党、左派党――は、プーチン氏を公然と称賛している。極右政党がプーチン氏を好んでいるのは、同氏がナショナリストであると同時に社会的保守派であり、自分たちと同様にEUを見下しているからだ。

 また、欧州の極左政党がプーチン氏を好ましく思っているのは、同氏が米国を苦しめているからだ。こうした極右・極左の政党が欧州議会で強い存在感を示すことは、クレムリンにしてみれば大歓迎だろうが、EUや欧州議会の支援を得たいと思っている近隣諸国のリベラル派勢力は当惑することになるだろう。

 欧州の極右・極左政党には、EU拡大への反発の高まりに乗じて勢力を伸ばしてきた面がある。EUの近隣諸国を安定化する必要があるという抽象的な議論は、景気後退やユーロ危機で痛手を負った大陸西部の有権者たちの心に響いていないようだ。有権者たちはむしろ、低賃金で働く労働者が新たに加盟した国々から大量に流入することを恐れている。

 もし、EUの近隣諸国を援助したいと考える政治家たちが、大規模に見える支援パッケージを北アフリカに提供したりウクライナなどの国々へのビザ(査証)発給要件を緩和したりすれば、既に欧州の非主流派政治勢力に引き寄せられている有権者をさらに怒らせることになりかねない。

ウクライナ大統領選挙の虚しい象徴性

 ウクライナが自国の大統領選挙を欧州議会選挙と同じ日に実施することにしたのは、偶然ではない。この国がモスクワではなくブリュッセルを向いているということをアピールするのに、これ以上いい方法があるだろうか? 

 だが、その象徴性は虚しく見える。というのも、ウクライナ情勢全体の皮肉の1つは、ロシアは容赦なくウクライナのEU加盟への道を阻止しようとしたが、EU自体は決してウクライナを歓迎するマットを敷いてはいなかった、ということだからだ。

 さらなる東方拡大に対して西欧の有権者が抱く敵意を認識し、EUは意図的に、ブリュッセルに至るまでの道を、長く威圧的な障害物コースにした。ウクライナの絶望的な窮状と同国のロシアとの争いは、そうした障害物の一部を取り除く時だということを示唆しているのかもしれない。

 だが、欧州議会選挙は恐らく、それとは大きく異なるメッセージを発信することになるだろう。一方、プーチン氏は遠く離れた暗いカザフスタンの首都アスタナで調印式典を開き、ユーラシア構想を生かし続けようとする。

エジプト大統領選で暗い雰囲気に拍車

 欧州議会選挙の翌日から実施されるエジプト大統領選挙は、暗い雰囲気に拍車をかける。クーデターと、民主的に選出されたムスリム同胞団の転覆に続くアブデル・ファタフ・アル・シシ将軍の勝利はブリュッセルで、決まりの悪い沈黙状態で受け止められるはずだ。

 欧州の理想主義者たちがアラブ世界の革命を、北アフリカが近く民主主義国と市場経済国から成るコミュニティーの一部として欧州の仲間入りをする兆候として歓迎した2011年の高揚した日々は、もう過ぎ去って久しい。

 最近の欧州は、エジプトの平和を保ち、テロを弾圧し、大量移住を防ぐと約束するシシ将軍のようなアラブの政治指導者を、恥じ入った様子で歓迎する。こうした指導者をどうにかして「改革者」に見せられるなら、それに越したことはない。

 これは暗く、薄汚い展望だ。だが、EUが自信を持って自らを、近隣地域、そして世界の模範と称することができた時代は過去に遠ざかりつつある。最近、EUは自分たちの問題で手一杯なのだ。

By Gideon Rachman


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