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死刑大国アメリカをEUが締め上げる
http://www.asyura2.com/14/kokusai8/msg/631.html
投稿者 あっしら 日時 2014 年 5 月 16 日 04:09:09: Mo7ApAlflbQ6s
 


『ニューズウィーク日本版』2014−5・13
P.20

「死刑大国アメリカをEUが締め上げる
         l
死刑反対のEUが死刑用薬物を輸出規制
その場しのぎの薬で死刑囚が苦しむ事態に


 相手国の政権に政策変更を迫るため、経済制裁という手段に出るのは果たして有効か ―ロシアやシリア、イラン情勢のおかげで、最近そんな議論が盛んだ。こうした制裁を発動する側であるアメリカだが、死刑という人権問題に関してはアメリカもある意味「制裁下」に置かれている。それは先週オクラホマ州で死刑が執行された際に起きたひどい失態のせいで、自明のものとなつた。

 クレイトン・ロケット死刑囚に薬物注射が行われたが、薬物が効かなかったために中断された。だがロケットはもだえ苦しみながら40分後に心臓発作で死亡。注射には前例のない薬物の組み合わせが用いられていた。
 同州が新たな薬物を使用したのは、ここ数カ月でアメリカのさまざまな州が、薬物の供給先確保に苦心しているせいだとの指摘もある。というのも、死刑反対を叫ぶ製薬会社(多くが欧州の企業)が販売を拒否しているためだ。薬物の入手が難しくなり、銃殺やガス室など昔の処刑方法を検討する州まで現れた。

 足並みがそろわないことも多いEU諸国だが、死刑反対では結束している。死刑に用いられる薬物に対し、EUは05年に輪出規制を開始した。
 EUが最初に標的にしたのが、チオペンタールナトリウム。死刑執行の際に組み合わせて使う混合薬物の1つとして一般的に用いられてきた鎮静剤だ。米企業ホスピラは11年、チオペンタールの製造中止を発表。製造拠点を置くはずだったイタリアで、当局が死刑執行に使用しないことを条件にしたため、製造が不可能になったのだ。デンマークに本社を置くルンドベックは、やはり死刑執行によく用いられていた麻酔薬ペントバルビタールの使用中止を要請した。

 最近では、マイケル・ジャクソンの死に関係したとされる麻酔薬プロボフォールが話題に。ミズーリ州は昨年、EUの規制のため、これの使用を中止した。


製薬会社は不本意だった

 こうした輸出規制がアメリカの死刑の現状に影響を及ぼしているのは確かだ。何しろ数々の州が、効果にばらつきのある新たな混合薬物に頼らざるを得ない危険な状況に追い込まれているのだから。一方でこの規制が、アメリカでの死刑制度廃止という最終目標のために効果を挙げているかは疑問が残る。

 イギリスを拠点とする人権団体リプリーブのマヤ・フォアは、製薬会社が権限を拡大して自社の薬物の使い道を監督するようになつた点が最大の効果だと語る。「本来、製薬会社は死刑に関与するのは不本意だった。今では企業自らが供給規制に乗り出している」

 アメリカは今でも世界の民主主義国の中では執行数トップの死刑大国だが、年間の執行数は99年以来おおむね減少を続けている。国民の間では死刑支持が多数派を占めるものの、その支持率は死刑制度が復活した76年以降で最低に落ち込んでいる。
 そんななか、死刑を廃止するべく打ち出された輸出規制のせいで各州が未試験の危険な混合薬物を使わざるを得をくなり、これまで以上に残酷な死刑を招いているというのは、なんとも皮肉なことだ。今回のロケットの事件で、透明性に欠ける執行の手法が見直される可能性もある。「安全に死刑を執行しているという当局の言い分も苦しくなるだろう」と、フォアは指摘する。

 欧州に倣い、アメリカが近々死刑廃止の道を選ぶ可能性は低い。それでも、EUの規制で結果的に「残酷な死刑」への注目が高まったことで、死刑減少に向けた動きは加速しそうだ。

ジョシュア・キーティング」

 

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コメント
 
01. 2014年5月16日 11:49:28 : nJF6kGWndY

首にワイヤーを巻いて絞めて、頸動脈を止めて、失神させてから、窒息で殺すのが、苦痛も小さく、一番、低コストで人道的かもね

自動化マシンも誰でも簡単に作れる


02. 2014年5月17日 06:42:28 : yZIxF9LyC2
死刑廃止、、ってEUは叫ぶが、それじゃ少し前ノルウェーで起きた、大量虐殺事件も犯人を死刑にするべきでない。

もし米国が工作員をEUに送り込み、前代未聞の数の人を殺されても、犯人を終身刑に扱うべき!
世論は死刑を復活させるなよ!!


03. 2014年5月17日 11:55:50 : nJF6kGWndY

>>02 死刑廃止、、ってEUは叫ぶが、それじゃ少し前ノルウェーで起きた、大量虐殺事件も犯人を死刑にするべきでない。

もちろん死刑ではなく、禁錮最低10年、最長21年らしいから、下手すると40代で社会復帰だw

http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%8E%E3%83%AB%E3%82%A6%E3%82%A7%E3%83%BC%E9%80%A3%E7%B6%9A%E3%83%86%E3%83%AD%E4%BA%8B%E4%BB%B6
2011年7月22日、ノルウェーの首都オスロ政府庁舎 (Regjeringskvartalet) 爆破事件とウトヤ島銃乱射事件が連続して発生した[3]。
政府庁舎爆破事件により8人、銃乱射事件により69人がそれぞれ死亡しており[3]、両事件で77人が死亡[4]。ノルウェー国内において第二次世界大戦以降の最悪の惨事とされている[5]。

韓国の禹範坤(1982年に57人以上を殺害)を抜き、世界最大の短時間大量殺人犯になると言われている[8]。ウトヤ島銃乱射事件での死者には王太子妃の義兄 Trond Berntsen (51) が含まれる[9]。 さらに、ブレイビクは移民の受け入れを推進したグロ・ハーレム・ブルントラント元首相も殺害しようとしていた[10]。


検察側はアンネシュ・ブレイビク(当時32歳)を精神病療養施設へ強制収容するよう主張。

2012年8月23日、オスロ司法裁判所は禁錮最低10年、最長21年の判決を言い渡した[44]。

これはノルウェーにおける最高刑である(「人道に対する罪」が適用されれば禁錮30年)[45]。

このため裁判中は廃止された死刑制度の復活や無期刑の導入が呼びかけられるなどの影響が出た[46]


04. 2014年5月20日 18:44:16 : nJF6kGWndY

遺族感情を考えると、こういう人間のクズは、あまり安楽に殺すのは、良くないな 

http://jbpress.ismedia.jp/articles/print/40711
JBpress>海外>USA [USA]
のたうちまわる死刑囚、中止された凄惨な薬殺刑 死刑のあり方をめぐって米国で議論が白熱
2014年05月20日(Tue) 石 紀美子
 4月29日、オクラホマ州の刑務所である凶悪犯の死刑が執行された。州法で定められた薬殺刑による死刑だったが、死刑囚に注射された薬物が効かず、死刑は中止された。中止の直後、死刑囚は心臓発作で死亡した。

 要約すれば、または一昔前だったら、ざっとこのような短いニュースで終わったかもしれない。

 しかしこの事件には、現在米国の死刑制度が抱える問題が凝縮されていた。そして、議論はとうとう薬殺刑を止め、銃殺刑の復活を訴える州が出てくるほど白熱している。

43分間悶絶して死んだ死刑囚

 死刑囚の名前はクレイトン・ロケット(享年38歳)。彼の死刑執行は、すでに数週間延期されていた。地元の人権派弁護士が、薬殺刑に使用される薬についての情報開示が足りないということで、情報公開を訴えていたからだ。

 ロケットに使われる薬は、オクラホマ州ではまだ試されたことがない新薬だった。州と弁護士の押し問答が続いたが、最終的には州最高裁が、情報開示は十分だと判断し、執行を認めた。 

 そして問題の死刑は行われた。当日、立会人が見守る前で、ロケットは時間差で3つの薬物を注射され、死亡する予定だった。

 ところが2つ目の薬物が注射されると、ロケットは苦しみだし、ベッドの上で激しい呼吸をしながらもがき、歯を食いしばりながら、激痛を訴えた。ロケットが暴れだしたのと、明らかに薬物が効かなかったことで、死刑はここで中止される。立会人との間のカーテンは引かれ、全員退場を促された。

 中止後も、ロケットは苦しみ続け、最初の薬物注射から43分後に心臓発作によって死亡した。オクラホマ州の薬殺刑にかかる平均時間は6分だということを踏まえると、長時間苦しんだことになる。一部始終を目撃した立会人らは、死刑の現実を目の当たりにして言葉を失っていたという。

 死刑に反対する人権派弁護士の団体は、この薬殺刑を「憲法違反」だと訴えた。米国憲法修正第8条には「残酷で異常な刑罰をすべからず」とあるからだ。

 薬殺刑は、これまでも他の死刑の方法に比べ、死刑囚が激痛による苦しみを味わうリスクが高いと言われてきた。ロケットの一件で、さらに明らかになったと弁護士団体は主張している。

薬殺刑の薬が効かなかった理由

 忘れてはならないのは、ロケットは凶悪犯だったということだ。彼は1999年に、共犯者2人と一緒に知り合いの家に押し入り、知り合いを縛り上げて暴行し、居合わせた10代の女性を全員でレイプし、さらにもう1人の18歳の女性をショットガンで撃ち、まだ息のあるうちに生き埋めにして殺害した。死刑の宣告を受けたこの犯罪時、ロケットは23歳。すでに前科4犯の筋金入りの悪党だった。

 人権派の抗議を受け、地元住民をはじめ、多くの人たちが、これほど凶悪な犯罪を犯した人間が、最後に少しばかり苦しんだからどうした、と反発した。もっと苦しんで死ぬべきだったという声さえあった。

 ロケットが苦しんだ理由は、こうだ。

 オクラホマ州が薬殺刑用に許可した3つの薬は、1つ目が“Midazolam”という意識不明にする薬で、2つ目が“Vecuronium Bromide”という呼吸を止める薬、そして最後が“Potassium Chloride”という心臓を止める薬だった。

 一般的にも、薬殺刑に使われる薬は3段階で、1つ目が麻酔薬、2つ目が筋肉弛緩剤、最後が心臓を停止させる薬、とおよそ同じような内容だ。

 ところがロケットの場合、注射、もしくはカテーテルを入れることができる血管がなかなか見つからなかった。無理矢理入れた血管は、1つ目の薬が入った段階で破裂し、結果的に麻酔薬的な役割を果たす薬が効いていない状態で2つ目の薬が注入された。

 2つ目と3つ目の薬は、激痛をもたらす。最初に麻酔的な薬が入れられるのは、痛みを感じさせないためだ。ロケットは覚醒したまま2つ目の薬を注入され、激しい痛みにもだえ苦しみ、最終的にはショック状態に陥って心臓マヒに至ったということらしい。

ヨーロッパの薬が使えなくなった

 ロケットが苦しんだ理由は、これだけではないかもしれないという憶測がある。

 前述した通り、今回使用された3つの薬は、薬殺刑に初めて使われるものだった。

 オクラホマ州のみならず、薬殺刑に使用される薬はこれまでヨーロッパの製薬会社のものが広く使われてきた。ところが今年の初めに、米国の死刑制度に反対するために、ヨーロッパの製薬会社は米国へ薬を輸出することが禁じられた。ヨーロッパで死刑制度が残っている国はすでになく、制度を維持する米国への批判の声は年々高まっている。

 海外から薬を調達できなくなり、新しい供給先を探したが、国内の製薬会社も薬殺刑に間接的に関わることに二の足を踏み、どこからも断られた。

 結局、死刑制度のある州が薬殺刑用の薬を、「コンパウンディングファーマシー(Compounding Pharmacy)」(米国独特の調剤薬局。州の許可さえあれば開店でき、薬をかなり自由に調合してくれる)に委託することになった。ここで扱われる薬は、米国食品医薬品局(FDA)の認可を受けていなくてもいいのだ。

 衛生的にも、専門知識に関しても決して一級とは言えないコンパウンディングファーマシーで調合される薬は、不純物が混ざっていることが少なくない。ロケットに使用された新薬は、その純度に問題があり、そのため効かなかったという可能性もあるという。

「薬殺刑を廃止し、銃殺刑の復活を」の声

 薬そのものだけでなく、薬殺刑自体にも様々な問題点がある。

 1890年から2010年まで米国で執行された薬殺刑の7%に何かしらの問題が生じている。他の死刑方法に比べると、断トツに高い確立だ。

 最も多いのは、薬物を注入する血管が見つからないという問題だ。2009年には、およそ2時間半にわたり医者が注入する血管を探し続け、死刑囚は針を刺される痛みに叫び続け、死刑は中止されるという事件があった。ちなみに、この死刑囚はまだ生きている。

 次に多い問題は、カテーテルが血管にきちんと入っていないため、筋肉や周辺の組織に流れ出すことだ。薬は効かない上、やはり激痛があるという。死刑囚は最終的には死亡するが、長時間苦しむ事例が報告されている。

 ヨーロッパからの薬調達ルートが絶たれてからは、新しい薬の反応が読めず、死刑囚が長時間苦しんで死ぬ事例もある。2014年1月にオハイオ州で行われた薬殺刑では、新薬に反応した死刑囚が20分間に及びもだえ苦しんで死亡した。死刑囚の遺族は州を訴えている。

 現在、死刑制度を維持している州は全米で32州ある。いずれも薬殺刑で執行している。この問題点の多い薬殺刑に対しては、現在2つの動きがある。

 1つは、薬殺刑に3つの薬を段階的に入れる方法がそもそも間違っているので1つの強力な薬で迅速に死に至らしめよう、という方向だ。すでに8つの州がこの方法を取り、他の州も検討し始めている。

 もう1つは、薬殺刑を止め、電気椅子での死刑か、銃殺刑を復活させようという方向だ。何十分も苦しむより、一瞬で死ぬ方が人道的だという主張である。ちなみにユタ州では10年前まで銃殺刑が続いていた。4年前にも銃殺刑で死刑になった囚人がいる。

 よく考えてみると、この問題には本末転倒の点、矛盾点が多く含まれている。国際人権団体アムネスティ・インターナショナルの人がいみじくも言った。「結局、人を殺すのに正しい方法なんてないのさ」と。


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