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戦争が大好きなアメリカ人の思考 青二才が覇権国である地球の不幸
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2014年05月15日
スタンフォード大学歴史学部のイアン・モリス教授の著書“ War! What Is It Good For? の翻訳本が出ている。モリス氏の論旨「戦争は人類の発展に役立っている」ことを証明しようと試みたものだ。残念ながら、モリスの論考は、西側勢力の知識に裏打ちされた自慰行為に近いものになっている。東側勢力やアジアの視線から見れば、英国が人類発祥の地である、と戯言を数世紀に亘り主張してきた姿にダブって見えてくる。高額な書物なので、購入の意志はないが、以下の日経ビジネスのコラムを読めば、ある程度理解できる。
以下のコラムでも紹介されているように、アナクロな戦争においては、それ相当の経済効果もあり、人類の発展に逆説的に寄与したのは事実だろう。しかし、デジタル化され続ける20世紀後半からの戦争は、経済的寄与どころか、経済の足を引っ張るマイナスな行為と考えるのが妥当だろう。モリスはアングロサクソンの文明を信奉してるようだが、東側、特に中国の文明をネグレクトしている点で、落第論考だ。到底計量的に歴史の軽重を計ったとは思えず、情緒論に近い代物といって良いだろう。
このような論考を基にアメリカ人が議論すること自体、バカげている。英国が人類発祥の地と云う戯言に固執した英国文明など、人類全体の歴史から見れば、糞の役にも立たないわけで、黄河文明、インダス文明、メソポタミア文明がどこで起きたのか?モリスの地球儀にはユーラシア大陸やアジア諸国が存在しない歴史観に立っている。古典的ギリシャ文明も、東側の文明に追随して起こった文明であり、ユーラシア大陸全体に拡がったわけで、アングロサクソン文明なんて代物は、歴史の教科書で云うなら、数行の項目の一つに過ぎない。
単に20世紀後半から21世紀にかけてのリアルな位置に立って、物事を俯瞰した積りになっているに過ぎないだろう。今、世界の賢者が考えるとしたら、アメリカの一極支配の崩壊。Gゼロの世界なのか、G2、G3の世界なのか、多極化の一途なのか、と云う極めて深刻な時代に突入しているのだ。G8の価値を、たかがウクライナ如きの内紛に首を突っ込むことで、危ういが、何とか均衡を保っていた東西関係を破壊してしまった。北朝鮮6か国協議の席上から中国をネグレクトしたような愚昧な選択をした。おそらく、このツケはG7の国々が応分に支払うことになるだろう。
その中でも、イニシアチブを取りたがり、現に強引なアメリカン・イデオロギーで、他の5か国の政府を脅しまくったアメリカが支払うツケは莫大なものになるだろう。正直、モリスの記事などは、どうでもいい話だ。ただアングロサクソン民族の栄枯必滅の証拠として書きとどめるに過ぎない。以下の日経ビジネスのモリスの話題より、もう一つ参考で掲載する、ピョートル・アコポフ, ピョートル・アコポフが執筆のロシアNOWの社説の方が数倍時代的であり、なぜ?中国の傍若無人の行いが平然と行われているか、端的に言い表している。中国、ロシア嫌いも、よく読んでおいた方がいい。この社説の分析は充分に妥当性を持っている。日本語訳に少々難があるが、世界の潮流の一端に触れられる。
≪ 戦争の功罪について、米国で大論争 「米国は戦争が大好き」と説く論客も
戦争は人間にとって利益になるのか?
あまりにも大上段に振りかぶった質問である。今回、なぜ、この疑問を投げたのかというところから話を始めたいと思う。
米国で4月、『War! What Is It Good For?(仮訳:戦争! 恩恵はいったい何なのか)』というタイトルの本が出版された。この直後から米国のさまざまな場で、識者たちが戦争の功罪について議論を始めている。
著者はスタンフォード大学歴史学部のイアン・モリス教授。2011年に『人類5万年 文明の興亡(上・下):なぜ西洋が世界を支配しているのか』という、こちらもまた大胆なテーマの書籍を世に出している。日本では今年3月に同書の訳書が出版されたばかりだ。
そして今回のテーマが戦争である。最初に述べておくと、モリス教授が説くのは「戦争の肯定」である。戦争という行為は、多くの場合、人間を殺傷することだ。それをなぜ肯定できるのかという疑問がすぐにわく。
同教授は過去1万年の歴史を眺めた時、戦争を繰り返してきたことで、人間はより平和でより富んだ社会を築くことができていると逆説的に説く。人間 の歴史は言い換えれば戦争の歴史で、今でも地域紛争が地球上で続いている。だが、戦争をしてきたからこそ、今の比較的平和な社会が実現できていると解釈す る。
戦争は「野蛮である」とも書くが、人間は経験を積み重ねることで社会を組織化し、より安定化させて経済成長を達成してきたという。500ページ超の書籍を要約すると、大凡はこうした内容だ。
同教授は同書を出版した後の4月末、米ワシントンポスト紙に自著についてのコラムを書いている。その中で、「戦争は人間を金持ちにしたばかりか、社会を安全にした」と記している。
読者の中にはこのフレーズにカチンときた人がいるだろう。戦争で家族や親族、友人・知人をなくしたり、辛い経験をしてきたりした人にとって、戦争 を肯定する発言は心を逆撫でするものであろう。考えてみれば当たり前である。自ら望んで戦場での死を選ぶ人はいない。無念な戦死がほとんどだ。一方、納得 した人もいるにちがいない。それゆえ、賛否を論ずる議論がさかんに行われている。
1万年前は人口の10〜20%が戦闘で死亡した
同教授の主張をもう少し紹介しよう。同教授は考古学者でもあることから、1万年前と現代を比較している点が興味深い。その間、戦争と平和、そして人間の力の関係が少しずつ変化してきて、現在は当時よりも平和であると論じる。
1万年前は部族間の戦闘や抗争が今よりも頻発し、人口の10〜20%は戦闘で死亡したと推測している。それが20世紀に入ると、2つの世界大戦が あったにもかかわらず、戦争による死亡者は人口の1〜2%にまで減った。さらに21世紀になると、国連統計によれば、戦争や紛争によって命を落とす割合は 人口の0.7%にまで落ち着いたという。そして「今の時代に生まれてなんと幸せなことか」と述べる。
さらに、戦争が経済的な国家繁栄につながった歴史があると説く。大英帝国やパックス・アメリカーナ(米国の平和)の時代をその象徴として捉えている。
戦争によって利益を得る人たちがいるという考えは、一般的にも、広く信じられている。米国では第2次世界大戦に突入したことで、大恐慌以来低迷し ていた景気が回復したと言われている。実際に米国のGDP(国内総生産)は、真珠湾攻撃があった41年には恐慌前の水準に戻っている。
陰謀論を持ち出さなくとも、戦争が景気回復の起爆剤になるとの考え方は広く信じられている。日本でも朝鮮戦争やベトナム戦争の特需で、特定の産業が恩恵に浴したのはまぎれもない事実である。
個人的な話になるが、筆者の父は終戦直後から定年まで繊維会社に勤務していたため、朝鮮特需について何度も聞かされた。食糧や合材の調達といった 分野もそうだったが、繊維業界は特に「ガチャマン景気」と呼ばれる活況を呈した。織機をガチャンとやると万の金が入るという意味だ。軍服や毛布、テントな どの繊維製品を日本が大量受注した。50〜52年だけで約10億ドルの直接受注があったという。当時の為替レートで3600億円である。
こうした点を考慮すると、戦場の悲惨さが歴然としてある一方で、利益を得た人たちも確実におり、モリス教授の「戦争は利益になる」という主張には説得力がある。 多くの経済学者が「戦争による景気拡大は幻想」と説く。
しかしながら、近年になって、この議論に異論が出ている。
ノーベル経済学賞を受賞したジョセフ・スティグリッツ氏は英ガーディアン紙のコラムに次のように書いている。「戦争は経済的な繁栄と密接な関連性 があると論じられます。資本主義には戦争が必要と言われることさえあります。しかしこれは、最近ではもうナンセンスな議論です。91年の湾岸戦争でも、経 済への悪影響の方が大きかった。経済成長は平和時にこそ達成されるというのが通説になっています」。
戦争によって需要が生まれるのは事実だが、近年の戦争はコストがかかりすぎて国家財政にとってマイナスとの見方がある。ハーバード大学ケネディ行 政大学院が昨年まとめた報告書には、アフガニスタンとイラクの両戦争で、米政府は最終的に4兆〜6兆ドル(約400兆〜600兆円)もの支出を余儀なくさ れると記されている。しかも両国に派遣された総計20万と言われる米兵たちは、派兵されていなければ米国内で雇用され、経済活動に貢献していたはずであ る。
経済学者ジェームズ・ガルブレイス氏(ジョン・ケネス・ガルブレイスの息子)も戦争悲観論者だ。「過去100年間だけを見ても、すべての戦争は程度の差こそあれ、インフレをもたらしています。戦争になると物価や賃金が上昇する一方、購買力が下がってインフレが加速されます。その中で富裕層はさらに 裕福になり、労働者の貯蓄は減るという悪循環が生まれています」。
今では多くの経済学者が戦争による景気拡大は幻想で、むしろ悪化するという立場だ。ただノーベル経済学賞を受賞したポール・クルーグマン氏は戦争による経済効果をプラスに捉えており、モリス教授の側に立つ。
「米国は戦争が大好き」
日本国内に目を向けると、いざとなったら中国を含む隣国との戦争も厭わないという風潮が一部で見られるが、大多数の市民は戦争など百害あって一利 なしとの考えかと思う。それは第2次世界大戦で敗戦国となった時の教訓が大きいからだろう。人命の損失や国土の荒廃は計り知れず、2度と戦争をすべきでは ないとの思いは日本人の共通項になっているはずだ。戦争という殺戮の場で、無辜の市民が命を落とす状況を作ってはならない。こうした思いが経済的利益を求 める思いよりも大きいのが日本人のいまのメンタリティーではないか。
功利性を超えて、理念的に戦争を肯定する人は米国でも少数派である。ただ保守派の中には「戦争が好き」という人がいる。筆者が2003年に首都ワシントンで取材していた時、共和党保守派の学者からこの言葉を聞いた。
保守系シンクタンク、アメリカン・エンタープライズ公共政策研究所(AEI)のマイケル・レディーン元研究員は、白髪の混じった髭をいじりなが ら、これ以上はっきり語れないくらい明確に言った。「戦争で死傷者がどれくらいでるかは二の次なんですよ。聞こえはよくないが、米国人は戦争が好きな国民 なんです。死傷者がどうこうより、負けることが一番嫌い。私のもっとも好きな言葉はパットン将軍(第2次世界大戦時の米陸軍大将)の『米国は戦争が大好き だし、戦闘そのものも好きだ。いつも闘ってきたし、楽しんできた』というフレーズだ」。
この時、すぐ横に座っていた中央情報局(CIA)のジェームズ・ウージリー元長官も「同感だね」とうなずいた。
モリス教授の言を借りれば、「戦争関連で死亡する人数は減っていても、人間が人間である以上、戦争は決してなくならない」ということは確かなようである。
≫(日経ビジネス:政治経済:アメリカのイマを読む・堀田佳男)
≪ ロシア-アメリカ-中国の三角関係
ロシア−アメリカ−中国の三角関係がどうなるかは、世界の勢力バランスだけでなく、世界関係の構造変革の速度によって変わってくる。ロシアが東洋に向きを変えているのは、欧米が制裁を行っているからではない。アメリカとの対立は、ロシアにとって客観的で理にかなった有益なプロセスを加速化させるだけだ。ロシアと中国のグローバルな協力関係強化には、多くの客観的理由があり、しかもそれらは長期的、戦略的特徴を持っている。
正三角形ではない関係
ソ連崩壊後の1990年代、アメリカは“三角”のリーダーになった。ロシアが独自の地政学的戦略をほぼ失い、中国がまだ国際舞台で自国の利益を堅守していなかった時期だ。中国は最初にウォーミングアップに努め、徐々に世界での影響力を拡大していった。
アメリカのロシア、中国との関係は当時、ロシアと中国の二国間関係よりも良好だった。これはロシアと中国が対立していたということではなく、ロシアのエリートの大半が親西側になっていたからだ。ボリス・エリツィン大統領(当時)の衝動的な中国接近を、中国はロシアの素直な動きとはとらえていなかった。これをロシア政府の自立していない地政学的思考、あからさまな親西側的行動と見なしていた。
だがここ15年で、ロシアと中国は本当に戦略的協調関係の基礎を築くようになった。最も作業が簡単だったのは、両国の国境線見直しとロシア製武器の中国への供給。長期エネルギー・プロジェクトについての交渉には何年もかかり、石油の方では契約が結ばれたが、ガスの方では価格についていまだに合意に至っていない。中央アジアを両国の勢力争いの舞台ではなく、両国を結ぶ領域とする考え方はまだ完全にできていないものの、新たなユーラシアの秩序を構築していく中でこの問題は解決可能だ。いずれにしても両国を近づけるものがあるというのは重要なポイント。それはアメリカが世界に我流を強いる権利と可能性を 持ち続けないよう、世界の秩序を変えていくという共通の意向である。
最初にロシア、次に中国
中国とアメリカ、ロシアとアメリカの地政学的利益はまったく相いれないもので、この不一致は現在の世界秩序構築のモデルの中でなくすことができない。
アメリカはロシアと中国を抑えることで、グローバルなリーダーになり続けようとしているが、もうその力はない。当然ながら、アメリカは中国との著しい対立開始の時期を遅らせ、ロシアの抑え込みに時間をかけたがっている。そしてこのために、中国政府には基本的に譲歩する構えなのだ。だがここでのポイ ントは、中国が重要度の低い問題での譲歩など必要としていないことである。必要としているのは、アジアにおけるアメリカの軍事的関与のような、極めて重大 な問題でのことだ。アメリカ政府はこの問題で譲歩しようとはしていないし、むしろ反中国ラインを引きながら、中国の敵の軍隊を増強しようとしている。
アメリカは環太平洋地域で中国を抑え、ユーラシアでロシアを抑えようと努めながら、遂行不可能な課題を自国に課し、さらに自国の地政学的地盤沈下 を加速させている。アメリカの一部のアナリストまでもがこれを理解しており、アメリカ政府に少なくとも「主要な敵」を選ぶべきだと訴えている。
最初にロシアに対処し、その後中国に取り組むというアメリカの戦術を、中国はしっかりと理解しているため、他国のゲームに調子を合わせず、さらにア メリカにはもはや中東、ヨーロッパ、環太平洋という3ヶ所の前線を同時にコントロールする力がないことを理解しながら、環太平洋地域での圧力を強めるのである。
反中国防衛ラインのほころび
中国はアメリカの中国抑え込みの動きを非難しながら、アメリカの政策を主な脅威と見なしている。だがアメリカはそのことを忘れているかのごとく、ロシア包囲網に中国を加えようと真剣に話し合っている。中国抑え込みの動きは、オバマ大統領のアジア歴訪ではっきりとした。
中国政府はこの歴訪を、反中国同盟の強化と受け止めている。ここ3年の中東の危機と半年続いているウクライナ情勢を背景に、環太平洋地域の情勢悪化に注目している人はあまりいない。島や海域をめぐる領有問題は、この地域の緊張の表面的な現象でしかない。
中国には軍事衝突の用意はないが、隣国を領有問題で譲歩させ、アメリカとの連携を弱体化させるために、隣国への圧力を徐々に強めている。アメリカはこの対応として、同盟国支援と中国との平和的関係維持の間でバランスを見つけようとしているが、このようなゲームは永遠には続かない。
≫(ロシアNOW:オピニオン・2014年5月13日 ピョートル・アコポフ, ピョートル・アコポフ *元記事(露語)
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