01. 2014年5月21日 17:30:10
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http://jp.wsj.com/news/articles/SB10001424052702303923004579575110484662046 北米 米軍、宇宙での武力衝突に警鐘―ロシア製エンジンの代替品検討を By DOUG CAMERON 2014 年 5 月 21 日 14:19 JST スペーXのカプセル型宇宙船「ドラゴン」 Reuters 米空軍宇宙軍の最高司令官であるウィリアム・シェルトン大将は、宇宙での衝突リスクが高まっていると警告するとともに、ロシア製ロケットエンジンに依存している現状からみて、米国は浮上するこの脅威に取り組む準備が整っているのかどうか疑問だと述べた。 同大将は20日、コロラド州コロラドスプリングスで開かれた宇宙産業会議で講演し、米国は軍事・情報ペイロード(ロケットに搭載される機材)打ち上げのため全体の半分程度をロシア製ブースター(エンジン)に依存しているが、これに代わるものとして米国製ロケットエンジンの開発を支持すると述べた。同大将は、ロシアが米軍向けのロケット販売を停止する方針を最近発表しただけに、自国製の代替品が重要になっていると語った。 米宇宙産業の現状は最近数週間、大きな関心の的になっている。これはロシアによるロケットエンジン販売停止方針のほか、米国防総省、その主要なロケット供給企業(ユナイテッド・ローンチ・アライアンス)、そして新参のスペースXとの間で法廷闘争が展開されているためだ。スペースXは起業家のイーロン・マスク氏が経営する米民間宇宙企業で、同氏は何十億ドルにも上る規模の宇宙市場から自分が締め出されているとして裁判所に訴えている。 シェルトン大将は、一部の国は自国の軍事ドクトリンの一環として宇宙を基地とした兵器を開発しようと計画している兆候があると述べた。ただし潜在的な敵対国を特定しなかった。アナリストたちは長年、中国とロシアが宇宙部門で技術的に進歩を遂げていると指摘している。 同大将は、将来の軍事衝突では「最初の一発がサイバー空間と宇宙空間で発射される」可能性もあると述べた。 国防総省の人工衛星打ち上げは現在、ボーイングとロッキード・マーチンの合弁会社であるユナイテッド・ローンチ・アライアンスが扱っている。そしてユナイテッド・ローンチはおおむねロシア国営のNPOエネルゴマシュから輸入されたロケットエンジンに依存している。しかし、ウクライナ危機をきっかけに、このサプライチェーンをめぐる懸念が生じ、国防総省は米国内の代替品開発の是非を早急に検討し始めている。 ロシアのロゴジン副首相は先週、米政府が非軍事目的にのみ使われるとの証明書を提供する場合に限り、ロシア製ロケットエンジンを米国に供給する方針を明らかにした。この発言はどうやら、国防目的に使用される技術のロシア向け輸出を米国が制限したことに対する報復とみられる。 シェルトン大将は、「われわれの産業基盤は多少衰えている」と述べ、同大将が全く新しい米国製ロケットエンジン開発を支持するのは、あくまで個人的な意見だと強調した。同大将は8月に退任する予定で、国防総省はロシア機器に対する代替品のリポートを依然として検討している段階だ。 全く新しい米国製ロケット開発にかかるコストは10億ドル(約1000億円)以上と推定されており、開発に5−8年間かかる見通しだ。シェルトン大将は、これは現在検討されているもう一つ別の代替案、つまりロシア製ロケットを米国内でライセンス生産するという案よりも好ましいと語った。 ユナイテッド・ローンチは今月、NPOエネルゴマシュとの取引を禁止される仮差し止め命令を一時的に受けた。スペースXが先月、米政府を相手取って、ユナイテッド・ローンチと国防総省との長期にわたる取引は不当と裁判所に訴えたことを受けた動きで、仮差し止め命令はユナイテッド・ローンチなど関係者にとって予想外の展開だった。 シェルトン大将はこれについて、スペースX製ロケットがユナイテッド・ローンチと正しく競争できるようにするため、空軍は全力を尽くすと述べた。 スペースXは裁判で、同社ならば、ユナイテッド・ローンチのコストの4分の1でロケットを打ち上げられると主張したが、ユナイテッド・ローンチは今週、これを一蹴した。ユナイテッド・ローンチは宇宙会議で、同社もスペースXも打ち上げコストは1回について約1億ドルだと述べた。 関連記事 ロシアが報復措置、米国向けロケットエンジン販売禁止 ロシア宇宙航空産業、制裁の影響に直面 米国防総省、宇宙ゴミから地球を守れるか 小惑星資源探査計画どうなった―衛星への燃料補給構想に変更 太陽系以外に地球規模の惑星、水の存在も 特集:テクノロジーの未来
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