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ウクライナ危機、西側諸国の選択はロシア・中国を北朝鮮化させる(世相を斬る あいば達也)
http://www.asyura2.com/14/kokusai8/msg/609.html
投稿者 笑坊 日時 2014 年 5 月 11 日 18:36:20: EaaOcpw/cGfrA
 

http://blog.goo.ne.jp/aibatatuya/e/0c04b7d1ac6db24c1ddeca177234c1bb
2014年05月11日

 米国務省、CIAを中心に行ったウクライナの “NATO前線基地化作戦” の目的がなんであったのか、その答えは、関係者各自各様な目的を語るに違いない。現在のウクライナの情勢を見ていると、米国とEU各国、アメリカ金魚の糞国家、それぞれの目的が一致している面もあれば、まったく相反している面もあり、同床異夢な勢力が、“呉越同舟”している現実が観察できる。

 それに引き換え、ロシアはプーチンを中心に“愛国心”で求心力を高めた。西側メディアは、ロシアの愛国心はナショナリズムだと罵り、アメリカのナショナリズムは愛国心だという、笑えない冗談を平気で言う人々だ。日本や中国の愛国心も概ねナショナリズムの枠を嵌められる。いずれにせよ、現在アメリカの行っている対ロ戦略はロシアの孤立を狙っているのだが、皮肉にも、アメリカは北朝鮮のような国家の増産を夢見ているようにも見えてくる(笑)。

 対中戦略にも、その傾向はみられる。そうすることで、彼らは何を手にするのだろうか。ロシアと云う敵国を作ることで、西側諸国の結束を固めようとしているのか。西側勢力の勢いのなさをカバーするために、歴史の潮流を、姑息な戦略程度で堰き止めようとしているのだとすると、酷く愚かだ。このままウクライナを挟んで、欧ロは経済制裁という痛みを伴い、何らかのダメージを受けることになる。ロシアの資金はロシアに戻り、グローバル経済から内需中心の異なる方向性を模索するかもしれない。

 我々人類の歴史は、「栄枯盛衰」の繰返しだったと言ってもいいだろう。この流れに逆らうのも人類の歴史だろうし、逆らっても、最終的には時代の潮流に押し戻されるのである。それが判っていても、その時点の為政者は、自分の時代だけでも普遍的に生きていたいと思うのも、これまた自然で人間的だ。ウクライナ問題を考える教材にして、色々なことを考えるのも愉しいものだ。以下は、カレッキー氏がロイターに寄稿したコラムだが、非常に参考になる。


≪ コラム:対ロシア制裁が効かない理由=カレツキー氏
[1日 ロイター] - 米国と欧州が先に発動した対ロシア追加制裁が、ロシアの通貨ルーブルとモスクワ株式市場の上昇につながったのはなぜだろうか。 このパラドックスを理解するには、英コメディー番組「Yes Minister」を思い起こすといいだろう。主人公である間の抜けた政治家は、危機に直面するたびに同じ発言を繰り返す──「何か行動を起こさねばならない。これがその何かだ。ゆえにこの行動を起こさねばならない」。

*この三段論法で問題となるのは、何らかの行動を起こすことが、何もしないことより悪い結果を引き起こす可能性だ。ウクライナ危機をめぐりロシアに経済制裁を科すという西側の判断は、その典型的な例だ。

ロシア抑止を目的に欧米諸国が発動した制裁は哀れなほど効果のなさを露呈し、欧米の確信の欠如や計画性のなさを強調するだけの結果となった。一方その間、ロシアのプーチン大統領は、目標として掲げていたであろう2つのことを成し遂げた。1つは、クリミア編入を既成事実にする暗黙の了解を国際社会から得たこと。もう1つは、ロシアが敵対姿勢を続ける限り、ウクライナの暫定政権は国内分裂を防げない「無力な存在」であるということをトゥルチノフ大統領代行に認めさせたことだ。

経済制裁が失敗に終わるであろうと考える理由は他にも存在する。 第一に、ウクライナ国境をめぐる軍事問題がいつの間にか西側とロシアの経済衝突に変化したことにより、中国やイスラエルなどが、自国の領土問題を軍事的に解決しようと考える可能性が出てきた。

その動機を理解するには、米ハーバード大学のマイケル・サンデル氏が著書「それをお金で買いますか:市場主義の限界」で示した道徳的な難題を考えるといい。同書によると、イスラエルの保育所は、子どもを迎えに来る時間に遅れた親に罰金を科すことにしたが、その結果、時間に遅れる親が前よりも増えたという。親は時間通りに迎えに行く道徳的義務を感じなくなり、時間を厳守する代わりに、罰金をベビーシッター料金とみなすようになったからだ。

つまり、この保育所は意図せずに、これまでの道徳的な関係を経済的な関係に変えたということだ。同様に、欧米諸国による対ロシア制裁は、軍事・外交問題を経済的な問題に変化させている。 *オバマ大統領もこの点を明確にしており、自身の行動を説明する際に「一段の代償」や「ロシア経済に対して」などの言葉を繰り返し使用してきた。しかしロシアにとっては、ルーブル安や経済停滞は、クリミア奪回のためには支払う価値のある「代償」であるのは明らかだ。おそらく中国も尖閣諸島(中国名・釣魚島)をめぐって同様の結論に達するだろう。

では、ウクライナをめぐる軍事・外交問題を経済問題に変えたことが誤りであるならば、西側は制裁を科す代わりにロシアとの軍事衝突を選ぶべきだったのか。答えは明らかにノーだ。その理由は、西側が犯した第二の戦略ミスにある。 現代の民主主義では、軍事行動は、十分な議論や外交努力などの手段が尽きた後、真の脅威や道義的問題などへの措置として「特別な状況下」のみで検討される。しかし欧米の指導者らは、難しい外交交渉や議論を避けるための「楽な選択肢」として経済制裁を使っている節がある。

欧米の指導者らは、国境を侵すことは不可能で、民主的な正統性を持つのはウクライナ政府のみだとする姿勢を崩さず、結果的にウクライナとロシアに交渉の余地は与えられなかった。

そして、ロシアの軍事行動にいち早く経済制裁で応じるとの決定は、逆説的な効果をみせた。ウクライナの憲法改正をめぐる外交交渉は、長期にわたり複雑化したとしても、全ての当事者が受け入れる妥協を生み出していた可能性がある。しかし西側は長引く外交交渉よりも即時の経済制裁を選び、軍事衝突が起こるに十分な状況を作り出した。

もちろん長期的には、欧米諸国がロシア経 済を破綻させ、同国の軍事力を損ね、最終的にウクライナでのロシアの優勢を変えることは可能だろう。ロシア経済は輸入に依存した弱い基盤の上に成り立って おり、輸入の原資となるのは石油とガスの輸出だけだ。しかしこの考えは、外交交渉を経済措置に取って替える西側の戦略の最後の欠陥につながる。

国外にあるロシア資産が制裁の深刻な影響を受け始めれば、ロシアの新興財閥は海外資産をロシア国内に還流させることを余儀なくされ、短期的にはプーチン氏に有利に働くだろう。また長期的にみれば、ロシア経済の孤立化はさらに予想に反する結果を生み出す可能性もある。

ロシア経済は現在、他の中所得国に比べ、国際競争から国内産業を保護することにそれほど注力しておらず、驚くほど開放的だ。しかし経済制裁によってロシアが保護主義に走れば、国内の製造業やサービス産業は、たとえ質と生産性は西側の基準を大きく下回ったとしても、今より大きく成長することはほぼ間違いない。

西側からの輸入に頼る現在の消費社会にロシアが背を向け、旧ソ連式の自立やブラジルのような保護主義に向かい、アパルトヘイト(人種隔離)時代の南アフリカのように孤立した場合、ロシアはどのような政治的影響を受けるだろうか。

自信を持って回答できる人はいない。しかし、数年または数十年にわたり世界から孤立していた他国の例をみれば、ロシアの新興財閥が保護主義を掲げるロシアでより多くの富を手にし、プーチン大統領はさらなる権力を得る可能性がある。そして、ロシアの軍事力は衰退よりむしろ増強が進むだろう。 これが経済制裁の意図するところでないことは確かだろう。

*筆者はロイターのコラムニストです。本コラムは筆者の個人的見解に基づいて書かれています。 *アナトール・カレツキー氏は受賞歴のあるジャーナリスト兼金融エコノミスト。1976年から英エコノミスト誌、英フィナンシャル・タ イムズ紙、英タイムズ紙などで執筆した後、ロイターに所属した。2008年の世界金融危機を経たグローバルな資本主義の変革に関する近著「資本主義 4.0」は、BBCの「サミュエル・ジョンソン賞」候補となり、中国語、韓国語、ドイツ語、ポルトガル語に翻訳された。世界の投資機関800社に投資分析を提供する香港のグループ、GaveKal Dragonomicsのチーフエコノミストも務める。 ≫(ロイターコラムニスト:アナトール・カレツキー)

 

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コメント
 
01. 2014年5月11日 21:32:09 : pWTQvub05c
ロシアとドイツの関係はウクライナ問題だけで壊れはしない。
ドイツ前首相のシュレーダーはロシアのガスプロムの子会社の経営陣に納まっている。
ノルドストリームで検索をかけるとウクライナを通るパイプラインとは別の経済的様相が見えてくる。
他にもロシアが引き揚げてしまうと金が逃げて弾けてしまう恐怖におののいている国はある。
長期的短期的のスパンの別を超えて、ロシアとEUはウクライナがお互いの権益をぶつける境界線にしたいなどと考えていないことを知るべきだ。

02. 2014年5月12日 00:20:34 : A3pgkiozSY

あいばさん、あなたの本来の記事は素晴らしいです。  どうか、植草さんの様に立ち上がって下さい。

もし、雇われていて、真実を訴えられないなら、ジャーナリスト失格です。

植草さんは、昨年までの植草さんに戻り、小泉氏をきっぱり、批判しています!!!
      
都知事選での、小沢陣営の投稿者の投稿酷すぎました。  皆しっかり、投稿読んでいるのです・・・国民はぶれません!
             


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