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中国と米国を2日間で結ぶ高速鉄道が実現か
中国、「国際高速鉄道網」計画を全面推進
2014年05月08日13:52
タイから東欧、さらにはアフリカにいたるまで、中国国務院の李克強総理は、外遊すれば必ず、訪問先国での高速鉄道の売り込みに余念がない。李総理は5日、中国が資金援助を行って建設されたアフリカ聨合会議センターにおいてスピーチを行い、アフリカ諸国の指導者を前に、「高度な技術」「万全の運営方式」「品質はお墨付き」「高いコストパフォーマンス」「国際市場からの高い評価」という5大優位性を列挙、中国高速鉄道の素晴らしさを大いにアピールした。京華時報が伝えた。
国家トップクラスの「高速鉄道セールスマン」の役割を担う李総理の背後には、5年にわたり推進されてきた中国の高速鉄道「海外進出」戦略がある。
中国高速鉄道「海外進出」戦略は、「新疆ウイグル自治区を起点に南側のルートから欧州に達する大陸間高速鉄道の敷設」「東北地方を起点に北側のルートから欧州に達する大陸間高速鉄道の敷設」「昆明を起点に東南アジア諸国を貫きシンガポールに直接つながる高速道路の敷設」の三本柱で構成されている。中国政府は、さらなる長期計画として、ロシア、カナダ、米国と協力して、ベーリング海峡を跨いで総距離1万キロメートル以上に及ぶ、アジア大陸と北米大陸を結ぶ高速鉄道の敷設を計画している。
中国工学院院士で鉄道専門家として有名な王夢恕氏は7日、これら国際高速鉄道の敷設計画進展状況について、次の通り説明した。
○計画進展状況:欧亜(欧州―アジア)高速鉄道と中亜(中国―アジア)高速鉄道は計画協議中、汎亜(汎アジア)高速鉄道は6月着工予定
汎亜高速鉄道は今年6月の着工を予定している。雲南省西部の鑽山にミャンマーとつながる全長約30キロメートルのトンネルを建設、ミャンマーを経てタイに至る。もう1本の幹線は、ラオス、ベトナム、マレーシアを経由してシンガポールに到る鉄道だ。同高速鉄道は、中国と東南アジア諸国をより速く結ぶルートとなる。
現時点で、欧亜高速鉄道と中亜高速鉄道の国内区間は、すでに着工あるいは着工準備が進められており、国際区間については、関係各国と協議を行っている段階だ。
○協力方式:高速鉄道建設の技術関連資金は中国が負担、鉄道建設と引き換えに資源獲得
国際高速鉄道の建設においては、「中国が資金、技術、設備を投入して建設する。完成後、経由国が運営に参加する」という大原則がある。このプロセスにおいて、中国は関係国と協議し、高速鉄道の建設事業と引き換えに現地の資源を獲得する。中央アジアや欧州の石油や天然ガス、ミャンマーのカリウム鉱などが一例で、これにより長期的な協力体制を確立し、中国の資源確保をより確実なものとする。
現在計画中のいくつかの国際高速鉄道はいずれも、上述のコンセプトに基づいて協議や建設が進められている。「技術と資源の交換」というやり方によって、中国と周辺諸国との関係強化が促進され、各国間の貿易往来にさらなる便宜が図られる。また、中国国内の希少資源の輸入が確約され、よりスムーズに石油や天然ガスが確保できるようになる。
○長期構想:中国、ロシア、カナダ、米国をつなぐ高速鉄道の敷設計画スタート
高速鉄道による中国人の米国旅行が実現する見込み
中国は、シベリアとベーリング海峡を横断してアラスカに達し、さらにはカナダを経由して米国に達する国際高速鉄道の敷設を計画している。この計画が実現すれば、中国から米国までの列車の旅が実現する。
この鉄道のルートは、中国東北地方を起点に北に向かい、シベリアからベーリング海峡に達し、海底トンネルで太平洋を横断してアラスカに到着、さらにアラスカからカナダを通り最終的には米国に至るというもの。協議はすでに始まっており、ロシアが長年温めてきた構想だ。鉄道敷設のためには、ベーリング海峡を横断する総長200キロメートルのトンネルを建設する必要がある。海底トンネルの建設技術は、福建と台湾を結ぶ高速鉄道のトンネル建設にも応用できる。技術面から見て実現可能な条件は整っている。この鉄道についても、中国側が技術と建設資金を提供し、代わりに経由国の資源を獲得するという方式を採用することを前提に、協議が進められている。
同鉄道は、全長約1万3千メートルに達する見通しで、完成すると、中国から米国に行くのに必ずしも航空機を利用する必要がなくなる。高速鉄道列車に乗り込み、経由する各国で観光を楽しみながら米国に到着できるのだ。設計時速350キロメートルから試算すると、中国から高速鉄道に乗って2日間以内で米国に到着可能となる。
○国際高速鉄道に立ちはだかる3つの課題
いくつかの国際高速鉄道敷設案が発表されると、ただちに各方面から注目が集まった。しかし、実際に敷設するとなると、ことはそれほど簡単には運ばない。あるメディアは、欧亜高速鉄道について詳しく分析した結果、高速鉄道敷設において、中国は次の3つの課題に直面することになると指摘した。
1 巨額の資金調達がかなり難しい。欧亜高速鉄道の敷設には、天文学的数字の費用がかかり、中国一国だけで全額を賄うことは絶対に不可能だ。沿線諸国が資金の一部提供を申し出たとしても、全額を調達することはほぼ不可能に等しい。
2 鉄道運営にも高い壁が立ちはだかっている。十数カ国を通る欧亜高速鉄道をいかにして管理運営するかは大きな問題だ。運営方針をめぐり経由国の意見が一致しない場合は、計画を推し進めることは極めて困難となる。
3 解決困難な技術上の問題がある。世界最大の大陸であるユーラシア大陸を横断する欧亜高速鉄道の沿線の地質環境は極めて複雑で、高い山や険しい谷があれば、大きな河川や湖もある。複雑な地質環境下を走行する高速鉄道の敷設は、技術面で数々の難題を抱えている。
○国際高速鉄道計画および進展状況
1 欧亜高速鉄道
ルート:ロンドンを起点として、パリ、ベルリン、ワルシャワ、キエフを通り、モスクワを通過後2本に分かれる。1本は、カザフスタンに入る。もう1本は、はるか極東を目指してハバロフスクを通り、中国東北地方に至る。
進展状況:国内区間は着工済、海外区間は協議中
2 中亜高速鉄道
ルート:起点はウルムチで、カザフスタン、ウズベキスタン、トルクメニスタン、イラン、トルコの各国を通り、ドイツに至る。
進展状況:国内区間は進行中、海外区間は協議中
3 汎亜高速鉄道
ルート:昆明を起点とし、ベトナム、カンボジア、タイ、マレーシアを順に通過し、シンガポールに至る。
進展状況:中国とミャンマーを結ぶ鉄道トンネルは6月着工予定
4 中国−ロシアーカナダー米国高速鉄道
ルート:中国東北地方を起点として北に向かい、シベリア経由でベーリング海峡に達し、海底トンネルで太平洋を横断してアラスカに到着、アラスカからカナダを通り米国に至る。
進展状況:協議中
(編集KM)
「人民網日本語版」2014年5月8日
http://j.people.com.cn/94475/8621111.html
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