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「高官人事は違憲」タイ インラック首相失職[NHK]
5月7日 17時25分
タイの憲法裁判所は7日、インラック首相が、3年前に行った政府高官の人事について、首相がみずからの利益のために介入した不当なもので、憲法違反だとする判決を出し、これによりインラック首相と一部の閣僚が、失職しました。
この裁判は、インラック首相が3年前、親族を国家警察本部の長官に就けるために、国家安全保障会議の事務局長の人事に介入したとして、首相に反発する上院議員28人が、憲法違反に当たるとする訴えを起こしていたものです。
タイの憲法裁判所は7日、この人事について、首相や大臣の失職に関わる憲法の規定のうち、「国の機関の職員の任命や異動にあたって、みずからの地位を利用して、自己の利益のために干渉または介入してははらない」とする条項に違反するとする判決を出し、「インラック首相の首相としての立場は終わった」と述べました。
これにより、インラック首相と問題の人事に関わったスラポン外相など9人の閣僚が失職しました。
一方、裁判所は、そのほかの閣僚は次の内閣が成立するまで職務を継続するべきだとの判断を示し、ポンテープ副首相は、複数いる副首相のうち二ワットタムロン副首相が当面、首相の職務を代行すると明らかにしました。
反政府デモが続くタイでは、インラック首相が事態を打開するために議会を解散し、ことし2月に選挙が行われましたが、憲法裁判所の判断により無効となり、7月にやり直しの選挙が行われる見通しです。
今回の判決に、インラック首相を支持するグループは反発を強め、近く大規模な抗議行動を計画しており、判決に勢いづく反政府デモ隊との対立が激化することが、懸念されています。
タイで初の女性首相、政策に批判も
インラック氏は、8年前のクーデターで失脚し国を追われたタクシン元首相の妹です。
タクシン一族の不動産会社の会長などを務めてきましたが、2011年の議会選挙で下院議員となり、その年の8月にタイで初めてとなる女性の首相に選出されました。
インラック氏は、首相就任にあたって、タクシン派と反タクシン派の対立の解消を目指し、国民和解を訴えていましたが、最低賃金の引き上げや、政府によるコメの買い取り制度など、タクシン元首相と同様に支持基盤である農村部や低所得層に手厚い政策を実施してきました。
これに対し、反タクシン派の多い首都バンコクのエリート層や中間層などからは、バラマキ政策にすぎず、国に多額の損失をもたらしているという批判や、政策決定には常にタクシン元首相が関わっているといった批判が絶えませんでした。
去年11月には、タクシン元首相の帰国に道を開く恩赦法案の成立を目指したことをきっかけに、反タクシン派の不満が一気に高まり、大規模な反政府デモに発展しました。
インラック氏が事態打開のために打って出たことし2月の議会選挙も、デモ隊によって妨害されたほか、憲法裁判所の判決で無効となり、厳しい立場に置かれていました。
タイの憲法裁判所とは
タイの憲法裁判所は1997年に設立され、政府の法案が、憲法に違反していないかどうかを判断したり、首相や議員の資格を審査したりするほか、政党に対しても違憲と判断すれば、解党を命じることができるなど強い権限を持っています。
法律家や学識経験者など9人の判事で構成されていますが、これまでもタクシン派に厳しい判断を幾度となく示し、タクシン派からは政治的な中立が守られていないとの批判も出ています。
2008年には、タクシン派の当時のサマック首相が、在任中にテレビの料理番組に出演したことは、閣僚の副業を禁じた憲法に違反するとの判断を示し、サマック氏が失職しているほか、ことし3月には、2月に行われた議会下院の選挙について、無効だとする判決を出しています。
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20140507/t10014267491000.html
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