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米マレーシア首脳会談 TPP早期妥結確認 具体策先送り 中国海洋進出 けん制
【クアラルンプール=吉野直也】アジア訪問中のオバマ米大統領は27日、クアラルンプール近郊のプトラジャヤでマレーシアのナジブ首相と会談した。環太平洋経済連携協定(TPP)交渉の早期妥結をめざす方針を確認したが、その具体策は先送りした。中国を念頭に南シナ海での「国際法順守」を申し合わせた。
両首脳が会談後の共同記者会見で明らかにした。オバマ氏はTPPについて「マレーシアにとって重要な問題を議論し、早期解決をめざすことで一致した」と発言した。国有企業と民間企業の競争条件や医薬品の特許期間など難航する分野を抱える両国の協議を進める考えを示したもの。
オバマ氏は「TPPは雇用と仕事を生む」と述べた。ナジブ氏は国益を考慮して調整を続けると強調。「マレーシアにとって配慮すべき部分についてオバマ氏は理解してくれた」と語った。
両首脳は共同声明でTPPの重要性と協議継続を明記したが、ナジブ氏が記者会見で指摘したマレーシアのTPP対応に関する「オバマ氏の理解」については書かれていない。立場の違いが共同声明と記者会見を通じて浮き彫りになっている。
中国が海洋進出を活発にする南シナ海に関して両首脳は平和的な問題の解決や、国際法の順守が重要だとの認識で一致。安全保障政策で連携を強めることを確認した。インド洋に墜落したとされるマレーシア航空機の捜索についてオバマ氏は「米国はあらゆる支援を続ける」と表明。ナジブ氏はこれまでの協力に謝意を伝えた。
米大統領のマレーシア訪問は1966年のジョンソン氏以来、48年ぶり。オバマ氏は当初、昨年10月に訪れる予定だったが、米政府機関の閉鎖を理由に延期した。オバマ氏は中東からアジアに外交の軸足を移すリバランス(再均衡)政策を掲げるが、直前の歴訪中止で本気度が疑われていた。
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TPP対立 踏み込まず オバマ大統領 中国への傾斜懸念
【クアラルンプール=吉田渉】米マレーシア首脳は27日の会談後の記者会見で、環太平洋経済連携協定(TPP)を巡る両国の対立への具体的な言及を避けた。中国への傾斜を強めるマレーシアを追い込まず、東南アジアとの関係再構築を優先する米国の戦略が読み取れる。
「TPPでは私も国内で抵抗を受けている」。オバマ米大統領は記者会見で冗談を交えて語った。TPP反対の世論に直面するマレーシアのナジブ首相に理解を示した格好だ。24日の日米首脳会談後の会見で市場開放を厳しく日本に迫ったのと対照的だ。
中国が経済支援で攻勢をかける東南アジアで、米国の存在感は低下している。マレーシアは米中と等距離の関係を続けてきたが、最近は中国寄りの姿勢が鮮明だ。ナジブ首相は18日、マレーシアを訪問した広東省トップ・胡春華氏に対し「中国は最も信頼できる国だ」と持ち上げてみせた。
もしオバマ氏がTPPで厳しい要求を突きつければ、マレーシアで交渉離脱論が強まりかねないばかりか、東南アジア各国の参加意欲が鈍る恐れもある。そうなれば「中国が推進する東アジア地域包括的経済連携(RCEP)が、東南アジアの通商の枠組みとして優勢になる」との見方が強い。オバマ氏は中国を意識して厳しい要求をひとまず封印したようだ。
[日経新聞4月28日朝刊P.7]
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