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2014年05月02日
アメリカの圧力に屈して、安倍晋三はG7と足並みを揃え、対露追加制裁と云う形で、プーチン大統領関係者23名のビザの発給停止を当面行うとした。ロシア外務省声明は「この措置は外圧(米国)によるもので、日ロ関係の全般的発展が重要だとする日本の見解と矛盾する」と指摘、「制裁でウクライナ問題が解決を見ることはない」と表向き不快感を表したが、官邸とプーチンとの橋渡し役のパノフ元駐日大使は「制裁は資産凍結など含まず、欧米に比べ柔軟な姿勢だ」と語った。ロシア外務省声明では、この一連の日本の制裁に対し、制裁で応じる用意もある、と語っていたが、日本が望まない選択をしたと理解しているので、秋のプーチン大統領訪日がパーになったと考えるのは早計だろう。
ドイツを訪問し、メルケル首相との会談で「力による現状変更は認めない」とか「今後の措置は欧州各国と連携して検討する」など、嫌々対ロ制裁を行っています、と含みを持たせた。“欧州各国と連携して”が味噌で、アメリカの強硬姿勢が、日々目立ち始めている。安倍晋三とメルケル首相は、「全ての当事者に対し、事態沈静化のための働き掛けをしていく必要があり、日独が緊密に協力していく。国際社会でロシアが責任あるプレーヤーとして役割を果たしていくよう求める。ロシアとの意思疎通が重要だ」と語り、5月25日のウクライナ大統領選における国際選挙監視団への協力を交わした。
最近の西側メディアの大統領選状況分析によると、東部出身の、親欧米派の実業家ポロシェンコ議員が過半数の支持を固め、他候補を大きく引き離している、と云うことらしい。しかし、この調査自体が西ウクライナ地域中心に行われたもののようで、東ウクライナの状況分析はお座なりなようである。また、ドネツク州、ルガンスク州では、連邦制の基礎を築くための住民投票を5月11日に行うと親露派が宣言しているので、アメリカ国務省主導のウクライナ大統領選がウクライナ問題を解決する決め手になるかどうか疑問である。
西側メディアは、クリミヤや東ウクライナの情報、情勢ばかりを報じている。正直、西ウクライナの存在を隠しておきたいと白状するような報道姿勢に徹しているのは、不自然すぎるだろう。今、ウクライナ暫定政権の内部が統治能力を有しているのか、NATO政治部が、どのような決定をし、ウクライナに介在しようとしているのか、まともな取材さえないようだ。西ウクライナは、それこそ「普遍的価値」を共有している地域だとでも言うのだろうか(笑)。『デモクラシーNOW』にロシアに詳しいNY大学、プリンストン大学名誉教授のステーブン・コーエン氏が出演し、皮肉を込めた時事評論を展開している。非常に参考になるだろう。
≪ 新たな冷戦のまっただ中 ロシアとウクライナ危機
ウクライナ危機の打開をめざして4月17日ジュネーブで開かれた4者協議で、ウクライナ、ロシア、EU、米国は緊張緩和に向けた一致点をなんとか見出したようですが、合意の履行をめぐって紛糾が続いています。新たな冷戦の様相を呈してきたウクライナ危機をめぐる対立について、ふたたびコーエン教授の話を聞きます。前回の出演からわずか2カ月のうちに、コーエン教授が危惧したことの多くが現実となりました。わずかな期間に急展開した現在の状況は、キューバ危機以来の危険な状況です。
大きな問題は欧米の報道です。ウクライナ危機をめぐって、欧米や日本の主要メディアはプーチン非難の一辺倒ですが、そこには多くの重要な事実が無視されているとコーエン教授は指摘します。
1)欧米のメディアでは、クリミアへのロシアの介入から危機が始まりますが、コーエンによれば昨年11月にEUが当時のウクライナ大統領ヤヌコビッチに最後通牒をつきつけ、EUかロシアかどちらか一方を選べと迫ったことが危機の始まりです。
2)その後のヤヌコビッチ大統領の解任と暫定政権成立は正当な手続きを欠いており、現在のキエフ政府には正当性の乏しいクーデター政権であることが、欧米の議論から抜け落ちています。
3)欧米はプーチンに自重を求めていますが、その一方でNATOは東欧への軍備増強を堂々と発表しています。いったいどちらが緊張をあおり、軍事化を進めているのか? そもそもが、NATOの旧ソ連加盟国への拡大が今回の危機の背景になっていることを忘れてはいけません。東西冷戦終了後のNATOはなんのために存続してきたのかが問われるべきでしょう。
その他に重要な視点として挙げられるのは、今回の緊張で国内のプーチン人気が高まった結果、ちょうど弾みがついてきたばかりのロシア内部の体制改革派の運動が求心力を失い、ロシア社会の民主化が大きく後退する恐れです。たとえプーチンの下で結束を固め、国を守ることができたとしても、その代償が民主主義の後退では残念なことです。 ≫(デモクラシーNOW:中野真紀子)
*スティーブン・コーエン(Stephen Cohen): ニューヨーク大学とプリンストン大学名誉教授。専門はロシア研究と政治学。近著は Soviet Fates and Lost Alternatives: From Stalinism to the New Cold War(『ソ連の運命と失われた選択肢:スターリニズムから新たな冷戦まで』)。
スティーブン・コーエン氏の話の中で、非常に危険な可能性についても言及している。NATO(米国を軸とするEU軍事同盟)とロシア軍の通常兵器にの比較において、NATO絶対有利説が自明となって独り歩きしているわけだが、ロシアが敗戦が確実となった時「核兵器」を使用しないと信じるのは勝手だが、使用しないと保証しているのは西側諸国であり、ロシアのプーチン大統領ではないことに留意すべきだ。半ば、バラク・オバマの都合のいい願望であり、アメリカの思い込みである。
なぜなら、アメリカの覇権維持は執念深く、絶対にその地位を失いたくない「カルト宗教」のレベルに達している。座して死を待つわけには行かない「覇権国アメリカ」は、あらゆる面で攻めに転じたのである。オバマが、アジア重視は、半分は陽動作戦のようなもので、本命は「ユーラシア大陸」の支配権奪取である。その為には、NATO圏の拡大は絶対必要条件であることを認識している。ゆえに、コーエン氏が言う通り、ウクライナ問題を仕掛けたのは、アメリカでありNATO勢力なのである。このアメリカ覇権の死守の為に、ウクライナやバルト三国はロシア、中国封じの軍事拠点化が狙いなのである。その意味で、米国務省、CIAの画策は間違いってはいないようにも見える。
しかし、21世紀は、ユーラシア大陸の時代が再来すると云うのが、世界の知識人の21世紀展望だが、アメリカは、その流れを、何がなんで阻止したい。その為には、まだ優勢な地位にいるうちに、ユーラシア大陸覇権の流れを堰き止めなければならないという戦略を構築したのだろう。ただ、時代を逆行させるアメリカの外交防衛政策は、911以降激しく変質し、激しく劣化の道を進んでいる。日本やアメリカのメディアは、完全に政治コントロール下にあり、プロパガンダ・メディアとなっている。しかし、21世紀初頭の現在では、欧米日の洗脳報道の隙間を縫って、各種メディアやネット言論報道が、一部の真実の暴露に成功している。また、ロシア政府が、堂々とロシアの主張を掲げるサイトも立ち上げられるし、報道もできる。なんだか、一番文明化した民族だと威張り散らしているアングロサクソンこそ、1世紀前の栄光の遺物となって、世界文化遺産に登録されようとしている(笑)。ひと言記しておくが、バラク。オバマは”黒いアングロサクソン”と云うこと。
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