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4者協議「武装解除必要」 ウクライナ危機で共同声明
【ジュネーブ=原克彦】緊迫するウクライナの事態収拾を目指し同国新政権と米欧ロの外相級4者協議が17日、スイスのジュネーブで開かれた。4者は3時間を超す協議の後、事態の沈静化を目指すことで一致、問題解決に向けた共同声明を採択した。今後も協議を継続することで合意した。
協議後に記者会見したロシアのラブロフ外相は「非合法な武装勢力の武装解除を進める必要がある」と発言。ウクライナ東部で武装勢力が庁舎などの施設を占拠していることを念頭に「建物は合法的な所有者に戻されるべきだ」と述べた。「すべての勢力が暴力を控えるべきだ」とも強調した。
協議には米国のケリー国務長官、欧州連合(EU)のアシュトン外交安全保障上級代表、ウクライナのデシツァ外相、ラブロフ外相が参加した。ウクライナ危機で4者による話し合いは初めて。
ウクライナ新政権が親ロ派勢力の強制排除を始めたことにロシアが反発し、協議は中止されるとの見方もあった。ただ、ウクライナ南部クリミア半島の編入強行で米欧の制裁を受けるロシアは、外交による解決に向け対話姿勢を見せる必要があると判断したもようだ。
ロシアはウクライナに連邦制を導入するよう求める立場。米国などは親ロ派勢力の武装解除と撤退が優先課題だとの主張を崩していない。協議では5月25日に予定するウクライナ大統領選挙の正当性も議題にのぼったとみられる。
[日経新聞4月18日朝刊P.1]
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ウクライナ「自治権拡大で妥協を」
ロシア大統領、政権・親ロ派に 軍事介入へ含み
【モスクワ=石川陽平】ロシアのプーチン大統領は17日、テレビを通じ年1回の国民との直接対話を行った。親ロシア派勢力とウクライナ新政権との対立で緊迫する同国東部の情勢について「(両者が)交渉のテーブルに着く必要がある」と表明。事態収拾へ両者が直接交渉によって地方分権などで妥協策を見いだすよう求めた。東部情勢が急速に悪化した場合には、ロシア軍による介入に踏み切る可能性も示唆した。
国民との直接対話はテレビ局のプーチン大統領と全国各地を結び、生放送で国民からの様々な質問に答える形式。質問の大半をウクライナ問題と3月18日のロシアによるウクライナ南部クリミア半島の編入が占めた。
ウクライナの東部情勢ではロシアが親ロ派勢力を支援して軍事介入する懸念が残っている。プーチン大統領は、ロシア議会からウクライナでの軍事力利用の権利を与えられたと指摘。「この権利を行使しなくて済むと期待する」と述べ、親ロ派住民に多数の犠牲者が出た場合の軍事介入に含みを持たせた。
東部問題の解決策に関しては「東部(の人々)は連邦制について、新政権は地方分権について話している」と述べ、自治権の拡大では両者の立場が近いとの見方を示唆。新政権の方が親ロ派勢力との交渉を避けているとして、自治権の拡大に関して詳細を直接話し合うことを求めた。ただ、ロシアが連邦制の導入を支持するという立場は変えていない。
親ロ派勢力が行政庁舎などの占拠を続ける東部情勢では、ロシアが特殊部隊を送り込むなど同勢力を支援していると欧米や新政権が批判しているが、プーチン大統領は「すべてたわごとだ」と否定した。5月25日に投票されるウクライナ大統領選については、候補者への暴力が起きている状況では「結果を認められない」と述べた。
17日にジュネーブで始まった欧米とロシア、ウクライナの外相級の4者協議に関して「きわめて重要だ」と指摘。事態打開へロシア語を第2公用語として維持することや、州知事の公選制の導入など東部住民の権利保護が重要だとして、4者協議が新政権と親ロ派の直接交渉の実現につながることに期待を表明した。
中国との関係では「中国との軍事同盟の計画はあるか」と問われ、「我々は何らかの軍事、政治同盟を形成するとの課題は設定していない」と明言。同時に「国際政治でロ中関係は重要な要素になる」とも述べ、ウクライナ問題を巡り欧米との関係が急速に悪化する中、一段と中国を重視する姿勢を示した。
[日経新聞4月18日朝刊P.9]
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