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(回答先: 北朝鮮 日米の連携にくさびの思惑も:砲撃戦や非難合戦はこれまでの歴史からわかるように前進の前兆 投稿者 あっしら 日時 2014 年 4 月 02 日 04:08:33)
北朝鮮、ミサイル発射は対話の合図[日経新聞]
電子報道部次長 山口真典
2014/4/3 7:00
北朝鮮の挑発が止まらない。3月26日に日本全土をほぼ射程に収める中距離弾道ミサイル「ノドン」を発射したほか、同31日には朝鮮半島西側の黄海で大規模な砲撃訓練を実施。100発余りが南北を分ける北方限界線(NLL)の韓国側に着弾したため、2010年11月の延坪島(ヨンピョンド)砲撃事件以来初めて、韓国軍が本格的に応射する事態に発展した。
ノドン発射は、日米韓首脳がオランダで首脳会談を開いた最中のこと。黄海の砲撃訓練の時も、日朝が北京で政府間協議をしていた。こんなタイミングで、あえて強硬策を次々に繰り出しているのはなぜか。
■「注意をひきたい幼児のよう」
記念日や対話の進展を意識した軍事挑発は、金正恩(キム・ジョンウン)第1書記の父、金正日総書記の常とう手段だった。だから、日米韓当局は節目の記念日や行事が近づくと、朝鮮人民軍に特異な兆候がないかと警戒を強める。
実際、北朝鮮は核問題をめぐる6カ国協議や日米韓との協議の前に、核やミサイルの挑発を繰り返してきた。ある韓国政府関係者は「ミサイル発射は脅威だが、対話を始めるシグナルとも言える」と解説する。
金正日氏の強硬策の特徴は「寸止め」だった。全面戦に突入すれば自らの体制崩壊に直結すると十分理解していたから、日米韓の反応を見極めながら、反撃を受けないギリギリの水準まで緊張を高めていた。
そして金正恩氏。今回のノドンの飛距離は射程の約半分の600キロメートル強。朝鮮半島西側のミサイル基地周辺から、あえて平壌北方の上空を通過するルートを選び、日本の防空識別圏に入った直後に着水した。ミサイル制御技術の向上を誇示したようにみえる。
「いつも母親の注意をひきたい幼児のようだ」。かつて、クリントン米国務長官は、北朝鮮の挑発行為をこう表現していた。
金正日氏は瀬戸際戦術を通じて、主に外交面の効果を狙った。過去には核実験やミサイル発射を強行すれば、だまっていても米国など大国の方から対話を呼びかけてくれた。交渉に参加して実験や発射の凍結など少しだけ譲歩に応じれば、エネルギー支援など大きな見返りを獲得することもできた。
しかし、いまや日米韓は安易な見返りに応じない姿勢で足並みをそろえ、北朝鮮に「核廃棄の具体的な行動」を要求する。こうした外部環境の変化を映してか、最近の金正恩氏の強硬策は外交面よりも、内部の結束強化を期待する色彩が濃くなっているようだ。
昨年2月、金正恩氏は核実験を強行した後で、韓国に核を含む武力攻撃を繰り返し警告した。結局、行動に移すことはなかったが、内部では軍部隊に加えて一般住民にも大がかりな戦時体制を敷いて金正恩氏への絶対的な忠誠心を示すよう迫った。
今回は、北朝鮮外務省が3月30日に「声明」という高いレベルで「新たな形態の核実験も排除できない」と主張。2006、09年のプルトニウム型とは異なり、米国が警戒するウラン濃縮(HEU)型や水素爆弾型などの核実験をちらつかせる。労働党機関紙の労働新聞も「生存権は核の宝剣によってのみ固守できる」などと、連日訴えている。
内部に危機をあおる一方で、日本に対話の再開を呼びかけ、政府間協議では拉致問題の議論にも応じた。韓国の朴槿恵(パク・クネ)政権との対話にも積極さがうかがえる。大々的に強硬路線を宣伝すればするほど、日朝、南北対話から内部の視線をそらしたいという意図が浮かび上がる。
昨年、金正恩氏は権力者だった叔父の張成沢(チャン・ソンテク)氏を処刑した。粛清の全貌は不明だが、中国と太いパイプを持ち、軍の強硬派にもにらみを利かせた張成沢氏を切り捨てたため、以前よりも軍部など強硬派に配慮する必要が増している可能性が高い。
■かさむ経済改革の費用
体制維持に不可欠な秘密資金をはじめ、指導部の財政が逼迫しているという難題ものしかかる。核・ミサイルの開発に加え、経済を再建するための費用もかさんでいるからだ。ところが、国際社会の制裁網は年々狭まっており、かつてのように武器輸出などを通じて幅広く外貨を稼ぐことも難しくなっている。手っ取り早い資金獲得策として、日韓両国から制裁緩和や支援を引き出そうと焦っている可能性は高い。
金正恩氏の体制基盤固めは、なお道半ばだ。当面は、外部に強硬な姿勢を貫く「強い指導者」の姿を軍や住民にアピールしつつ、日米韓との交渉を控えめに求めて譲歩を探るという、一見矛盾した政策を同時に採り続けるだろう。
http://www.nikkei.com/article/DGXNASFK0200J_S4A400C1000000/?n_cid=DSTPCS001
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