http://www.asyura2.com/14/kokusai8/msg/345.html
Tweet |
2014年03月18日
(シンフェローポリ)−クリミア当局は、シンフェローポリ出身のクリミア・タタール人レシャット・アメトフ(Reshat Ametov)氏の強制失踪・殺害事件に関する徹底的な捜査を直ちに行い、実行者を訴追すべきだ。
アメトフ氏の親族はヒューマン・ライツ・ウォッチに対し、氏は2014年3月3日、ウクライナ・シンフェローポリ市のレーニン広場で行われた抗議行動に参加した際、軍服風の上着を着た正体不明の男3人に連れ去られ消息を絶ったと述べた。親族は所在を突き止めようとし、警察にも届け出を行ったが、その努力は叶わなかった。地元警察は3月16日に親族に対し、暴行を受けて死亡した痕跡のある遺体がベロゴルスク市郊外で発見されたと連絡。家族は翌17日に遺体が本人であることを確認した。
「レシャット・アメトフ氏の失踪・殺人事件は、先週来クリミアを覆う無法状態を良く表している」と、ヒューマン・ライツ・ウォッチ欧州・中央アジア局長のレイチェル・デンバーは指摘した。「クリミア当局は、本件を徹底的に捜査し、犯人がいかなる者であれ処罰すべきだ。」
季節建設労働者で3児の父だったアメトフ氏(39)は、クリミア・タタール人のあいだでは良く知られた存在だった。アメトフ氏は住んでいた地区が抱える問題について、当局にたびたび陳情を行っていた。またクリミア・タタール人の現状とクリミアの将来に関する問題を、自身のフェイスブックページでよく議論していたと、ある親族はヒューマン・ライツ・ウォッチに述べた。
アメトフ氏は3月3日朝、レーニン広場を訪ねた。広場のクリミア自治共和国閣僚評議会の庁舎前で、平和的な小規模の抗議行動が行われていた。氏はその晩帰宅しなかった。妻は翌朝になって親族に連絡し、警察に捜索願を出すと共に、抗議行動参加者に夫の所在を尋ねて回った。
ある親族はヒューマン・ライツ・ウォッチに対し、広場にいた目撃者の話として、午前10時頃にアメトフ氏が親ロ派の自衛部隊が作る列を抜け、緑色の制服を着た武器を持つ男たちの方に歩いて行ったと述べた。クリミアのテレビ局ATRの映像には、緑色の制服を着た男2人と黒色の制服を着た男1人(誰も記章をつけていない)が広場からアメトフ氏を連れ去って行く様子が映っている。
アメトフ氏の親族は地元警察に捜査願を提出し、警察は捜査を開始した。しかし強制失踪から2週間経っても、家族にはアメトフ氏の所在や消息についての情報が一切伝えられなかった。
3月16日、シンフェローポリ市の東45kmにあるベロゴルスク市の地元警察は、クリミア・タタール人を代表する機関、メジリス(Mejlis)の弁護士テイフク・ガファロフ(Teifuk Gafarov)氏に、地元住民が近くの森で男性1人の遺体を発見したと連絡した。その翌日、アメトフ氏の妻が遺体が夫であることを確認した。
地元メディアの報道によれば、遺体には拷問の痕があり、アメトフ氏の頭部と手には透明テープが巻かれていた可能性がある。ヒューマン・ライツ・ウォッチは報道内容を裏付けることができなかったが、アメトフ氏の親族によれば、地元警察は死因を「暴行」と記した。アメトフ氏の親族は現在に至るまで、遺体安置所から遺体を引取ることも、死亡証明書を受け取ることもできずにいる。
ヒューマン・ライツ・ウォッチはこれまでにも、自衛部隊と正体不明の武装集団が、クリミア全土で行った人権侵害を取りまとめるとともに、クリミア当局に対し、これら部隊を武装解除し、解散させた上で、人権侵害実行者を訴追するよう求めてきた。
「身分を明かさず、マスクをつけて武装した男たちが、数週間にわたって人びとに嫌がらせや脅迫を続けている」と前出のデンバー局長は指摘した。「こうした不当な行為の停止を求めず、捜査も行わなければ、人権侵害の張本人は増長する一方だ。」
http://www.hrw.org/ja/news/2014/03/18-0
スパムメールの中から見つけ出すためにメールのタイトルには必ず「阿修羅さんへ」と記述してください。
すべてのページの引用、転載、リンクを許可します。確認メールは不要です。引用元リンクを表示してください。