http://www.asyura2.com/14/kokusai8/msg/333.html
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「ウクライナ騒動」は世界のメディアが積極的に報じたが、昨年7月の軍事クーデタ以降続いているクーデタへの抗議活動とそれに対する軍と治安部隊の弾圧により毎日のように死者が出ているエジプトの状況はほとんど報じられていない。
この半年あまりの反クーデタ運動鎮圧過程で生じた死者の数は1千人を超えており、百人ほどのウクライナをはるかに上回る数の犠牲者が出ている。
クーデタ以降ここまでのエジプト政治の推移で見えてくるのは、反ムバラク・民主化要求の市民運動が自主的なものであったとしても、エジプト軍シシ派は、それを目の上のコブであるムバラク元大統領の追い落としに利用しようとして、できるのに民主化運動を抑え込まず“放置”した可能性が高いということである。
(8月以降の反クーデタ運動に対する弾圧を見れば、反ムバラク運動を抑え込むことも可能であったことがわかる)
シシ派がエジプトにおける“アラブの春”そのものを演出した可能性も否定できないが、そうでなくても、死に至るまで権力を離そうとせず、死後は身内に権力を移譲しかねないムバラク派を排除する絶好の機会として市民運動を利用したことは間違いないと思う。
その後、ムスリム同胞団を含む政治勢力による自由選挙が行われ、ムスリム同胞団が議会の多数派となり大統領選にも勝利した。
これらの選挙結果にシナリオがあったとは思わないが、流出した軍の“秘密会議”映像が示すように、軍以外の勢力がエジプトの権力を握ることはとうてい容認できないシシ派は、ムスリム同胞団を泳がせる一方で、反ムスリム同胞団気分も煽り、昨年7月の“反モルシ大統領・反ムスリム同胞団”の大衆運動を準備していった。
そして、あたかも自発的で大規模と思える軍動員の市民運動を利用して、軍事クーデタの正当性を国際的にアピールしたのである。
シシ派の後ろに米国ないし英国の支配層がいたかどうかはわからないが、シシ派が手に入れた結果を英米支配層が受け容れていることは確かであろう。
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エジプトの裁判所、同胞団メンバー529人に死刑判決=弁護人
2014年 03月 24日 17:40 JST
[カイロ 24日 ロイター] -エジプトの裁判所は24日、殺人罪などに問われていたムスリム同胞団のメンバー529人に対し、死刑判決を言い渡した。被告側の弁護人が明らかにした。
弁護人によると被告のうち529人に死刑、16人に無罪が言い渡された。同胞団に対する当局側の締め付けが強まっていることを示している。被告は上訴することができるという。
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http://jp.reuters.com/article/topNews/idJPTYEA2N07420140324
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529人への死刑判決に「大きな衝撃」 米、エジプトに懸念表明
2014.3.25 13:48
米国務省のハーフ副報道官は24日の記者会見で、エジプトの裁判所がモルシー前大統領を支持するイスラム組織ムスリム同胞団のメンバーら529人に死刑判決を下したことに「大きな衝撃を受けている」と述べ、暫定政権に対する懸念を表明した。
ハーフ氏は、警察署襲撃などに対する死刑判決がわずか2日間の審理で下され、多くが欠席裁判だったとし「証拠、証言が公正に吟味されたとは考えにくい」と指摘。民主化に逆行すると批判した。
同時に「エジプトとの関係は重要だ。完全に断交することは望んでいない」と述べ、暫定政権と対話を続ける中で問題提起していくとした。(共同)
http://sankei.jp.msn.com/world/news/140325/mds14032513490003-n1.htm
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