ベネズエラも、アメリカの犯罪的政権によって打倒されつつある
Paul Craig Roberts
2014年3月14日
読者の皆様
アメリカのジョン・ケリー国務大臣が、月曜までに、プーチンがアメリカの命令に従わなければならないという最後通告をロシアにつきつけた以上、第一次世界大戦をもたらした「愚行の行進」の繰り返しを、全員が目にすることになりそうだ。
私の前回コラム、“ドイツ指導部の破綻、メルケル、ワシントンに身売り”で、ロシアのウクライナへの領土ひき渡しを、私は間違って、全てフルシチョフのせいにした。ウクライナに対する最初のロシア領土の贈り物はレーニンによるもので、最後は1990年代初期のセヴァストーポリだ。今日、ロシア領土が、どのようにウクライナに与えられたに対するアレクサンドル・ソルジェニーツィンの説明を掲載した。一方で、アメリカ傀儡キエフ政権は、アメリカ傀儡キエフ政権と関係を持ちたくないと抗議行動をするロシア人に対する暴力行動を行わせるべく、暴漢を送り込み、ロシアに、ロシア軍はロシア人を保護するつもりだという次の警告を発表させた。東ウクライナにロシア軍を派兵するよう、プーチンを挑発するため、アメリカ政府は明らかに、できる限りのことを行っている。メルケルがヨーロッパを売り渡してしまった以上、ウクライナの出来事の針路は明白に思え、おかげで私には、アメリカによる、進行中のベネズエラ・クーデターに取り組む時間ができた。
ベネズエラも、アメリカの犯罪的政権によって打倒されつつある
Paul Craig Roberts
ウクライナ・クーデターを画策したアメリカは、ベネズエラは見出しにならないようにしている。
核武装したロシアとの対立は、ベネズエラとの対立よりはるかに危険だ。しかしアメリカが、ウクライナとほぼ同時期にベネズエラで解き放った暴力は、アメリカ政府の全くの犯罪性を証明するものだ。
南米は常に、あらゆる金と権力を持つ極少数のスペイン人エリートが、民政治的代表を持たない大多数の先住を支配するという構造だった。ベネズエラで、チャベスが、このパターンを打ち破った。国家を掠奪するのではなく、国民を代表して、国民のために働く先住民大統領が選出されたのだ。チャベスは手本となり、エクアドルとボリビアでも、先住民大統領が選出された。
チャベスは、アメリカ政府から憎悪され、アメリカ売女マスコミに悪魔化された。チャベスが癌で亡くなった際、アメリカ政府は慶賀した。
ボリビア大統領エボ・モラレスは、NSA内部告発者エドワード・スノーデンの政治亡命を受け入れたいと思っていた。その結果、アメリカ政府は、ヨーロッパ傀儡諸国に命じて、ロシアからボリビアへの帰路、モラレス大統領の飛行機に対する領空飛行許可を拒否させた。モラレスの飛行機は、あらゆる外交儀礼に反して着陸を強いられ、機内捜査された。以来モラレスは、アメリカ政府の犯罪人達による屈辱的仕打ちを受け続けている。
エクアドル大統領ラファエル・コレアは、ジュリアン・アサンジの政治亡命を認めて、アメリカ政府の標的となった。アメリカ政府の命令で、アメリカの傀儡イギリスは、アサンジの自由通過承認を拒否し、共産ハンガリーのアメリカ大使館で暮らしたミンツェンティ大司教同様、アサンジは在ロンドン・エクアドル大使館で暮らしている。
チャベスの死に伴い、ベネズエラ先住民のニコラス・マドゥロが大統領になった。マドゥロには、チャベスのカリスマはなく、マスコミを所するごく少数のスペイン人エリートの格好の標的となっている。
アメリカ政府は、マドゥロ攻撃を開始し、ベネズエラ通貨を攻撃し、通貨市場での価値を押し下げた。当時、その多くが裕福なスペイン人エリートの子弟である大学生達は抗議行動に駆り出された。ベネズエラ通貨の下落で、物価が上がり、マドゥロの貧困な先住民支持基盤の間で不満が広がった。クーデターを起こす為にアメリカ政府が利用している暴動、物的損害、混乱を鎮めるのに、マドゥロは、警察に頼らざるを得なかった。治安回復と、クーデター未然に防ぐ為の政府による取り組みに、ジョン・ケリー国務大臣“自国民に対するテロ作戦”だと烙印を押した。
抗議行動を画策し、クーデターをたくらんでおいて、ケリーは自分が解き放った暴力に対して、マドゥロを非難し、マドゥロに“人権を尊重”するよう呼びかけた。
アメリカ政府の脚本は常に同じだ。犯罪をおかして、犠牲者に罪をなすりつける。
もしアメリカ政府がマドゥロ打倒に成功すれば、次の標的はコレアだ。もしアメリカ政府がコレアを追い出し、裕福なスペイン人エリートの傀儡政権を復権させることができれば、コレアがジュリアン・アサンジに認めた政治亡命を、アメリカ政府がエクアドル政府に取り消させることができるようになる。ロンドンのエクアドル大使館は、待ち構えているイギリス警察の手中へとアサンジを追い出すよう命じられ、警察は彼をスウェーデンに送り、スウェーデンは、何であれ、アメリカ政府が要求することを自供するまで拷問できるよう、彼をアメリカに送り返すだろう。
ベネズエラの街路で抗議行動をしている、貧しく、だまされやすいカモ達は、ウクライナで抗議行動に参加した人々同様、自分達自身や他の人々に与える損害が全く分かっていないのだ。スペイン人エリート支配下で、自分達の暮らしがどうだったのかをベネズエラ人は既に忘れてしまった。ベネズエラ国民は、自分達を連中の奴隷に戻そうとするアメリカ政府を支援しようと断固決意したように見える。
もしアメリカ政府がベネズエラとエクアドルを再征服すれば、次はボリビアだ。そして、ブラジルだ。ブラジルはBRICS (ブラジル、ロシア、インド、中国、南アフリカ)の加盟国であり、アメリカ政府は、この国々がアメリカ・ドルを使わない貿易圏を立ち上げる前に、この組織を破壊するつもりなので、アメリカはブラジルも視野に入れている。
つい先頃、アメリカ幹部が(アメリカ政府)が、ロシアを苦境に陥れ次第、南米の成り上がり連中に対処する予定だと語った。
計画は予定通り進んでいる。
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Paul Craig Robertsは、元経済政策担当の財務次官補で、ウオール・ストリート・ジャーナルの元共同編集者。ビジネス・ウィーク、スクリプス・ハワード・ニュー ズ・サービスと、クリエーターズ・シンジケートの元コラムニスト。彼は多数の大学で教えていた。彼のインターネット・コラムは世界中の支持者が読んでい る。彼の新刊、The Failure of Laissez Faire Capitalism and Economic Dissolution of the Westが購入可能。
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朝刊を読むのが恐ろしい。今朝も実に恐ろしかった。
ジャパンハンドラーとして高名なハーバード大教授の、憲法解釈見直しは「支持」という大きな見出し。
三面、その教授と、お仲間?安保法制懇座長代理氏の見直し推進論と、「戦争に巻き込まれる恐れ拡大」という当然の懸念を表明しておられる先生、三人の並列記事。
一日憂鬱になった。
TBS-BS、折しもこの話題を報道。大本営広報ではないので憂鬱さは多少緩和。
「憲法9条を無くすのと同じことです」というのが、阪田元法制局長官の結語だった。
月刊日本三月号、ブログ「神州の泉」「国家戦略特区の規制緩和は6分野だけでは収まらないはずだ」を拝読し、購入にでかけた。
- 菊地英博「安倍首相よ、新自由主義と決別せよ」
- 東谷暁 「国家戦略特区はTPPの受け皿だ」
を読みたくて。
巻頭言 再び言う!「亡国に至るをしらざれば、これ即ち亡国」
有名な田中正造の言葉が冒頭にある。
亡國に至るを知らざれば之れ即ち亡國の儀に付質問 田中正造
青空文庫で読める。
「再び言う」とあるのは「月刊日本」11月号に「亡国に至るを知らざればこれ即ち亡国」と言う巻頭言を書いた為。11月号巻頭言、田中の活動についてより多く触れられている。