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対アフリカ援助、中日の長短を比較
2014年03月12日08:28
新年早々、中国と日本という「アジアのライバル」が競争を繰り広げる主戦場は、急激にヒートアップする東アジアから、両国にエネルギーを供給し市場を開放できるアフリカ大陸に拡大された。特に過去10年間に渡り、対アフリカ貿易・投資・援助の新たな大国となった中国と、かつての最大対外援助国である日本は、アフリカでの存在感と影響力を巡り競争を展開した。アフリカという広大で測りがたい、チャンスと課題が共存する「外交の戦場」において、中日という競争者はそれぞれどのような長所と短所を持っているのだろうか。国際商報が伝えた。
記者は中日両国の対アフリカ貿易・投資・援助、ソフトパワー、国家のイメージから、両国のアフリカの「賃借対照表」を比べ、アフリカでの競争力を分析した。
◆貿易
中国は数値的には日本に完勝している。中国は2009年より、米国に変わりアフリカ最大の貿易パートナーとなった。日本の2013年1−11月の対アフリカ貿易額は283億8000万ドルに達し、そのうち日本の輸出額は107億1000万ドル、輸入額は176万7000ドルとなり、金融危機前の水準には戻らなかった。一方中国の2012年の対アフリカ貿易額は2000億ドル弱に達し、2013年は2000億ドルを突破する見通しだ。両国の対アフリカ貿易額は、すでに段違いとなっている。
ところが品質面を見ていくと、中国とアフリカの貿易には多くの「借」が存在する。例えば中国製品の品質は低いことがあり、安価ではあるが、アフリカの消費者に良好なショッピングの体験をもたらしていない。一方で日本製品はアフリカで、高品質の代名詞になっている。中国の対アフリカ貿易は赤字となっているが、これは資源類の貿易赤字によるものだ。中国は多くのアフリカ諸国に対して大規模な黒字を計上しており、多くの不満を招いている。
◆投資
投資額でも、中国は日本に完勝している。中国の2012年の対アフリカ直接投資残高は217億3000万ドルに達したが、同期の日本は68億9000万ドルのみと中国の3分の1にも満たなかった。対アフリカ直接投資額のデータを見ると、中国は25億2000万ドルで、日本は1億ドル余りとなった。
日本の対アフリカ投資には長い歴史がある。日本は1960−70年代にアフリカに殺到し、鉱産物を開発し、市場を開拓した。その後は日本の不景気により、対アフリカ投資も長期的に低迷した。中国が2006年頃に対アフリカ投資を拡大したのとほぼ同時に、日本の対アフリカ投資も大幅に拡大された。しかしこの勢いは長く続かず、金融危機が日本の対アフリカ投資に大打撃を与えた。現在の純粋な投資額を見ると、日本はすでに中国に大きく後れを取っている。これは安倍首相が大規模な日本企業代表団を引き連れ、アフリカを訪問しようとする原因でもある。
しかし投資の収益を見ると、日本は中国の師と呼べる。日本は30−40年前からアフリカの資源の分布状況の調査を進めており、基礎的な資料がすでに整っている。中国は近年になりようやく、アフリカの資源調査に本格的に取り組むようになった。労使関係を見ると、日本はアフリカで長く経営を維持しており、労使関係を処理するモデルを形成している。中国が「資本家」としてアフリカに進出した歴史は浅く、労使関係の矛盾を解決する際に泥沼化しやすい。
◆援助
外務省のデータによると、日本の2010−2012年の対アフリカ開発援助額は56億ドルに達した。これにはアフリカ開発銀行への借款、無利息・金利優遇貸付、無償援助が含まれ、輸出信用は含まれなかった。
中国の対アフリカ援助は政府主導型だが、日本の民間による対アフリカ援助は、援助全体の中で高い比率を占めている。これには貿易保険および実体企業が、輸出入銀行から獲得する貸付が含まれる。統計データによると、サハラ以南の重債務貧困国(HIPCs)に対する、日本の民間による開発援助の貸付残高は1400億円以上に達している。中国の対アフリカ援助については、データがまったく公開されていないが、その総額は日本とほぼ同水準と予想できる。中国財政部(省)の、2010−2012年の3年間に渡る対外援助総額は462億2100万元(約7650億円)に達する。中国国務院の温家宝元総理の発言によると、2007年の対アフリカ援助は全体の30%を占めた。この比率が維持されたとするならば、2010−2012年の対アフリカ援助額は約23億ドルに達し、日本が独自の方法で計算した56億ドルという金額に劣らない。
中国の対アフリカ援助には、ソフトローンが含まれる。「中国・アフリカの経済貿易協力(2013)」白書によると、2009年の中国・アフリカ協力フォーラム第4回閣僚級会合から2012年5月まで、中国のアフリカに対するソフトローンの総額は、3年未満の期間内に113億ドルを超えた。そのうち一部は援助を目的とした貸付で、その他は援助を目的としない輸出信用だった。このように計算すると、中国の対アフリカ援助額は、日本とほぼ同水準であると言える。
しかし中国の援助の増加率は日本を上回る。これは安倍首相が、3年内に円借款を倍増させると約束を急いだ背景でもある。
◆ソフトパワー、国のイメージ
中国とアフリカの交流の歴史は、少なくとも明朝の「鄭和の西洋下り」まで遡ることができる。1960年代より、中国と独立後のアフリカ諸国の交流が頻繁になった。中国は自国がまだ苦しい状況の中、アフリカに大量の援助を提供した。そのうちタンザン鉄道は、中国の援助の象徴的なプロジェクトで、中国のアフリカにおける「名刺」となった。この援助により中国はアフリカ諸国で広く支持を集め、良好な歴史的イメージを残した。ただし、中国はこれにより大きな犠牲を強いられた。
アフリカ人は自国の緩慢な発展と比べ、中国の台頭に驚いている。中国のカンフー映画は、昔からアフリカで流行している。中国の現代ドラマも近年アフリカ市場でシェアを占め始めている。中国語が徐々に、アフリカの大学の教室に進出している。
しかし中国のマイナスイメージも、発展と共にアフリカに浸透している。中国人とアフリカ人は文化面で多くの異なる点を持ち、一部の対立の原因になっている。そのうち最も際立っているのは労使関係の対立、不法移民問題、環境保護問題だ。食事についてもそうで、「中国人は何でも食べる」は、アフリカ人にとっての中国の独特なイメージになっている。
明朝の頃よりアフリカ諸国との交流を開始した中国と比べ、日本は新参者と言える。アフリカ諸国は1960年代になり初めて、日本経済の高度発展の中、綿製品輸出の重要な貿易パートナーになった。日本はその後の産業構造の問題により、2回のオイルショックを除き、アフリカでの経済的利益を減少させた。(編集YF)
「人民網日本語版」2014年3月12日
http://j.people.com.cn/94476/8562868.html
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