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EU、ウクライナ巡り温度差 経済支援は前向き
2014/3/1 23:40 (2014/3/2 1:10更新)
【ベルリン=赤川省吾】欧州連合(EU)のバローゾ欧州委員長は1日、「ウクライナの単一と主権が尊重されなければならない」と述べ、同国からのクリミア自治共和国の分離やロシアによる同地域への軍事介入に強い懸念を表明した。ただ、ウクライナ情勢にどこまで深入りするかを巡って、域内には温度差がにじむ。
EU加盟国でウクライナ新政権を強力にバックアップしているのは、バルト3国とポーランド。ロシアに接近したヤヌコビッチ政権に抵抗する反政府運動をいち早く支持し、その反政府デモを弾圧する親ロ派に厳しい姿勢で臨むようにEU内で呼びかけていた。
いずれも旧ソ連の影響下から逃れるのに四苦八苦した歴史があり、ウクライナ情勢を自らの苦難と重ね合わせる。ウクライナのEU加盟にも前向きだ。これをポーランドのトゥスク首相は「安全保障上の戦略」とも説明する。隣国ウクライナをロシアとの緩衝地帯にしたいとの思惑がにじむ。
これに対し、ドイツは当初、親欧派だけに肩入れすることに慎重だった。ウクライナでの親ロ派と親欧派の亀裂が深まり、収拾がつかなくなることを恐れた。1990年代のユーゴスラビア内戦のような事態になるのを避けたかった。この考えにフランスも同調した。
誤算だったのはヤヌコビッチ政権の強権姿勢。治安部隊との衝突で死傷者が出るとポーランドなどに突き上げられ、親欧派の政権樹立を後押しせざるを得なくなった。
それでも自由貿易協定(FTA)などは話し合うが、EU加盟論議にはなお及び腰。ウクライナとの間の経済格差が大きいことなどがハードルになっている。
http://www.nikkei.com/article/DGXNASGM0102B_R00C14A3FF8000/
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