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アングル:ソチ閉幕で強硬回帰か、懸念高まる「プーチン外交」
http://jp.reuters.com/article/topNews/idJPTYEA1O07E20140225
2014年 02月 25日 17:29 JST
[24日 ロイター] -ロシア南部で今月7日から23日まで開催されたソチ冬季五輪。プーチン大統領は同五輪で、自身やロシアが持つ「ソフトな一面」を世界に見せようと全力を尽くした。
しかしソチ五輪が閉幕した現在、欧米政府は、プーチン氏の表情から笑みが消え、ヤヌコビッチ政権が崩壊したウクライナをめぐり同氏が欧州との主導権争いを活発化させる可能性を懸念している。
ロシアは五輪閉会式の終了とほぼ同時に、駐ウクライナ大使を召還したと発表。国営テレビも閉会式が終了する前に、ヤヌコビッチ氏に対する痛烈批判を開始した。司会者のドミトリー・キセリョフ氏は「取り返しのつかない事態になった」とし、「ウクライナは分裂の一歩手前だ。おそらく内戦への入り口を通過してしまった」と述べた。
プーチン氏自身は今のところ、ヤヌコビッチ政権の崩壊について公の場で言及していないが、キセリョフ氏はプーチン氏が信頼を置く人物だ。
欧米の指導者らは、ウクライナへの影響力低下を避けたいロシアが、ウクライナと欧州の関係強化を阻止するため、同国に軍を派遣する可能性を懸念している。
米国のライス大統領補佐官(国家安全保障担当)はロシアがウクライナに軍を派遣する可能性について、「重大な過ちになるだろう」と発言。「ウクライナの分裂を、ウクライナ自身も、ロシアも、欧州も、米国も望んでいない。暴力が再び起こり、状況が悪化することを誰も望んでいない」と述べた。
<歓迎すべき転換点>
プーチン大統領にとって、ソチ五輪開催は歓迎すべき転換点となった。ロシアは国別メダル獲得数でトップとなり、イスラム過激派による攻撃予告は根拠がなかったことも示され、競技会場も称賛の対象となった。
大統領自身も五輪代表選手らを訪問したほか、米国の五輪委員会の幹部らと一緒にワインを飲み、スキー場ではボランティアらとの写真撮影にも応じた。
コザク副首相は「五輪での笑顔、温暖なソチの天候、金メダルの輝きが、新たなロシアに対する疑念を覆う氷を溶かした」とコメント。「ソチ大会が、ロシアとその文化、国民をより親しみやすく、魅力的で理解しやすい存在に変えた」と語った。
ソチ五輪開催中は、抗議デモも小規模にとどまり、競技会場から離れた場所で行われた。デモ開催には事前に当局に報告する義務もあった。
一方、ロシアの裁判所は21日、2012年に行われたプーチン大統領に対する抗議デモに参加し、警察に危害を与えたとして8人に有罪判決を言い渡した。量刑は五輪閉幕後の24日に決定する見通し。
<見せ掛けの恩赦>
ソチ五輪開催の前には、10年以上にわたり服役した元石油王で、プーチン氏の政敵とされたミハイル・ホドルコフスキー氏や、反プーチン政権の曲を演奏して収監された女性パンクバンド「プッシー・ライオット」のメンバー2人が恩赦で釈放された。プーチン氏の反対勢力は、釈放の唯一の目的は欧米に歩み寄るためだとし、見せ掛けだけの恩赦だと非難した。
ロシア政府はこれを否定。また、反政府勢力の弾圧や政治目的での裁判所利用も事実でないとしている。
ソチ五輪開催をめぐる総投資額が約500億ドル(約5兆1300億円)に達したとされることについても、プーチン氏は汚職があったことを示す証拠はないと強調。そのような証拠があれば調査すると述べた。
国際オリンピック委員会(IOC)のトーマス・バッハ会長はソチ五輪の閉会式前に報道陣に対し、「素晴らしい五輪だった。選手たちがとても満足してくれたことが何よりも大きい」とコメントし、開催国ロシアに対する称賛の意を表明した。
一方、ソチ五輪が開催されてもロシアが根本的に変わることはないとの見方もあり、今後はこれまで通りの方針に戻ることが懸念されている。
国際人権団体「アムネスティ・インターナショナル」のセルゲイ・ニキーチン氏は、「活動家に対する嫌がらせ、拘束、逮捕、ねつ造された不正行為、公平でない裁判は国際社会の注目を集め、五輪に暗い影を落とした」と指摘。その上で、五輪が閉幕し、世界のメディアがロシアを離れた後は、先行きへの懸念が残ると語った。
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