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知っておきたい! 富士山大噴火で予想される被害 火山国で暮らす私たちが知っておきたいこと(4)
http://gendai.ismedia.jp/articles/-/45240
2015年09月14日(月) 日本火山学会 現代ビジネス
もし富士山が噴火したら、その被害は?
このたび刊行される日本火山学会編『Q&A 火山噴火 第二版』から、誰もが気になる疑問をピックアップ、6日連続で本書の一部を特別公開します(第4回)。
富士山の噴火を知る
【Q9】 富士山で起きている低周波地震とはなんですか?
――A 富士山の低周波地震は、観測網が整備された1980年以後、1年間に十数回から数十回程度起きています。
富士山で起こる普通の地震と低周波地震の波状比較
低周波地震とは、活動が活発な火山の周辺で観測される地震(火山性地震)のうち、1秒間の振動数が少ないものをさします。 普通の地震では、1秒間に10回以上もの揺れ(振動)が10秒程度続くのですが、低周波地震では1秒間に1、2回くらいの揺れがだらだら続きます。
しかし、特徴的な周波数(1秒間あたりの振動数)については火山ごとに異なるため、どの範囲の周波数が低周波地震であるとは簡単にはいえません。
火山の低周波地震は、特定の場所に集中して起きることがよくあります。富士山でも、震源は頂上直下、深さ15〜20キロメートルほどのところに集中しています。
このように、火山直下の地殻のやや深いところからマントルの最上部にいたるあたりで、低周波地震が発生していることが、1980年代から分かってきました。
噴火の前後に活発化する場合もあるので、地下のマグマの動きと関連して発生していることは間違いないでしょう。
【Q11】 もしも富士山が噴火した場合、どのような災害になるのでしょう?
――A 富士山が噴火した時の災害の様子は、どこで、どのくらいの規模で、どのようなタイプの噴火をするかで変わってきます。
最近2000年間では、山頂ではなく、北西、南東斜面で噴火が起きることが多いようです。
次の噴火も、これらの地点で起きる確率が高いと思われます。噴火の規模については、地下にあるマグマの量が不明であること、また、たとえ多量のマグマが地下に溜まっていても、必ずしもそのすべてが噴出するとは限らないので、はっきりと断言することはできません。
そこで、仮に最悪の災害に備えるなら、これまでに富士山で起きた最大規模の噴火と同等の噴火が起きたらどうなるかを考えるべきでしょう。
富士山の噴火の大半は、溶岩か火山灰や火山礫を噴出するタイプです。中でも広範囲に大きな影響を与えるのは、火山灰や火山礫(以下、火山灰と略す)による被害です。
富士山の宝永噴火で火山灰が降った範囲と堆積物の厚さ
歴史時代の富士山噴火で最大規模の噴火である1707年(宝永4年)の噴火では、火山灰だけが約半月間も噴出し続けました。この火山灰は南関東一円を覆い、富士山の東麓で約3メートル、江戸でも約5センチメートルの厚さに積もりました。
火山灰は、雪のようには融けないので、麓の町が元の状態に戻るのに、50年以上かかったそうです。
今もしこれと同じ規模の噴火が起きれば、東名高速道路は通れなくなり、羽田や成田などの空港も閉鎖されてしまうでしょう。建物の間から入り込んだ火山灰は、電子機器にも悪影響を及ぼし、人間にも呼吸器障害を及ぼすなど、悪影響が予想されます。また富士山の周辺では、積もった火山灰が雨で流れ出し、河川を埋めて洪水を引き起こすことなども考えられます。
ただし、その噴火が起きた時の風向きにより、火山灰が降る場所は変わります。
溶岩による災害は、富士山のごく周辺に限られますが、溶岩が町を襲うか山の中で止まるかにより、影響はまったく異なります。
富士山は、この宝永噴火を最後に、300年以上沈黙しています。しかし、それ以前の歴史時代にも絶えず噴火を繰り返しており、現在は比較的長い休止期間中と考えるべきでしょう。
日本火山学会・編
『Q&A 火山噴火 127の疑問
噴火の仕組みを理解し災害に備える』
講談社 ブルーバックス 税別価格:900円
戦後最大の火山災害を引き起こした御嶽山の噴火から1年。箱根山、口永良部島、浅間山、桜島など、つぎつぎと火山活動が活発化し日本列島に異変が起きているのでは?――富士山は噴火しないのか、火山災害からどう身を守ればよいのか、噴火予知は可能なのか、有珠山、三宅島、雲仙普賢岳はだいじょうぶか――火山にまつわるさまざまな疑問に火山学者が真摯に回答します!
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