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http://blogs.yahoo.co.jp/taked4700/13287624.html
リスボン地震とニューマドリッド地震
1755年にポルトガルの首都リスボンをＭ８級の地震が直撃しました。1811年から1812年にかけて、アメリカ合衆国のほぼ中央部でやはりＭ８級の地震であるニューマドリッド地震が起こりました。この二つの地震は大西洋を挟んでほぼ向かい合っています。リスボンがあるユーラシアプレートとアメリカが乗っている北アメリカプレートは大西洋中央海嶺という境界で隣り合っています。
ウィキの「リスボン地震」（ https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%AA%E3%82%B9%E3%83%9C%E3%83%B3%E5%9C%B0%E9%9C%87 ）によると、
＞リスボン地震 (1531年) - 1,500軒破壊
＞リスボン地震 (1755年) - 直接の死者3万人、欧州史上最大の自然災害
＞リスボンはこの時期に多数の地震に見舞われている。
＞14世紀7回、16世紀5回、17世紀3回、18世紀3回（1724年、1750年、1755年）
となっていて、1755年のＭ８級の地震だけでなく、相当の回数、リスボンで地震が起こっていたことが分かります。
Disaster Theory: An Interdisciplinary Approach to Concepts ...
（ https://books.google.co.jp/books?id=8ulDBAAAQBAJ&pg=PR22&lpg=PR22&dq=lisbon+earthquake+1724+1750&source=bl&ots=sw0QjOH3b4&sig=Rb8D7fvjQwBxxJbs-nZa_xOC26s&hl=ja&sa=X&ved=0CD0Q6AEwBWoVChMI49OGm7zmxwIVw7qUCh1IrwhR#v=onepage&q=lisbon%20earthquake%201724%201750&f=false ）には、1755年リスボン大地震の前に、次のような地震が起こったとされています。
1356年、1531年、1551年、1597年、1598年、1699年、1724年、1750年。
リスボン大地震の発生間隔は、1531年と1755年から推定して、約200年であり、既に次回のリスボン大地震は発生時期に入っていることになります。しかし、「18世紀3回（1724年、1750年、1755年）」という記述が正確なものであるなら、1755年のリスボン大地震には少なくとも2回の前震活動があったことになりますから、2015年の8月現在で、こういった前震活動は観察されていないため、今後10年程度は少なくとも発生しないだろうと思われます。
ＵＳＧＳのアメリカ国内の歴史地震としてリストされているもっとも昔のものが1568年のコネチカット州の地震です。（ http://earthquake.usgs.gov/earthquakes/states/events/1568.php ）コネチカット州はニューヨークのすぐ上で、大西洋に面している州ですから、1531年のリスボン地震との関連性があるかもしれません。
ニューマドリッド地震は1811年から1812年にかけてのもの以前にも起こっています。この地域での他の地震としては、https://en.wikipedia.org/wiki/New_Madrid_Seismic_Zone によると、1699年12月の地震や1450年、そして西暦900年前後とか300年前後のものがある様子です。
ニューマドリッド地震の発生間隔は、上のデータから判断すると、100年程度から600年程度でしょう。100年と600年では6倍も違いますから、次回の発生時期を判断するためにはあまり意味がありません。
なぜニューマドリッド地震はこんなに発生間隔が異なるのでしょうか。あくまで推測でしかありませんが、ミシシッピー川の中流域での地震であり、北アメリカ大陸の沿岸部から遠く離れた活断層の活動であるため、プレート境界で発生した地殻の歪みの影響がいろいろな要素の影響を受けてしまうからでしょう。
ここで、再度、それぞれの地震の最近の発生履歴を比較してみます。
リスボン地震： 1755年、1531年、1356年
ニューマドリッド地震：1811年、1699年、1450年
ここから推測できることは、リスボン地震の方がニューマドリッド地震に先行していて、その期間は50年から150年程度あるということです。現状では、リスボン地震自体がまだ起こっていず、更に、リスボン大地震の前には少なくとも数回小規模な前震活動がある様子ですから、リスボン大地震が、近い将来、つまり、10年間程度の内に起こるとは思えません。同様に、ニューマドリッド地震もまだまだ発生はしないでしょう。
ただし、こういったことが、マグニチュード5から6程度の地震の発生がないという意味ではないことに注意が必要です。ヨーロッパや北アメリカ大陸で、原発直下のＭ６地震が起こる可能性はないとは誰も言えないのです。
2015年9月9日09時30分 武田信弘
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