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アメリカの戦略、シェール開発の二つの狙い
アメリカのシェール開発には水平掘りと水圧破砕と言う技術が用いられていて、それが将来の高温岩体発電をねらったものだと言うことは既に何回も述べてきました。
以前から考えていたことですが、もう一つの狙いがシェール開発にはありそうだと言うことを述べたいと思います。それは、地震対策、つまり、地震被害を少なくさせるためだということです。
アメリカやヨーロッパは地殻が日本に比べて格段に硬く、そのため、地表近くで地震が発生します。震源深さが5キロ程度であることが普通であり、スイスに近い山岳地域ですと、震源深さがマイナスで表示されることもあるほどです。つまり、山岳地帯の地下であり、海水面に比べると高い地点が震源になっているということです。
シェール開発で水平方向に井戸を掘る深さは数キロ、つまり、3キロ程度です。地上から鉛直方向に3キロ程度掘り下げ、その深さで水平に井戸を掘るわけです。シェールは頁岩という岩であり、シェール井戸を掘ることは、ある意味、その岩盤を破壊していることと同じです。特に水圧破砕はシェール井戸の周囲の岩盤に細かい亀裂を入れることになり、地震波が岩盤を伝わりにくくする効果があります。
以前は、震源深さが5キロ程度であるのに、深さ3キロ程度のところに亀裂を入れてもあまり地震そのものを防ぐ効果はないと考えていたのですが、たとえそうであっても、シェール井戸が地震波の減衰を起こさせるために、原発に地震の影響を与えにくくする効果はあると思えるため、この記事を書くことにしました。
アメリカでのシェール開発区域の地図( https://en.wikipedia.org/wiki/File:United_States_Shale_gas_plays,_May_2011.pdf )と原発の分布図( http://www.mapcruzin.com/images/seismic-nuke-facility-450x273.png )、そして最新2週間の地震発生地図( http://www.emsc-csem.org/Earthquake/Map/zoom.php?key=5&typ=world#5 )を比べると、ニューヨーク近隣の原発密集地域とミシシッピー川中流域の地震活動が活発化している地域との間に、マーセラスというシェール開発区域があることが分かります。ミシシッピー川中流域は200年ほど前にニューマドリッド地震と言うマグニチュード8クラスの地震が発生した区域です。
ただし、ニューマドリッド地震の再来に対する対策としては意味があっても、5大湖やセントローレンス川の流域を震源とする地震には対策となっていないはずで、やはり、原発廃炉が必要であることに変わりはないはずです。よって、アメリカは、基本的に今後原発廃炉を順次進めていくことは確実であると思えます。順次と言うことの意味は、2004年のスマトラ島沖地震や2011年の東北地方太平洋沖地震を見て、まずはアメリカ西海岸の原発廃炉を進め、その次にニューヨーク周辺の原発廃炉に取り組むということです。
翻って日本を見ると、アメリカの様な戦略的な投資が出来ていないように思います。アメリカに比べて格段に地震影響は大きく、特に静岡県にある浜岡原発の危険性は際立っていますが、1号炉と2号炉の廃炉がされただけで、3号炉から5号炉については再稼働を目指しているとされています。同様に、今後南海トラフでの巨大地震の発生が近いとされていて、その震源域を空白域として、その周囲でマグニチュード6から7程度の地震が続発するはずですが、そういった地震頻発地域には川内原発や伊方原発、島根原発が立地しています。
2015年8月21日21時35分 武田信弘
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