http://www.asyura2.com/14/jisin20/msg/739.html
Tweet |
大規模な地滑りが発生した2008年6月14日の岩手・宮城内陸地震
地滑り地形だらけの日本列島 地震だけ警戒していればいいわけではない
http://www.zakzak.co.jp/society/domestic/news/20150703/dms1507030830007-n1.htm
2015.07.03 警戒せよ!生死を分ける地震の基礎知識 夕刊フジ
7年前に岩手・宮城内陸地震が起きた。4022ガルという史上最大の揺れ(加速度)を記録した地震である。死者行方不明者は23人に達した。
岩手県一関市の国道の祭畤(まつるべ)大橋が飴のようにぐにゃりと曲がって落ちてしまった。また、90キロメートルほど南の仙台市でも室内に積み上げてあった書籍の下敷きになって男性が死亡した
しかし、被害はそれだけではなかった。この直下型地震はとてつもない大きさの地滑りを引き起こした。その爪痕は今でも残っていて、いまでも立ち入り禁止になっている。
その地滑りは幅900メートル、長さ1300メートルもあった。東京でいえば東京駅から新橋までの全部が滑ったことになる。
滑った土砂の体積は東京ドーム54杯分にもなった。水平距離で300メートル以上も移動してしまった場所もあった。地形が大規模に変わってしまったのだ。
この地滑りは急傾斜のところで起きたのではない。わずか1〜2度と非常になだらかな傾斜の「滑り面」が滑ることによって起きた。車なら気がつかず、歩いていればようやく気がつく程度の傾斜だ。
この「滑り面」は地下に隠れている。かつて火山灰が降り積もった「シルト層」といわれるものだ。この層が滑ったことによって、その上に載っていた土砂がすべて滑ってしまったのである。
ちなみにこの地震は、政府の地震調査委員会が発表している地震危険度地図ではまったくノーマークだったところだった。地震予知はかくもあてにならないものなのである。
東北地方だけで幅150メートルを超える大規模な地滑りが起きる可能性がある地形は6万カ所もあることが分かっている。
地滑りを起こす原因は地震にかぎらない。大雨でも各地でたびたび地滑りを起こしてきた。
地球が温暖化すると、気象が「凶暴化」する。台風はいままでよりも強くなり、いままで降らなかった大雨も各地で降るようになる。
この凶暴化のさきがけではないかと思われている大雨のために、2014年夏には広島市安佐南区を中心に大規模な地滑りが起きた。死者74人、住宅の全半壊約250棟という大きな被害を生んでしまった。
2メートル四方の土砂は重さ10トンもある。直撃されれば人も家もひとたまりもない。
地滑り地形は日本全体だと37万カ所もある。犠牲者が出るほどの大雨や地震による斜面災害は日本でこれまでは2〜3年に1回は起きてきた。だがこれが、もっと増えるかもしれないのだ。
平地が少ない日本ではそもそも崩れやすい地形が多い。地震はもちろん心配だが、地震だけを警戒していればいいというわけではないのだ。
■島村英紀(しまむら・ひでき) 武蔵野学院大学特任教授。1941年、東京都出身。東大理学部卒、東大大学院修了。北海道大教授、北大地震火山研究観測センター長、国立極地研究所所長などを歴任。著書多数。最新刊に『火山入門−−日本誕生から破局噴火まで』(NHK出版新書)。
投稿コメント全ログ コメント即時配信 スレ建て依頼 削除コメント確認方法
スパムメールの中から見つけ出すためにメールのタイトルには必ず「阿修羅さんへ」と記述してください。
すべてのページの引用、転載、リンクを許可します。確認メールは不要です。引用元リンクを表示してください。