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3.11でも首都圏は大混乱だった(C)日刊ゲンダイ
大地震が起きたとき…JRでの「帰宅プラン」は捨てるが吉
http://www.nikkan-gendai.com/articles/view/life/160563
2015年6月9日 日刊ゲンダイ
M8超を記録した小笠原の地震で、首都の交通網はマヒ。電車は、私鉄も地下鉄もJRも遅れ、東京駅では仮眠用の新幹線が用意された。終電の接続を逃した帰宅難民は駅近くのビジネスホテルやマンガ喫茶に殺到。あれは土曜日だったが、平日の通勤ラッシュ時間だったら、もっと大混乱していたはずだ。
電車に乗っているときに大地震に襲われたら、どうやってパニック現場から逃げ、自宅や会社に戻ればいいか。
災害危機管理アドバイザー・和田隆昌氏が言う。
「3・11のとき、JR東日本はその日のうちの復旧を放棄しましたが、地下鉄や私鉄は復旧しました。特に早かったのが、地下鉄です。先日の小笠原地震のときも同様で、JRは復旧が遅かったが、地下鉄は早期に復旧しています。地震の揺れは、地下の方が弱く、地上の3分の1で済みます。その分、地上より事故や故障のリスクが減り、地下鉄の方が復旧しやすい。つまり、万が一のときはJRに乗車していたとしても、停車した駅から最寄りの地下鉄の駅に移動し、そこから私鉄への接続を考えた方がいい」
国土交通省の報告書によると、3・11の後、午後8時40分に東京メトロ銀座線と都営大江戸線が全線復旧、半蔵門線が一部区間のみ再開した。あのとき、銀座駅で取材していた記者は、「銀座線が動いたのに、なんで丸ノ内線がダメなんだ」「日比谷線も一緒に動かせ」といった怒号をあちこちで聞いたが、銀座線がいち早く再開したのは、偶然ではない。
「地震後は、専門のスタッフが線路、照明、トンネルなどをチェック。その後、安全確認列車を走らせて、本格復旧となります。チェックする長さもポイントも路線によって違うため、復旧に差が出る。しかも、他社との乗り入れがあると、相手側の判断も必要で、接続が多く、運行距離が長い路線ほど復旧が遅くなりやすいのです。銀座線も大江戸線も相互乗り入れがありません」(国土交通省関係者)
その後、9時15分に都営三田線、9時20分に南北線、都営浅草線と続くが、いずれも一部区間のみ。9時55分に西武新宿線全線、58分に都営新宿線全線、10時10分に京王線全線が復旧し、10時30分には半蔵門線と東急田園都市線との接続も再開したころから、首都の交通網はかなり回復。しかし、JRのほか、東武全線、京成全線、京急全線、西武有楽町線全線は終日運転を見合わせた。
こうしてみると、3・11クラスの地震が起きたとき、方向別の帰り方がある程度見えてくる。千葉方面は、都営新宿線か東西線の駅で復旧を待つ。神奈川方面なら都心の地下鉄から小田急か東急への接続を狙う。埼玉方面は南北線か西武線などで近くまで行くといった具合だ。いずれも、JRをあきらめるのがポイントだ。JRの駅でモタモタしていると、小笠原地震のときのように復旧した私鉄への接続に間に合わなくなる。
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