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[Q&A]「深発地震」のしくみは? プレート湾曲部に亀裂
震源近いと被害大きく
5月30日に小笠原諸島沖で発生したマグニチュード(M)8.1の地震は深さ682キロメートルと非常に深い場所が震源だった。非常に深い場所が震源の「深発地震」は発生する仕組みなどが他の地震と違う。
Q 深発地震とは何か。
A 一般に深さ100キロメートルよりも深いところで発生する地震のことを指す。別のプレートの下に沈み込む海のプレートの内部で発生する。震源は700キロメートルの深さに達するものもあるという。
深発地震の存在は古くから知られていた。気象庁の初代長官を務めた故・和達(わだち)清夫氏が1927年に発見した。深発地震が発生しやすい場所を「和達・ベニオフ帯」と呼ぶ。
Q どんな仕組みで起きるのか。
A 小笠原諸島付近では、太平洋プレートがフィリピン海プレートの下に約50度の角度で急激に沈み込んでいる。地球内部のマントルは性質の違いから、上部マントルと下部マントルに分けられる。その境界部で沈み込んだ太平洋プレートは水平方向に向きを変える。
この湾曲部では、ひずみがたまり続ける。耐えきれなくなると、巨大な亀裂が発生して地震が起きる。今回の地震はプレートの下部で発生したとみられ、震源が深かったと考えられる。
Q 過去にも同じような規模の地震はあったのか。
A 小笠原沖では過去に深さ400キロメートル台、M7級の地震は発生していた。ここまで規模の大きな地震はなかったようだ。
世界に目を向けると、M8級の深発地震がときどき起きている。直近では、2013年5月にオホーツク海でM8.3、深さ約600キロメートルという地震が発生した。このときはモスクワでも揺れを感じたという。
Q 広い範囲で揺れたが、大きな被害は出なかった。
A 今回の地震は震源が日本列島から遠かったため、被害が小さかった。地震波は固いプレートの内部を伝わるときは弱まりにくく、陸地の真下で起きた場合は被害が大きくなる。1994年6月に南米ボリビアで発生した深発地震では、10人の死者が出た。
[日経新聞6月1日朝刊P.13]
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