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ネパールだけじゃない こんなにある世界の地震頻発地帯
http://newsbiz.yahoo.co.jp/detail?a=20150523-00000005-wordleaf-nb&p=1
THE PAGE 2015/5/23 13:00
4月末に起きたマグニチュード(以下M)7.8のネパール大地震(図中1)では、甚大な被害が出ています。これは地震多発国である日本にとって他人ごとではありません。世界には地震が多く起きる地域があります。
■地震が発生するのはどんな場所?
[メイン図]世界で起きたM5以上で震源の浅い地震の分布
メイン図に1900年以降に起きたM5以上の世界の浅い震源の分布を示しています。震源が帯状に連なっていますが、これが地震帯です。その地震帯で囲まれた領域が一つのプレートになっています。
地球の表面はこのようなプレート(卵でいえば殻のようなもの)10数枚で覆われています。これらのプレートがそれぞれ違った方向にゆっくり動いているため、隣り合うプレート同士でぶつかったり、こすれたりしますが、そのときに地震が起きます。
■日本周辺で起きた地震
[図]日本を含む世界の主な地震
まず、日本付近ですが、2011年3月11日の東日本大震災(図中2=M9.0、死者・行方不明者数1万8958人)を起こした大平洋プレート(海のプレート) が、関東地方から東北、北海道の下に東側から滑り込んでいます。東日本の陸のプレート(北米プレート) と滑り込んだ大平洋プレートが接触している面がプレートの境界面で、地震が多く起きています。2003年十勝沖地震(図中3=M8.0、1人)もその一つです。東北地方と北海道は、日本海側からもその下に別のプレートが滑り込もうとしています。日本海東縁に沿って新しいプレート境界面が出来つつあります。1983年日本海中部地震(図中4=M7.7、108人)や1993年北海道南西沖地震(図中5=M7.8、202人)などがこの境界面付近で起きたとされています。関東地方は南側からフィリピン海プレートが滑り込んでいます。この境界面で起きた大地震が10万人以上の犠牲者を出した1923年関東大震災(図中6=M7.9、10万5000余人)です。
西南日本の下(ユーラシアプレート) には南からフィリピン海プレートが滑り込んでいます。静岡県の駿河湾から愛知県、三重県、和歌山県、高知県の下とその沖合にかけて境界面があり、そこでは21世紀の半ばまでに巨大地震が起きると予想されています(南海トラフの巨大地震)。このほか、陸のプレートの中でも規模は少し小さくなりますが、地震が起きます。1995年兵庫県南部地震(図中7=M7.3、6437人)などがその例です。都市のすぐ下で浅い所に震源断層があると大きな被害を引き起こします。
■海のプレートが陸に沈み込む場所
さて、メイン図に戻って、ヨーロッパからアフリカプレートをぐるっと囲むように、太平洋や大西洋、インド洋の中に長く続く地震帯が明瞭に見えます。ここではマントルから新しくプレートが生まれて、両側へ広がっているところです。ときどき大地震が起きますが、陸から離れているので被害はほとんどありません。唯一例外はアイスランドでここでは陸域で活発な火山噴火とともに地震も起きています。
次に、海のプレートが陸(日本のような島だけでなく大陸のプレート)の下へ滑り込むようなところでの地震です。日本で起こる地震の多くはこのパターンで、環太平洋のほとんどの所がこのタイプの地震が起きています。南米チリ沖では、観測史上世界最大の1960年チリ地震(図中8=M9.5、世界で5700人、日本で142人)が起きています。そこから中米、メキシコまで続き、少し飛び離れてアラスカからアリューシャン列島、カムチャッカ、千島列島、東日本、伊豆・小笠原、マリアナと続きます。そして、ニューギニアから東に連なる諸島にそってニュージーランドまで。またインド洋では、インド・オーストラリアプレートが2004年スマトラ地震(図中9=M9.0、22万7898人)の震源域から東の所はインドネシアの下へ滑り込んでいます。
スマトラ地震の北側とその西側(ネパール地震のところ)はプレートが衝突しているので後で説明します。ほかにもフィリピンは東側からフィリピン海プレートが、西側から南シナ海がフィリピン諸島の下へ滑り込んでおり、それらの境界面で地震が起きています。ギリシャ周辺で起きる地震も南側のアフリカプレートがギリシャの下へ滑り込むために起きています。
■大陸プレート同士が衝突する場所
隣り合う大陸プレート同士が衝突している場所にも、地震が頻発します。今回のネパール地震もその一つです。ここでは、大きな大陸を乗せたインド・オーストラリアプレートが、やはり大きな大陸プレートであるユーラシアプレートにぶつかっているのです。そのため押し込まれたチベット側に広大な高原がひろがり、非常に高いヒマラヤ山脈が出来ました。このプレート境界付近では近年地震活動が特に活発で、2005年カシミール地震(図中10=M7.7、8万6000人以上)のほか、押し込まれたチベット高原側でも2008年四川地震(図中11=M8.1、7万人近く)、2010年青海地震(図中12=M7.0、2220人)などが起きています。
古くは1556年中国陜西省華県地震(図中13=M8.2)で、なんと83万人の犠牲者が出たとされています。この活動は、中央アジアからイラン、イラクへ続きます。耐震性の低い煉瓦住宅が多いところでは、2003年イラン・バム地震(図中14=M6.8、4万3200人)のように中規模の地震でも大きな被害を引き起こします。規模は小さいのですが、台湾もまた衝突型のプレート境界の一つに挙げられます。1999年集集地震(図中15=M7.7、2413人)は台湾の中央部で起きました。
一方、押し込んでいる側のインドでは、限られた場所ですが大地震が起きます。2001年インド・ブジュ地震(図中16=M8.0、2万人余)がその例です。
■プレート同士が横にずれる場所
隣合うプレート同士が横にずれ合う境界でも地震が起きます。この例は米国カリフォルニアやトルコ、ニュージーランドなどです。代表的な地震は1906年サンフランシスコ地震(図中17=M8.3、700人または3000人)で、北米プレートに対して南西側の太平洋プレートが北西へ動き、サンフランシスコに大きな被害をもたらしました。カナダのバンクーバー島から北側の大平洋沿岸もこの型の地震が起きています。1999年トルコ・コジャエリ地震(図中18=M7.8、1万7118人)では北アナトリア断層の一部が震源断層になりましたが、ここでは1960年代から東の方から順次地震が起きてきていて、現在はイスタンブールの南にあるマルマラ海の部分が未破壊域で残っていると考えられています。大地震が将来起きる可能性の高い場所なので注意が必要です。
このほかカリブ海プレートが北米プレートに対して東に動いて起きた2010年ハイチ地震(図中19=M7.3、31万6000人)もあります。南米大陸側のベネズエラでも1812年に地震(図中20=M6.3、2万人)が起きています。ニュージーランドの2011年クライストチャーチ地震(図中21)は、プレート境界ではなく東側の太平洋プレートの端の陸域で起きたものでM6.3と規模は大きくありませんでしたが、都市直下に震源があったため日本人28人を含む185人の犠牲者が出ています。
ヨーロッパはユーラシアプレートの西部で、南にアフリカプレートがあり、両者の間はアルプス山脈からアフリカ大陸北岸の間で複雑なプレート境界になっています。この地域も大地震がときどき起こり、大きな被害を出しています。例えば、イタリアでは1908年メッシナ地震(図中22=M7.1、8万2000人)、アルジェリアでは1980年エルアスナム地震(図中23=M7.3、3500人)、モロッコでは1960年アガディル地震(図中25=M5.7、1万3100人)、そして1755年リスボン地震(図中25=M8.5、6万2000人)はジブラルタル海峡より西方沖で起きています。例外的にルーマニアでは、震源が深い1977年バレンシア地震(図中26=M7.2、1581人)で被害が出ています。
(静岡大学防災総合センター客員教授・石川有三)
■石川有三(いしかわ・ゆうぞう) 京都大学理学研究科博士課程中退、中国地震局地球物理研究所に1年留学、気象庁入庁後、気象研究所地震火山研究部主任研究官、研究室長、精密地震観測室長、地磁気観測所長を歴任。1990年運輸大臣賞受賞。現在は、国立研究開発法人産業技術総合研究所活断層・火山研究部門招聘研究員。静岡大学防災総合センター客員教授も兼務。専門は、地震学・地震予知
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