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御嶽山噴火を的中させた地震学者が警告!木村政昭・琉球大学名誉教授「富士山は『5年以内』に必ず噴火する」
http://gendai.ismedia.jp/articles/-/40761
2014年10月15日(水) 週刊現代 :現代ビジネス
異変の兆候は、もう出始めていた
東日本大震災で地殻の大変動期に入った日本。そのことを忘れかけている日本人に、御嶽山の噴火を予測した専門家が衝撃的な警告を発している。5年以内にあの富士山が噴火するというのだ―。
■ここで「何か」が起きている
その日、本誌記者は富士山の北東、山梨県側の林道に分け入った。外国人を含めて数万単位の人々がこの山に押し寄せているとはいえ、観光客が滅多に訪れることのないこの林道には、まったく人の気配がない。
おりしも、あたりには霧が立ち込め、ぬるい風が頬を撫でる。森林の清浄な空気に混じって、かすかに都会の下水溝から漂う硫化水素のような臭いが感じられた。そう言えば、先ほどからふもとではうるさいほどに響いていた虫や鳥の声があまり聞こえてこない。
その直後、記者の目に飛び込んできたのは、戦慄すべき光景だった。
いくつかの木々の枝が枯れ、茶色に変色している。足元に転がっているのは、野ネズミの死骸だ。棒でつついて観察してみても、外傷はどこにも見当たらない。
まるで、有毒ガスか何かがこの一帯を襲った後であるかのようだ。
注意を払いながら前進すると、斜面の崩落を防ぐために設置されたコンクリートの擁壁が目に入ってくる。だが整然と並べられたコンクリートブロックの継ぎ目からは、白く、融けた石灰のような筋が垂れている。
やがて、つい先年、補修されたばかりのはずの林道の路面に、大きなひび割れが出来ている場所に辿り着いた。
この場所で、もうすぐ「何か」が起きようとしている。記者の背中には冷たい汗が流れたのだが、それに気づいたのは、この危険地帯を脱出したかなり後のことだった。
日本を象徴する富士山の山麓でいま、謎の異常現象が相次いでいる。実はこれらの異常現象は、本誌記者が事前に取材していた、ある研究者の「警告」と、不気味なほど一致していた。
その研究者とは、琉球大学の木村政昭名誉教授。実は木村名誉教授は、9月27日に噴火し、戦後最悪の犠牲者を出した、木曽御嶽山の噴火を予測していた科学者なのである。
「2009~2017年の間に噴火するという、私の御嶽山に対する予測は、当たってしまったということになります。まさかこのような形になるとは思いませんでしたが……」
御嶽山の噴火は、秋の紅葉シーズンを楽しんでいた多数の登山者の命を奪うことになった。10月1日には犠牲者数が'91年の雲仙普賢岳噴火の43人を超え戦後最多の死者を出した。
火山の噴火は、地震に比べて予測しやすいと言われることもあった。噴火の前に火山性地震の増加など、さまざまな前兆現象が観測されることも多いからだ。しかし、御嶽山の噴火は、やはり突如襲いかかってくる自然の猛威を、人間があらかじめ知ることの難しさを見せつけるものとなった。
噴火当日の27日には、火山性地震が313回に急増。その4分の3にあたる約240回は、噴火前後の2時間に発生したものだった。急激な山の変化に、火山活動を観測してきた気象庁も対応が間に合わず、すでに登頂を果たし、昼食をとるなどしていた多くの登山者に警告を発することはできなかった。
■「噴火の目」を観測した
これほどまでに難しい火山噴火の予測。だが実は、木村名誉教授は2013年に出版した著書『東海地震も関東大地震も起きない!』(宝島社)のなかで、御嶽山の噴火時期について、
〈2013年±4年〉
とする予測を発表していたのだ。いったい、どのようにしてこの数字を割り出したのか。木村名誉教授に訊いた。
「これは私が『噴火の目』と呼んでいる現象を分析することで予測したものです。
御嶽山の直下と付近の地下で起こる火山性地震のデータは、気象庁が日常的に研究者向けに公開している。これを分析して、地下10qから20q付近で地震が起こった回数を割り出します。すると、年間に数回ですが、地震の回数が急増する時期がある。そして、その際には、火山性微動も伴ってくるんです」
火山性微動は、火山性地震とちがい、通常は人間が感じることのできないような低周波の地震だ。地下で液体状のマグマなどが移動した際に、ズルズルッと地殻がこすられることなどで発生する。
「火山性微動の起こる領域、つまりマグマが存在する領域で、火山性地震がどれくらい起こっているか。
あらためてこれを分析すると、やはりある時、急激に増加することがあるのです。普段は無いに等しいくらい静かなのが、急に変化する。こうした変化が起こると、経験的に見て30年ほどで噴火が起こる。
このように、地震の集中する時期を私は『噴火の目』と名付けています。その回数は次第に増加していき、やがて噴火に至るのです」
つまり、「噴火の目」の発生頻度を追っていけば、おおよそ何年後に大規模な噴火に至るのかを予測できるというわけだ。
では、この「噴火の目」の法則が危険性を指し示す火山は、他にないのだろうか。あるとすれば、我々はその警告に耳を傾けて損はあるまい。木村名誉教授は、こう話す。
「私は、御嶽山について予測を書いた同じ本で、私は富士山について、2014年±5年、という分析結果を掲載しているんです」
富士山噴火は、現在の2014年から5年以内―。最新のデータ分析が指し示したのは、あまりにも衝撃的な結果だった。
内閣府が公表している予測によると、富士山の噴火が起これば周辺で1万3600人が噴石の直撃に命を脅かされ、経済的損失は2兆5000億円に達する。噴煙は首都圏にまで到達し、火山灰によって電気設備がショート、大規模な停電が起こるほか、公共交通機関も停止。都市機能に壊滅的な打撃を与えるとされる。
本当に富士山噴火は近いのか。実は、M9・0と推定される東日本大震災以降、多くの火山学者・地震学者が、日本で火山の大規模な噴火が起こるリスクが高まっていると指摘してきた。
なぜなら、20世紀半ば以降、世界で発生したM9クラスの地震後の経過を辿ると、1952年カムチャッカ地震(M9・0、カルピンスキ山などが3ヵ月以内に噴火)、1960年チリ地震(M9・5、コルドンカウジェ火山などが1年以内に噴火)、2004年スマトラ地震(M9・2、タラン、メラピ、ケルート各山が3年以内に噴火)など、すべて例外なく火山の大噴火につながっているからだ。
駿河湾、相模湾から連なる地殻の境界線上にそびえ立ち、東日本大震災の影響を受けたと考えられる富士山は、元より、近い将来に噴火する最有力候補なのだ。
■せりあがってきたマグマ
さらに、ここ数年、富士山では異常な現象が続々と報告されている。たとえば'11年、富士山のふもとにあたる富士宮市内の各所では、突如地下水がわきだす異常湧水が発生。3合目付近では水蒸気が噴出したことが観察されたほか、昨年には山梨県側から富士山を登る滝沢林道で300mにわたって道路が崩壊した。木村名誉教授は、これらがマグマが上昇してきたことを間接的に示すものではないかと危惧する。
「私が特に注意しているのは、何ヵ月か続いた異常湧水なんです。実は、このとき湧いた水は酸性だったんですね。農業用の貯水池にも水が上がってきていて、本来は灰色のはずのコンクリートの壁が、地下水が上がってきた部分だけ白く変色していたんです。
コンクリートというのはアルカリ性なんですが、これは酸性のものが反応した証拠。つまり湧水が酸性だったということです。マグマに触れた地下水に酸性の成分が溶け込み、それが地表まで上がってきたものと考えられます」
同じような現象は、過去にも発生していたという。長野県で1965年に発生した松代群発地震の際だ。木村名誉教授が続ける。
「私たちが松代群発地震の調査に入ったときにも、酸性の湧水が見られたのです。この現象を、先輩学者の中村一明先生(東京大学地震研究所元教授)が『水噴火』と名付けた。マグマは流れてこないけど、噴火と同じように水が噴き出したという意味です。
富士宮の異常湧水も同じような現象で、まさに『水噴火』があったのだと私はとらえています。下からマグマが上がってきて、上にあった地下水が押しやられる。『水噴火』が起こると、それが大規模なマグマ噴火や水蒸気噴火につながる可能性も否定できない。松代の群発地震も、その後の御嶽山噴火(1979年の大規模な水蒸気噴火)と関係していた可能性がある。そのように考えれば、富士宮の湧水も、富士山噴火に関係すると見ておかしくない」
では、いま現在の富士山では、何が起こっているのだろうか。それを確認しようと現地に入った記者が見たものが、前述の、あまりに不気味な光景の数々だったというわけだ。
今回選んだルートは、昨年、大規模な林道の崩落が起きた滝沢林道を通るもの。滝沢林道は、山梨県側から、山中湖の富士山側にある自衛隊北富士演習場の南西側に沿うように走る林道だ。自動車の通行が許されている林道の中腹までは車、その後は徒歩で、富士山の7合目付近まで歩いて徹底調査しようと考えた。
■山は今も動いている
だが、その結果は我々の想像をはるかに超えていた。冒頭に書いたように、木々の枝が枯れ、野ネズミが死んでいた滝沢林道の崩落現場近くで、いきなり木村名誉教授が指摘したコンクリートの白色化と思われる現象に出会った(次ページの写真1)。
こうしたコンクリートの擁壁は道中、複数箇所にあったのだが、このような現象が起きていたのは、滝沢林道の崩落現場付近だけだった。林道崩落の原因については、公式には大雨による土砂の流出とされている。だが仮に、この付近で酸性の湧水が起きていたとすれば、やはり地殻変動の影響を受けたものだった可能性も否定できない。
そのすぐ先の林道の路面には大きな亀裂が入っていることも確認(写真2)。これは擁壁が白く変色していた場所からそう遠くない位置だった。さらに林道を越えて進むこと2時間。本格的な登山道に入ったところで現れたのは、大規模な崩落の現場だ(写真3)。周囲は真新しいコーンで囲まれ、注意を呼びかける紙が風に揺れていた。山は日々、動いているのだ。
今回、コンクリートの白色化が確認された滝沢林道は、富士山の山頂から見て北東(山梨、神奈川、東京)方向にあたる。これに関係して、木村名誉教授は取材の際、気になることを指摘していた。
「富士山の南東方向には宝永噴火(1707年)の火口があり、国は次の富士山噴火についても、そちら側が危険だと考えているようです。しかし私は、そのラインよりも、北東―南西ラインが気になる。さらに言えば、北東斜面です。
これまで、富士山噴火の火口となった場所は、北東―南西の線上と、北西―南東の線上を、ほぼ交互に繰り返している。直近の宝永噴火は南東側で起こっています。ですから私は、次は北東側の斜面が破れて溶岩が出ると予測しています」
まさに危険地帯と木村名誉教授が予測する北東側で起こっている富士山の異変。やはりその日は近いのか。富士山が噴火すれば、その被害は御嶽山の比ではない。いざという時、自分と家族の生死を分けるのは、普段からの覚悟と用心である。
「週刊現代」2014年10月18日号より
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