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山頂付近の山小屋の屋根は噴石で多数の穴が開いている(本社ヘリから)
北大名誉教授が気象庁の対応を批判「明らかな前兆があった」 御嶽山噴火
http://www.zakzak.co.jp/society/domestic/news/20141003/dms1410031532018-n1.htm
2014.10.03 夕刊フジ
死者が47人に達し、戦後最悪の火山災害になった御嶽山(3067メートル)の噴火。小規模な水蒸気噴火だったために予知は困難だったとされるが、何の対策も打てなかった気象庁に批判の声が上がっている。2000年の北海道・有珠山(733メートル)の噴火を的中させた火山学の権威は「初動の遅れが惨事を招いた」と厳しく指弾。「防災体制の見直しが急務だ」と警告を発している。
「すべてが裏目に出てしまった。もっとできることがあったはずだ」
御嶽山の噴火をめぐる気象庁の対応について、こう話すのは、北海道大学名誉教授(火山学)で、「環境防災研究機構北海道」の理事を務める岡田弘(ひろむ)氏(70)だ。
岡田氏は、北大大学院理学研究院附属地震火山研究観測センターの教授だった2000年3月、洞爺湖町と伊達市にまたがる有珠山の噴火を予知。早期に住民を避難させ、被害を最小限に食い止めた実績を持つ。
今回、人的被害が大きくなった背景として、マグマで熱せられた地下水が沸騰し、爆発する「水蒸気噴火」だった点が挙げられている。
噴火には水蒸気噴火のほか、マグマが上昇して吹き出す「マグマ噴火」、高温のマグマが直接、地下水に接して爆発する「マグマ水蒸気噴火」がある。この中で水蒸気噴火は最も予知しにくいとされるが、岡田氏は「それは半世紀以上も前からいわれていることで、今回は明らかな前兆があった。十分対策は打てた」と指摘する。
御嶽山では9月に入り山頂付近で、火山性地震が増加。地下でのマグマの活動を示すとされる低周波地震も発生、噴火の前触れは何度もあった。
「噴火リスクを示す火山性地震の増加は、山側にも自治体にも情報は送られていたが、警戒レベルは平常時と同じ1のままだった。観光シーズンだった地元への影響も考慮したのだろうが、火口周辺への立ち入りが規制される2に上げておけばこれほどの被害は出なかった」(岡田氏)
危険シグナルを見落とした格好の気象庁。同庁の担当者は、会見で「噴火警戒レベルの変更について検討をしたが、地殻変動を伴っていないためしなかった」と言い訳に終始している。この姿勢を岡田氏は「日本全国の火山にはそれぞれ固有のリスクがある。現在の警戒レベルのレベル分けの仕組みでは、火山ごとの実態に即した柔軟な対応ができない。リスクに応じた対策を講じるべきだった」と断じる。
日本には、気象庁が常時観測する47の活火山が点在し、どの山も御嶽山のような噴火を起こす危険がある。悲劇を繰り返さないためにはどうすればいいのか。
岡田氏は「現地に常駐し、火山を定点観測する研究者が必要。いまの日本にはそういう体制が整備されていない。緊急時に、救援体制も含めて全体を統括する人の顔が見えないのも問題だ。火山への対策を抜本的に見直さなくてはならない」と話している。
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