04. 2014年9月21日 16:22:03
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冒頭の Slate では、幾つかの説を載せています 北極周辺での森林火災の増加と黒い氷床の関係
その中で、ひとつの大きな原因ではないかというものとして、 今年は北極圏での森林火災が観測史上で最も多い ということが挙げられていました。 下の表がそれを示したものです。 north-fire-2014.gif これは、1月から8月までの森林火災の推移のグラフです。日本語はこちらで入れています。なお、グラフの左の数値は火災の発生件数ではなく、火災の「総エネルギー」ということのようです。 上のグラフを見ますと、確かに 2014年は観測史上で最も北極圏での森林火災が多かった、あるいは強かった年ではあるようです。 しかし、2番目に強かった 2012年が 29万ギガワットで、それに対して、2014年の 33万ギガワットは、それほど激しい差には見えません。 というか、「現在のグリーンランドの氷床の黒さの理由を代弁できるほどのものではない気がします。 北極に近い場所での山火事は 2012年頃を中心にシベリアなどで多発していて、たとえば、下は、過去記事に記した 2012年 7月 24日のロシアのメディア リア・ノボスチの記事の翻訳からの抜粋です。 シベリアの異常な熱波が森林火災を引き起こし、未曾有の干ばつが進んでいる Novosti 2012.07.24 5月から続いているシベリアの熱波は7月に入り拡大している。この熱波により森林火災が拡がり、川が干上がり、作物はほぼ枯れた。 現在も気温は最高で 34度を越える日が続いており、シベリアの気象局によると、現在の 26度から 34度程度の熱波は9月まで続くと予測されている。 山火事も 1930年以来、最悪のペースで発生している。すでに 20万ヘクタールの森が火災で焼失した。 というような事態は、すでに何年も前から続いていて、そのような年を含めて、これまで「北極圏の氷が黒くなった」という事態は「どんな研究者も今まで見たことがないこと」なのだそうですので、山林火災の多発とは別の理由もありそうです。 とはいっても、カナダ北部などでは例年の9倍の山林火災が発生しているようで、北極圏の周辺が「乾燥していて高温気味」であることは間違いないようです。 そして、南極は逆に、非常に「雪が多く低温傾向」となっています。 メタンと二酸化炭素が海底から放出し続ける北極
2年くらい前に、アメリカ海洋大気庁( NOAA )が、北極圏の周辺で「高い二酸化炭素が観測された」という報道がありました。 下のような報道でした。 地球が二酸化炭素だらけに? 北極地域で高濃度観測 米海洋大気局が警告 msn産経ニュース 2012.06.01 米海洋大気局(NOAA)は5月31日、アラスカの観測所で4月に初めて、大気中から月平均400ppmの高い濃度の二酸化炭素(CO2)が観測されたと発表した。北極に近いアイスランドやノルウェー、カナダなど他の6カ所でも今春に400ppmを観測したという。 この報道では、その後に、 > 北極に近い地域は、北半球の国から工業活動などに伴い排出されたCO2が集まりやすく、高い濃度になったとみられる。 と続き、あくまで、北極地域での高濃度の二酸化炭素が「人間の活動によるもの」としていたわけですが、今回ご紹介する記事に登場する科学者は、 IPCC(気候変動に関する政府間パネル)の第4次評価報告書への寄稿者のひとりである「地球温暖化系の人」であるオハイオ州立大学の科学者ジェイソン・ボックス( Jason Box )博士という人で、つまり、どちらかというと、「地球温暖化寄り」の記事ではあります。 そのボックス博士は、今年の初めに下のようなツイートをしました。 fd2.gif 上のツイートの根本的な意味は私にはよくわからないですが、ただ、北極海だけではなく、現在、「地球のさまざまな地域の海底からメタンや二酸化炭素などが噴出している」ということはあります。
過去記事の、 ・アメリカ大陸周辺で何が起きようとしているのか(1) : ロサンゼルス沿岸のプレート境界の海底から大量に噴出するメタン 2013年03月08日 など、メタンが噴出していることが明らかとなっている場所はいろいろとあります。 これらが地殻の変化などと関係あるのかどうかはわかりませんけれど、上のツイートのように、何かの破片をも噴出するようなことがあるのならば、今回の「グリーンランドの氷が黒いこと」と、「北極での海底からの様々な噴出」は、あるいは関係あるのかもしれません。 |