02. 2014年8月26日 22:34:01
: BilAAg2lB2
日本海側の津波の高さ 想定を公表 8月26日 18時14分 動画http://www3.nhk.or.jp/news/html/20140826/k10014101171000.html過去に津波を伴う大地震が起きている日本海について、国の検討会は、各地を襲う最大クラスの津波の高さについて初めての想定をまとめ、26日、公表しました。 早いところでは地震の発生から1分以内に津波が到達し、場所によっては平地の津波の高さが10メートル以上に達すると想定されています。 日本海では、平成5年の北海道南西沖地震や、昭和58年の日本海中部地震など、過去に津波を伴う大地震が起きて、沿岸の地域に大きな被害が出ています。 このため、国の専門家による検討会は、海底の地形や地層に残された津波の堆積物の調査などの研究を基に、北海道から九州にかけての日本海で想定した60の断層について、検討を進めてきました。 そして、マグニチュード6.8から最大で7.9の規模の253のパターンの地震の起こり方から各自治体で最大となる津波の高さなどを推計し、26日、その結果を公表しました。 それによりますと、北海道や山形県それに新潟県などの15の自治体では、地震発生から1分以内に高さ30センチ以上の津波が到達すると想定されました。 さらに、地震発生から5分以内に到達する市町村は、1分以内に到達する自治体を含め49に上ると想定されています。 断層の沿岸からの距離が比較的近いため、多くの地域で地震の発生から非常に短い時間で津波が到達すると推計されました。 また、平地での津波の高さは、北海道奥尻町で12.4メートル、石川県珠洲市で12.2メートルなどと、北海道と石川県それに秋田県の4つの市町村で10メートルを超えると想定されました。 さらに、北海道から石川県にかけては、各地で津波の高さが5メートル以上に達すると想定されました。 今回の想定を受けて、日本海沿岸の各自治体では、従来の想定や対策について見直しが必要かどうか検討を進めていくことになります。 揺れを感じたらただちに避難を 検討会の座長を務める東京大学の阿部勝征名誉教授は、記者会見で「日本海側では地震の規模が小さくても大きい津波が来ることがあり、過去の地震でも10メートルを超える大津波が繰り返し来ている。さらに震源が海岸に近いので、予想よりも早く津波が早く来ることがあり、揺れを感じたらただちに避難するということが何より大切だ。場合によっては、揺れている最中に逃げなくてはならないこともあり、津波が早く到達すると想定される地域では、日頃から訓練を積んでおくことが必要だ」と述べました。 また、東日本や北日本に比べて西日本での津波の高さの想定が低いことについて、「高さ50センチの津波でも大人が立っていることができず、高さ2メートルの津波では住宅が全壊するおそれもある。想定が低い地域でも警戒を怠らないでほしい」と話しています。 到達時間 今回の想定では、日本海の沿岸の自治体に最も影響が大きいと考えられる253の地震の起こり方について、市街地などがある平地と崖地とに分けて、最大の津波の高さや到達時間などを推計しました。 断層の沿岸からの距離が比較的近いため、多くの地域で地震の発生から非常に短い時間で津波が到達すると想定されているのが特徴です。 このうち、北海道、山形県、新潟県、富山県、石川県、それに福井県の15の市町村では地震の発生から1分以内に高さ30センチ以上の津波が到達すると推計されています。 北海道奥尻町では、地震の発生から1分以内に津波が到達したあと、平地の津波の高さが最大で12.4メートルに達すると想定されています。 また、山形県酒田市では、地震の発生から1分以内に飛島に津波が到達したあと、平地の津波の高さが最大で9.6メートルに達するほか、▽石川県輪島市で8.2メートル、▽新潟県糸魚川市で7.7メートル、▽富山県朝日町で6.7メートルに達すると想定されています。 また、北海道から京都府にかけてと山口県と福岡県の、合わせて11道府県の34の市町村では、地震の発生から5分以内に高さ30センチ以上の津波が到達すると推計されています。 津波の高さ・平地 一方、平地の津波の高さは、北海道奥尻町で12.4メートル、石川県珠洲市で12.2メートル、北海道神恵内村と秋田県八峰町で11.4メートルと、北海道と石川県それに秋田県の4市町村で10メートルを超える津波の高さが想定されました。 また、▽山形県酒田市の飛島で9.6メートル、▽新潟県佐渡市で9.4メートル、▽青森県深浦町で9.3メートル、▽富山県入善町で7.5メートルなどと、北海道から石川県にかけては最大で津波の高さが5メートル以上に達すると想定されました。 さらに、福井県から九州にかけては、▽福井県坂井市と島根県隠岐の島町で4.4メートル、▽京都府伊根町で4.3メートル、▽福岡県福津市で3.8メートル、▽山口県下関市で3.2メートルなどと、平地での津波の高さが最大で3メートルから4メートル余りに達すると想定されました。 すべての海岸線での津波の高さ また、平地以外の崖地での津波の高さは、北海道せたな町で23.4メートル、神恵内村で20.3メートルに達するほか、▽青森県と秋田県、山形県、新潟県、それに石川県で最大で10メートル以上、▽富山県と福井県、京都府、兵庫県、島根県、それに山口県で最大で5メートル以上に達すると想定されています。 石川県の最大ケース 国は、今回公表した想定のうち、代表的なケースの動画をコンピューターで作成しました。 このうち、新潟県沖で長さおよそ90キロの断層がずれ動いてマグニチュード7.6の地震が起こるケースの動画では、地震発生の直後に、富山県や新潟県の沿岸に津波が押し寄せます。 高い津波を示す赤色の波紋が2分から3分程度で沿岸に到達し、新潟県糸魚川市の沿岸では5分程度で高さ5メートルを超えます。 さらに、地震発生から10分ほどで、津波は能登半島の沿岸にも到達し、津波の高さは広い範囲で5メートル以上となり、石川県珠洲市の沿岸では20分以内に10メートルを超える津波が押し寄せます。 青森・秋田沖のケース また、青森県沖から秋田県沖にかけて長さおよそ130キロの断層がずれ動き、マグニチュード7.9の地震が起こるケースの動画では、発生から5分で青森県深浦町の沿岸に津波が押し寄せ、10分ほどで高さ5メートルを超えます。 その後、発生から20分余りで、青森県や秋田県それに北海道の各地の沿岸に高さ5メートルを超える津波が押し寄ます。 さらに、その後、津波は1時間半から3時間ほどで近畿や中国地方の沿岸にも押し寄せ、▽京都府伊根町や▽鳥取県大山町、それに▽島根県隠岐の島町などでも高さ3メートルを超える津波が押し寄せます。 検討会は、海底の地形などによって東北の沖合で発生した地震による津波が、西日本にも到達することがあるとして、「遠い場所で発生した地震であっても警戒が必要だ」としています。
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