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〈FT特約〉中国、量子通信の試験成功 ハッキング防止で先駆
中国の都市が「ハッキング不可能な」通信ネットワークの試験に成功し、世界初の大規模な量子通信の実用化に期待が高まっている。
中国東部の山東省済南市政府は10日、フィナンシャル・タイムズ紙に対し、8月末までに同市の各部門でこのネットワークの使用を開始すると明らかにした。
プロジェクトに参加した済南量子技術研究院の周飛・副院長は「このネットワークを国防、金融などの分野で使用する計画で、試験版としてこれを広げ、うまくいけば中国全土や全世界で利用できるだろう」と語る。
今回の成功は、構築中の北京―上海間の量子ネットワークには追い風だ。同ネットワークでは、両都市の間に位置する済南を通信伝送用の都市間ハブとして利用する。
量子鍵配送(QKD)ネットワークは広く利用されている電子通信より安全だ。電話やインターネットケーブルなどの従来型チャンネルは送信者や受信者が気付かないうちに盗聴される可能性がある。一方、量子チャンネルが盗聴された場合は伝達される情報が変化してしまう。こうした情報の乱れで異常があったことを利用者に警告する。
北京―上海ネットワークは延長2000キロメートル以上におよぶ世界最長の地上ベースの量子通信チャンネルになる予定で、利用するのは両都市の金融ハブにある商業銀行や政府機関だ。
ネットワークが全面確立すれば、決済などの金融サービスの安全性向上に加え、他国政府が中国の通信を傍受することはほぼ不可能となる。
中国の政策立案者は、国内でのサイバースペースの保護に関心を寄せてきており、政府は量子研究に支援を注いだ。
米ニューヨーク大学上海校の量子物理学者、ティム・バーンズ氏は「他国では量子研究はコストがかかり過ぎるとされるだろうが、中国がこんなにも速く研究プロジェクトを進めたのは素晴らしい」と話す。
中国は先月、世界初の量子通信衛星から量子通信チャンネルを通じて地球にメッセージを送ることにも成功した。
(11日付)
=英フィナンシャル・タイムズ特約
[日経新聞7月12日朝刊P.8]
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